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反原発 主権者連合 絶対勝利−新潟県知事選4ー(植草一秀氏)
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8th Oct 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
日本の政治図式が完全に転換し始めている。
かつての自民対社会の構図による55年体制、
その変形とも言える自民対民主・民進の「偽装された対立構図」の欺瞞を洞察し始めた主権者が、
既得権 対 主権者
既得権 対 市民
の図式で、新しい「真の対立構図」を描き始めた。
7月10日の参院選でその片鱗が一部花開いた。
「安倍政治を許さない!」
と判断する主権者が連帯し、野党統一候補を支援し、多くの選挙区で勝利を勝ち取ったのである。
この、新しい「真の対立構図」が広がりを見せれば、
それは、直ちに既得権勢力が支配する現代日本政治支配構造の崩壊を招来することになるだろう。
これを防ぐために、既得権勢力は「偽装された対立勢力」に現行の政治に賛同しない主権者の支持を
吸い取らせる工作を展開し続けるだろう。
しかし、主権者がその「偽装」を見抜き始めている。
「偽装された対立勢力」を主権者の多数が見放したとき、日本の政治は新たな時代を迎えることになる。
分かりやすく言えば、「隠れ自公勢力」に過ぎない現在の民進党の正体を主権者多数が認識し、
この腐敗勢力を日本政治から除去すること。
それによって日本政治は一気に息を吹き返すことになるのだ。
投票日まで1週間となった新潟県知事選。
原発推進の与党候補楽勝の図式が音を立てて崩れ始めている。
この選挙の最大の特徴は、
民進党が反原発候補を支援せず、
民進党最大の支持母体である連合新潟が自公勢力が推薦する原発推進候補を支援していること
にある。
選挙の最大の争点は原発である。
表向き、各候補は原発全面推進などの言葉を避けているが、基本スタンスは主権者に十分に伝わっている。
自公が推薦する森民夫候補は原発推進候補であると理解されている。
これに対して、共産、生活、社民が推薦する米山隆一候補は反原発候補であると認識されている。
この認識に間違いはないと思われる。
他にも立候補者はいるが、選挙戦は事実上の一騎打ちになっている。
新潟県には東京電力柏崎刈羽原子力発電所が存在する。
日本の既得権勢力はこの原発の再稼働を目論んでいる。
しかし、大多数の日本国民は原発を再稼働させるべきではないと考えている。
愛媛県の伊方町や佐賀県の玄海町などの原発立地自治体の首長選挙などでは、
原発推進候補が勝利することが多い。
その理由は原発稼働で巨大な原発マネーが注がれるからである。
札束で頬を叩かれて原発稼働を認めてしまうという構図は、
悪魔のささやきにそそのかされてしまう弱い人間の行動の縮図のようなものだ。
言ってみれば、大がかりな選挙買収資金によって、投票権=投票券が買われてしまっているのである。
しかし、県レベルになると状況が大きく変わる。
直接買収資金が注がれない、一般市民の比率が格段に高まるからだ。
7月10日の参議院議員通常選挙では新潟選挙区の定数が2から1に削減された。
与野党が一騎打ちの対決を演じたが、勝利を収めたのは森ゆう子氏だった。
生活の党の党籍を有する森ゆう子氏が無所属で出馬し、野党共闘の成果で激戦を制した。
むろん、森ゆう子氏は「反原発」の旗幟を鮮明にしていた。
同じ「森」でも大違いだ。
オリンピックの利権を仕切る人物にも「森」という姓の者がいるが、
主権者は「良い森」と「悪い森」をしっかりと見分けなければならない。
すべての日本の主権者は、蓮舫氏と野田佳彦氏が仕切る民進党が、
原発推進候補を実質的に支援している現実
をしっかりと認識しなければならない。
「野党」の装いをしながら、水面下で与党とつながっている「癒着」政党。
これを「ゆ党」と呼ぶのだが、腐敗した「ゆ党」が日本政治を暗黒の闇に突き落としている。
この腐敗勢力を横に置いて、真に主権者の側に立つ者が連帯して、この知事選を闘い抜くべきだ。
フクシマの原因究明もできていないまま、
東電柏崎刈羽原発を再稼働させるようなことを日本の主権者は絶対に許すべきでない。
新潟県民の叡智と良識が問われている。
新潟の主権者は、10月16日の知事選に必ず足を運び、
選挙を通じて原発再稼働阻止の意思を表示するべきである。
全国の原発は400〜800ガル程度の揺れにしか耐えられない耐震基準の下で再稼働に追いやられている。
「ガル」
というのは地震加速度の単位で、数値が高いほど、揺れが激しいことを意味している。
