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補選で大敗。民進党には申し訳ないが、もはや再起は困難なレベルだ 現実味を帯びてきた11月解散
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50036
2016.10.24 橋 洋一経済学者 嘉悦大学教授 現代ビジネス
■反省会をやっても無駄
東京10区と福岡6区の両補欠選挙は、自民の圧勝であった。
東京10区は自民党前職の若狭勝氏(59)=公明推薦、福岡6区は無所属新人で前大川市長の鳩山二郎氏(37)の当選となった。23日の投票締め切り直後に、二つの選挙区で当確が出たほどの圧勝。多くの事前予想どおりの、いわゆる「秒殺」というものだった。
野党は両補選とも民進党候補に一本化し、共産、自由、社民各党が支援。共産党は野党共闘を進めるためとして、擁立する予定だった公認候補を取り下げていた。しかし、結果は無様だった。
今ごろ民進党は恒例の反省会を行っているだろう。しかし、再起は難しいといわざるを得ない。基本政策がブレすぎていて、さらに党内人事がまともにできない政党になっているからだ。
その萌芽は、蓮舫体制になったときに、幹事長を野田佳彦氏にしたことにある。
この体制なら、自民党が負けるはずなく、今選挙をやれば、野田民主党が相手だった時と同じ程度の議席獲得が予想される(2016年10月3日付け本コラム「蓮舫・野田氏が相手なら、次の選挙で『自民党300議席』は堅そうだ」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49851)。
一方、野党候補が勝ったとされた新潟知事選である。たしかに新潟知事選では、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が争点となり、県民の過半が再稼働に慎重なため、米山氏に風が一気に吹いた。
それを受けて、民進党の野田幹事長は「安倍政権に対する県民の怒りが反映された」とはしゃいでいる。これは吹き出しものだ。
民進党は、支持母体の連合に「原発推進」の電力総連を抱えているため、新潟県知事選では自主投票としていた。だが、野党系候補の優勢が伝えられると、蓮舫代表は投開票前々日に新潟入りし、街頭演説を行った。それは節操がないというものだ。
しかも、野田幹事長は民主党政権時代になし崩し的に原発再稼動を認めた、その張本人である。
そもそも原子力行政について、与党と野党との政策の差は、実はあまりない。ほとんどの政党は「脱原発」という方向性で同じであるが、そのスピードで差がある程度だ。
先の参院選での公約をみれば、自民は原発依存度を下げ、安全性の確保を前提とし原子力規制委員会に認められたものを立地自治体の理解を得て再稼働を進めるとしている。民進も脱原発をいうが、原発即ゼロとはいわない。公明は原発新設を認めず原発ゼロを目指すが、再稼働は自民党と同じ方針だ。維新の会は原発フェードアウト、共産・生活などは原発即ゼロという具合だ。
当選した米山県知事はどういう考え方なのだろうか。米山氏は10年ほど前に政界に入ったが、当初は自民党だった。その後、維新に移り、維新が民進党に吸収され、今回は無所属での出馬だった。維新は、脱原発の方向であるが、原発即ゼロという立場ではなく、民進も原発即ゼロでない。
原発即ゼロでない限り、再稼働は、安全確保の上で原子力規制委員会が認めたものを地元自治体の理解を得て行うという政府方針と大差ない「慎重判断」になるはずだ。
こうした米山氏の経歴と民進党の行動のブレを見ていれば、米山氏の当選をもって「安倍政権への怒り」とは言い難いのではないか。
■負けた理由は明らかなのに…
何が選挙の命運を決めたのか。それはイメージの戦略の差である。
前知事の泉田氏は表向き再稼働に反対だが、実は隠れ容認と言われていた。今回当選した米山氏は表向き容認はしないが即ゼロではない。一方落選した森氏は表向き賛成だが実は泉田氏と同じ。……その表向きのイメージの差で選挙が決まったと筆者は見ている。
