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東京都の小池百合子知事(64)
「小池百合子」金銭スキャンダル(1) 「エコだハウス」に同居する金庫番の存在
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160926-00512620-shincho-pol
「週刊新潮」2016年9月22日菊咲月増大号 掲載
改革の旗手を気取り、矢継ぎ早に政策を発表している東京都の小池百合子知事(64)だが、風向きが一気に変わりかねないスキャンダルが発覚した。彼女の金庫番を務めてきた側近が、濡れ手で粟の賃貸マンション経営など、特権的錬金術に手を染めているというのだ。
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小池百合子知事は政界を遊泳する中で幾度となく眩いスポットライトを浴びてきた。例えば、小沢一郎氏と共に自由党を結成した時。あるいは、「刺客」として比例近畿ブロックから東京へと国替えして臨んだ「郵政選挙」の時。注目されるごとにメディアが紹介する彼女の来歴は、日本テレビのアシスタントキャスターを経てテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のメインキャスターに抜擢され、細川護熙氏に請われて日本新党から政界デビュー……といったように成功物語の色を帯びているのが常だった。また、その物語は、細川氏から小沢氏、そして小泉純一郎氏、と時の権力者に寄り添い、用無しとなれば切り捨てる冷酷な女の一代記といった一面も持ち合わせているわけだが、首尾一貫しているのは、強烈な上昇志向だ。
「彼女は最近『都民ファースト』を連呼していますが、彼女の人生は『ミー(自分)ファースト』ですよ」(小池氏の事務所関係者)
そんな声もあるが、いずれにせよ、上へ、上へと強く思い続け、ついにもぎとった東京都知事の座。都政改革本部の設置、築地市場の豊洲への移転延期、知事給与を半額に削減する条例案提出の発表、と矢継ぎ早に政策を打ち出す姿は、離陸後一気に上昇して安定飛行を目指そうとしているかのようだ。しかし、そんな彼女の眼前に、飛行を妨げかねない真っ黒な雲が迫っている。ただしその雲は、今になって急に彼女の周辺に発生したものではない。
彼女が政界デビューを果たしてしばらくした頃から、常に彼女の近辺にあった「負の側面」、それはある人物の存在である。
水田昌宏氏――。
現在の年齢は40代前半。2005年、小池氏が第3次小泉内閣で環境大臣兼内閣府特命担当大臣(沖縄・北方)を務めていた際に大臣政務秘書官となり、07年には一時期、彼女の公設第二秘書だった人物だ。また、彼女は政治資金管理団体「フォーラム・ユーリカ」及び「自由民主党東京都第十選挙区支部」の代表者だったが、それぞれの収支報告書の確認できる最新のもの、14年分までの会計責任者の欄にあるのも、水田氏の名前だ。さらに、今回の東京都知事選の選挙運動費用収支報告書の出納責任者の欄には、水田氏の妻の名前があった。
■水田氏と小池氏の接点
それだけではない。
小池氏が練馬区内に自宅を新築したのは10年。太陽光パネルを設置した「エコだハウス」と彼女自身が命名した家だが、水田氏は、その土地の2分の1、建物の5分の1の共有者になり、家族と共に小池氏と同居しているのである。
もう1つ、重要なのは水田氏が小池氏の親戚であると吹聴している点だ。実家は兵庫県加古川市にあり、呉服店を営んでいた。その呉服店が破産宣告を受けたのは00年5月。水田氏と小池氏が直に接点を持つのはそれからほどなくした頃だ。
「突然、水田さんの母親から小池事務所に手紙が届いたのです。そこには、“私と小池先生とは遠縁にあたります。息子が縁もゆかりもないロシアに留学することになり、不安です。どうかお力添えいただけないでしょうか”というようなことが書いてありました」
そう話すのは、小池氏の後援会関係者である。
「小池は“誰それ?”という反応だったのですが、親族と言うのならば、とテレビ局などのモスクワ駐在員に連絡を取り、“親族の水田昌宏という者がそちらに留学しますので、よろしくお願いします”と口添えしてあげたのです。でも、それが運のつき……だったのだろうと思います」
その後、水田氏は小池氏の「負の側面」として関係者の間で問題視されるようになる。それを指しての「運のつき」という表現であることは言うまでもない。
■「マンション経営をやりたい」
北朝鮮からの脱北者を支援していたNGOの事務局長が中国の公安当局に拘束される事件が起こったのは02年10月。このニュースに触れた先の後援会関係者は驚愕したという。事件を報じる各紙は、事務局長と共に水田氏が拘束されたことも伝えていたのだ。
「モスクワに行ったはずなのになぜ中国で拘束されるのかと不思議に思ったのですが、しばらくして釈放されました」(同)
水田氏はそれからもしばらく中国の大学での留学生活を続けた後、帰国。
「頻繁に小池事務所に出入りするようになった水田さんはよくこう言っていました。“小池さんに命を助けてもらった”“一生かけてご恩返しします”と。あと、なぜか“防衛庁に入りたい”と言っていた」(同)
水田氏が実際に入ったのは防衛庁ではなく公安調査庁だったが、翌年、早々に辞職。小池氏と水田氏、どちらが望んだのかは定かではないが、大臣政務秘書官に就くのである。
「その後、小池氏は07年に防衛相に就任。08年には自民党総裁選に出馬して敗れますが、あれは彼女にとって大事な時期だった。閣僚を歴任し、総裁選にも出て、将来に欲が出てきた。つまり、総理総裁への道を本気で目指し始めた」
そう話すのは、別の後援会関係者である。
「権力獲得への意欲を隠さないようになった彼女でしたが、金に対しては非常に淡泊。領収書なしで政治家がフリーで使える文書通信交通滞在費ですら事務所任せにするくらいです。そんな中、彼女の政治資金については水田さんが一手に引き受けるようになっていった」
06年から09年頃にかけて、複数の事務所関係者や後援会関係者が、水田氏が次のように口にするのを聞いている。
「(群馬県の)高崎でマンション経営をやりたい」
それを耳にした関係者の1人は、
「ずいぶん辣腕だな、と感心する一方、妙に不穏なものも感じました。いくら今後、金が必要になるとはいえ、秘書がマンション経営にまで手を出すとは、ある意味では、悪魔に魂を売ったようなものだな、と」
そろそろ本題に入ろう。
複雑な案件なので丁寧に追っていくが、話は大きく2つに分けられる。
1つはまさに水田氏による高崎でのマンション経営について。先に断っておくと、そこには水田氏自身だけではなく、政治家・小池百合子とも深い関わりがある。そのマンションの建設が始まろうとするその時期に、施工業者が、小池氏の資金管理団体「フォーラム・ユーリカ」に100万円を寄付しているのだ。
もう1つは、都知事選の結果が出た翌日、この高崎のマンションを含む小池氏、水田氏が関係する3つの物件を共同担保として、みずほ銀行が3億3000万円もの根抵当権を設定している件だ。こちらにも小池氏自身の関与がある。この3つの物件には彼女の自宅「エコだハウス」も含まれており、先に触れたようにここは小池氏と水田氏の共有となっている。銀行が根抵当権を設定する際、水田氏だけではなく、共有者である小池氏の「承諾」が必ず必要であるため、彼女は「知らなかった」では済まされないのだ――。
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(2)へつづく
特集「改革の旗手に『政治とカネ』! 記事化前から訴訟を匂わす警告書5通! 都知事『小池百合子』金庫番が手を染めた特権的錬金術」より
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