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目先の利益にしがみつく電力総連の醜悪 溝口敦の「斬り込み時評」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191982
2016年10月17日 溝口敦 ノンフィクション作家、ジャーナリスト 日刊ゲンダイ 文字お越し
9月22日の反原発大集会(C)日刊ゲンダイ
東電福島第1原発事故では、多くの帰還困難地域や居住制限区域を生み出した。これらの地域は原発の放射線で汚染され、荒れ野になった。いわば「被占領地域」である。右翼風にいえば、原発の立地ほど国益を裏切る行為はない。領地の割譲と同じだからだ。
事故前、その地で平穏な毎日を送っていた住民は難民化を余儀なくされ、息ある間に帰還する見込みは立たない。
今、北方領土のうち歯舞、色丹の2島が返還されるかもといわれているが、歴代の自民党政権が進めた原発政策は、2島の返還ぐらいでは取り返しがつかない失政だった。地震や噴火、津波など天災が相次ぐ日本列島に、もともと原発は無理筋だったのだ。
ところが電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合、連合加盟)は相変わらず労使協調路線と原発推進に凝り固まっている。「事故原因が分かっていないのに、原子力発電を見直すべきかどうかの議論はできない」などとうそぶき、民進党に悪影響を与え続けている。
東電柏崎刈羽原発の再稼働が最大争点の新潟県知事選でも、原発再稼働認めずの米山隆一候補に対し、民進党新潟県連をして「自主投票」を決めさせた。民進党は共産、社民、自由3野党推薦の米山氏と一線を画したが、ようやく14日、蓮舫代表が「米山氏に勝機があるかも」と新潟に入り、応援に踏み切った。自主投票から事実上の「推薦候補扱い」に転換したわけだ。
電力総連の果たしている役割は醜悪である。雇用不安の今、お家大事と会社にしがみつく気持ちも分からないではないが、もともと労働組合は「インターナショナル」の旗を高く掲げていた。たとえ対戦国に対しても、その人民とは国際連帯を模索した。
まして自国の国民が原発事故の放射線汚染で郷里を追われる状況下に、どこを押せば原発は稼働すべしという回答が出てくるのか。事故で破壊された原発に対して、人がコントロール技術を持っていないことは福島でももんじゅでも明らかではないか。
会社が大事と思うなら、バカな経営陣に異を唱え、原発稼働反対を唱えることこそ「忠」というものだろう。現に東電は国の予算なしにはすでに破綻し、「お家断絶」の状態である。わが目先の小さな利益だけにしがみつく労働組合は卑しく醜いばかりか、世の害毒である。
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