本来であれば、民進党は蓮舫代表を東京10区に立候補させ、新党首の勢いを確保したかったところだ。しかし、二重国籍問題が起こったため、それがかなわなかった(2016年9月12日付け本コラム「『二重国籍問題』蓮舫氏が最も恐れているシナリオはこれ!」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49699)。
この間の経緯を見ていると、官邸では、蓮舫代表の二重国籍問題についてすべて事実関係を完全に把握した上で、意図的に緩い対応をとって、泳がしてきたようにさえ思える。実際、蓮舫代表の国籍関係の事実を政府が把握するのはきわめて容易なことだ。
ここで、蓮舫代表のクビをあえてとるよりも、選挙相手として与しやすい状態であるほうが、与党にとって好都合だからだ。
東京10区に出馬できなったのに、その投開票日の前日で「民進党の蓮舫代表、次期衆院選で東京比例1位を検討」という報道が流れた(http://www.sankei.com/politics/news/161022/plt1610220002-n1.html)。
同記事によれば、
<党幹部が今月上旬、党都連側に打診したが、「楽な選挙をしたら党首にふさわしくない」と否定的な見解を示されたという。>
となっているので、さすがに比例1位ということはないと思う。こうした報道が出てくるのはちょっと信じがたいが、それでも今の民進党ならあり得ると思ってしまうのが情けないところだ。
福岡6区は、自民党の分裂選挙となっていたため、野党候補には漁夫の利による勝利もあり得たが、まったく歯が立たなかった。
(ある自民党幹部が言っていたが、父親の死去により、その子息が出馬する弔い合戦は、選挙では最も受ける単純なストーリーである。それがわからず、故・鳩山邦夫氏の息子である鳩山二郎氏でない候補を推薦した自民党県連や麻生グループはちょっと常識から外れていた。)
■11月解散は、ますますあり得る
さて、いまの政治情勢を考えると、ますます11月解散が現実味を帯びてくる。解散は総理の専権事項であるので、いつ行われるのかは誰にもわからない。しかし、今の状況ならば、与党は確実に勝てる状況だ。
与党の条件はもちろん過半数であるが、上の2016年10月3日付け本コラムによる予想では、与党は今の議席を維持できる可能性がある。
戦後の総選挙で、獲得議席数ランキングを並べると、
@2009年7月解散 鳩山民主党 308(獲得率64.16%)
A1986年6月解散 中曽根自民党 300(獲得率58.59%)
B2005年8月解散 小泉自民党 296(獲得率61.66%)
C2012年11月解散 安倍自民党 294(獲得率61.25%)
D2014年11月解散 安倍自民党 291(獲得率61.26%)
となる。290議席以上で2度も大勝したのは安倍政権しかない。しかも、いずれも11月解散である。果たして2度あることは3度あるか、3度目の正直なのか。
ちなみに、今週、TPP法案が国会を通過するといわれている。となると、TPPは条約案件なので、予算と同様に1ヵ月たてば参院では自動成立となる。ということは、11月24日〜31日(会期終了)で、衆院解散は可能となる。
安倍総理の重要な外交日程は、11月19〜20日にペルーで開催されるAPEC。そこプーチン大統領と会い、12月15日に山口で再び会談する。
11月24日〜31日(会期終了)に衆院解散すれば、プーチン会談の前の12月11日(大安)に投開票は可能である。今の民進党なら、準備不足と党内混乱があるので、自民党は労せずして勝てる可能性が高い。その大義名分はいくらでもあるが、北方領土問題を、自民か民進いずれに任せるかを問うのも一つである。
今回の二つの補選の結果は、11月解散を後押しする。さらに、北方領土に強く交渉実績のあった鈴木宗男氏の娘である鈴木貴子氏は、すでに2016年2月に民主党から除籍処分を受け、9月に松本剛明氏とともに自由民主党の衆議院院内会派に参加している。このあたりも、安倍政権は抜かりがなく、11月解散にむけて着々と準備を進めているように思える。
民進党は補選の総反省会を終えたのち、今週はTPP阻止を名目に、くだらない揚げ足取りに終始するだろう。ただし、それは解散総選挙がこわいからだ、ということを指摘しておこう。
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