日本では2008年6月14日に発生した宮城岩手内陸地震で
4022ガル
の揺れが観測された。
また、本年4月14日に発生した熊本地震では、熊本県益城町で1580ガルの揺れが観測された。
さらに、2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震では、
東京電力柏崎刈羽原発の3号機タービン建屋1階で2058ガルの揺れが観測された。
東電柏崎刈羽原発の耐震性能基準は従来450ガルに過ぎなかった。
この基準値をはるかに上回る地震動が観測されてしまったのである。
2011年3月11日の地震と津波で、
東電福島第1原子力発電所は日本を破たんに追い込みかねないような
人類史上最悪レベルの放射能事故を引き起こした。
しかし、事故発生原因はいまなお解明されていない。
各種事実は地震の揺れによって事故が発生したことを示唆している。
しかし、地震の揺れで事故が発生したことになるのは原発推進勢力にとって極めて都合の悪いことである。
だから、原因がいまだに明らかにされていない。
2007年には、既述のように東電柏崎刈羽原発の3号機タービン建屋内で
2000ガルを超える揺れが観測された。
そのために、フクシマ事故後に改定された基準地震動においては、
東電柏崎刈羽原発1〜4号機だけ、2300ガルという突出して高い基準値が設定された。
しかし、1〜4号機の基準地震動は1209ガルである。
これ以外の原発の耐震性能基準はフクシマ事故後に引上げられたが、
すべてが400〜800ガルの間に留められた。
しかし、本年4月の熊本地震でも1580ガルの揺れが観測されているのである。
原発の建造物は縦揺れに弱い。
同じ強さの揺れでも水平方向の揺れは建造物を破壊しにくいが、
垂直方向に揺れが生じる場合には深刻な影響をもたらす。
日本は世界最大の地震国と表現して間違いはないだろう。
地震活動は活発化しており、火山活動も活発化している。
いつどこで、どのような規模の地震や津波が発生するか分からない。
原発直下の活断層が動けば、第二、第三のフクシマ事故が発生し得る。
したがって、原発稼働の選択肢はない、というのが、正しい判断である。
ところが、金の亡者が日本を跋扈して、この危険極まりない原発を再稼働させている。
あげくの果てに、フクシマ原発事故を引き起こし、
いまなお、甚大な被害を撒き散らしている東京電力が、フクシマ事故の検証さえ行わずに、
新潟県の柏崎刈羽原発を再稼働させようとしているのだ。
そして、この原発再稼働を推進しているのが民進党最大の支持母体である連合新潟である。
原発を推進しているのは連合新潟だけでない。
連合そのものが原発推進なのだ。
連合を取り仕切っているのは、
電力、電機、鉄鋼、自動車
の労働組合である。
そのすべてが「御用組合」と言ってよいだろう。
労働組合のなかには、
反原発、反TPP、反集団的自衛権、
反辺野古基地、反消費税増税
の旗を鮮明に掲げている労働組合がある。
これらの労働組合が、
原発推進、TPP推進、集団的自衛権推進、辺野古基地推進、消費税増税推進の労働組合と
「連合」を組むのはいただけない。
主権者の側に立ち、安倍政治に対峙する労働組合は、
安倍政治応援団である上記御用組合連合と袂を分かつべきだ。
蓮舫氏と野田佳彦氏体制の初陣が今回の新潟県知事選である。
主権者はこの新党に期待することができない。
しかし、この情勢下で反原発候補である米山隆一氏の応援に入る民進党議員がいる。
民進党は「水と油の混合物」で、蓮舫氏や野田佳彦氏らは、「薄汚れた油」の勢力である。
民進党内の「清冽な地下水」勢力を「汚れた油」勢力と切り離すことが必要である。
野党連合のなかで異質なのは「共産党」ではなく、民進党の「薄汚れた油」勢力である。
いまの民進党は、隠れ自公=「ゆ党」として自公と癒着し、
形だけの抵抗勢力として地位を保全しようとする「煮ても焼いても食えない」勢力である。
この「ゆ党」勢力がのさばっているから政治が停滞する。
「ゆ党」の民進党が原発推進候補を実質支援する新潟県知事選で、
原発反対候補の米山隆一候補を勝利させることの意味は計り知れず大きい。
安倍政権は、この知事選に、文字通り「目的のためには手段を問わない」謀略を仕掛けてくると思われる。
米山隆一氏を勝利させるには、主権者勢力の全力投入が必要不可欠である。
容易な戦いではないが、日本の良心と良識、新潟県民の良心と良識を結集して、
主権者は米山隆一氏の勝利を何としても勝ち取るべきである。
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