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いったい何のための解散なのか(C)日刊ゲンダイ
政権基盤を固め直すだけの“私利私欲解散”を許すのか 永田町の裏を読む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191165
2016年10月6日 日刊ゲンダイ
与党幹部から「解散風」をあおる発言が相次ぎ、マスコミもそれに調子を合わせてはやし立てているけれども、これはいったい何のための解散なのか。
「12月の日ロ首脳会談で北方領土で成果が出れば1月が絶好のタイミングになる」とか、「5月に衆院小選挙区定数の『0増6減』のための区割り案が出るが、その後だと候補者調整が難しくなる」とか、「公明党が最も重視する来夏の都議選の前後数カ月は避けないと自公選挙協力に響く」とか、いろいろ言われているが、要するに安倍晋三首相とそれを支える与党の「自己都合」であって、国民はそんな選挙をやってほしいと望んでいるわけではないし、むしろ、安倍の政権基盤を固め直すためだけの党利党略・私利私欲の政局ゲームに国民まで巻き込むのはやめてほしいと思っている。
日本では「解散は首相の専権事項」という誤った常識がまかり通っていて、首相は好きな時に衆議院を解散できるものだと思っている人も少なくない。しかし議院内閣制をとっている主要国でそんな野放しの権限を首相に与えている国は日本以外になく、どの国も、議会による内閣不信任を受けて行う受動的解散が基本である。イギリスとカナダでは、かつては首相の発意による能動的・裁量的解散が認められていたものの、15年ほど前に法改正が行われて封じられた。
日本では、憲法第69条で受動的解散が明文化されている点では他国と同様である。なのになぜ「首相の専権」による解散が横行するのか。それは、周知のように、憲法第7条で天皇の国事行為のひとつに「衆議院を解散すること」が含まれており、それが「内閣の助言と承認」によって行うと定められている以上、内閣が(69条を離れて)好き勝手な理由で解散することは許されているのだという「7条解散」論があるためである。だが、第7条は天皇の国政上の形式的な役割についての定めであって、その中から片言を取りだして、それを内閣の実質的な権限の規定であるかにすり替えるのは牽強付会も甚だしく、どう考えても違憲である。
1952年にこの屁理屈を編み出して「抜き打ち解散」を強行したのは吉田茂首相だ。以来、悪しき慣行となって残ってしまった。イギリスに倣って、こんな首相のやりたい放題の政局遊戯による国民愚弄を封じないことには、政治不信が高まるばかりである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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