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ホントに安倍政権の黒子で終わるのか? 菅義偉「ぶち壊す」の余韻 「影の権力者」の座に就いて1350日
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49677
2016.9.15 週刊現代
聞き手:松田賢弥(ジャーナリスト)
官邸の「影の権力者」の座に就いて1350日。安倍一強の要として、道を阻む者とは身内でも闘ってきた。だがここにきて、タイプのよく似た二階幹事長が急浮上している。胸の内を初めて明かす。
■ライバルとは思わない
—週刊現代では、以前「おっさん力」というタイトルで、菅官房長官と、菅さんのライバルとも言われる二階俊博幹事長のことを記事にしました。お二人には最近の若い政治家にはない泥臭さや、底の見えないしたたかさがあるように感じます。
「二階先生は、ライバルではありませんよ。いつもご指導いただいています。私は、周りからは『泥臭い政治家』と思われているんでしょうね。
もし私と二階先生に共通点があるとすれば、それはやっぱり『叩き上げ』の政治家で、地方議員当時から闘ってきた、ということでしょう。
以前、二階先生から、初めて(和歌山)県会議員選挙に出馬された当時の苦労話を伺って、なるほどと思うことがたくさんありました。私も(横浜)市会議員選挙に初めて出馬した時が、今までで一番大変でした。
そんなふうに地方議員の頃に鍛えられましたから、どこをどう押せばものごとが動くかとか、そういうカンどころが自然と分かるようになりました。そういうところが、もしかしたら二階先生と近いのかもしれません」
—では、そう世間から評価されることにも違和感はないですか。
「評価というか、実際に(国政を)動かしていく際に、『叩き上げ』としての経験で習得したものが活きていると感じます。
今は、私が指示しなくても(官僚も)皆が動くようになっています。私のところには一つの省庁だけでなく、関係する複数の省庁が一緒に説明に来るようになりました」
—官僚が、ある程度できあがった状態で持ってくると。
「ええ。昨日も5つぐらい(の省庁の官僚が)来ました。今、空港や港の入管の待ち時間がすごく長いことが問題になっています。それを変えようとしているのですが、全部(先に官僚側が)話し合ってきて、『こういう感じでどうでしょう』とプランを持って来た。昔は本当に縦割りでしたから、考えられなかったですよ」
■二階さんは仕事師
—先ほども触れた、二階幹事長についてもう少しお聞きしたい。二階さんは安倍総理の任期延長の議論の「発信源」とされているし、皇室に関しても大胆な発言を続けています。彼のことは、どう見ていますか。
「私は二階先生とはそれほど長いわけではないですが、今はしっかりお付き合いさせていただいています。
二階先生は、政治的なセンスがたいへん優れた方だと思います。それに、行動力が伴っていますよね。安倍総理もそういうことで、幹事長をお願いしたのだろうと思います」
—普段、二階さんと話す機会は多いんですか。
「もちろんあります。たとえば去年、農協法を改正した時はたいへん厳しい状況でしたが、二階先生に応援していただきました。農業関係にも非常に力がある方ですから。
一言で言うと、二階先生は頼りになる『仕事師』だと思います。これからもご指導いただきたいと思っています」
—菅さんはこの夏、官房長官として在任期間が歴代トップになりましたが、どんな気持ちですか。
「これまでとまったく一緒ですよ」
—菅さんは参院選直前の6月中旬、秋田で講演した際には「眠れない日もある」と話していました。時折、「疲れた」と漏らしている、とも聞きます。緊張状態が続いているのではないですか。
「まあ、そうですね。予期しないことが次から次へと出てくる。
最近だけでも、地震、バングラデシュのテロ、尖閣周辺での中国公船の活動や、北朝鮮の弾道ミサイル発射もあった。こうしたことに対処するのが、官房長官の大きな仕事ですから。常にうまく自分自身をコントロールしていないと、なかなか難しいところはあります」
—参院選では現職大臣が2人落選しました。政権運営に危機感を覚える局面もあるでしょう。
「安倍内閣の支持率は、政権ができてから3年と8ヵ月が経っても、5割を保っています。そういう意味では、国民の皆さんからご理解いただいていると思っています。
安心感と言うのでしょうか、そういうものがあるのではないでしょうか。当たり前のことが、今まで(の政権では)なかなかできていなかったですから」
■「生前退位」は知っていた
—やはり今、国民が気になっているのは天皇陛下の「生前退位」です。官邸としても突然の報せだったと言われていますが、実際はどうでしたか。
「官邸としては、そもそも宮内庁は私どもの内閣の機関ですから、そういう報告というのは事前に受けています」
—ということは、すでに有識者会議設置の準備など、具体的な対応にも入っている。
「安倍総理は『天皇陛下のお言葉を重く受け止めて、どのようなことができるのか、しっかりと考えていかなければならない』と述べましたが、これに尽きると思います。
天皇は日本国と国民統合の象徴で、その地位は国民の総意にもとづいている。それを基本として、政府としてどう対応するかを今考えています。有識者会議の設置もひとつの考え方だと思います」
—この問題については、実務は菅さんが主導していくわけですよね。
「私のもとで、官房副長官を中心に様々な検討をしているということです」
—ですが、二階幹事長は8月25日に突然、「女性天皇でもいいんじゃないか」と発言して、世間を驚かせました。あの発言は二階さんの独自の判断ということですか。
「そこは二階先生のご判断でしょう。あくまでご自身の考え方として述べられたのではないですか」
—もう一つ、今、辺野古の米軍基地移設問題をめぐって、政府と沖縄県の対立が激化しています。しかし今年3月には、政府と県は和解したと報じられたはずですが。
「『和解』の内容についてなかなかご理解いただけていないのですが、3月に出た和解案の内容は、裁判と並行して話し合いを進めるというものです。
具体的には、国と県が訴訟合戦になっていたのをいったん白紙に戻し、一つの訴訟にしました。今の翁長雄志県知事が、前の仲井真弘多知事が出した辺野古沖の埋め立て承認を取り消した、その是非を問う訴訟だけにしたわけです。
そのうえで、訴訟の判決が出れば、それに従って誠実に対応する。これが『和解』の内容です」
—翁長知事は「政府にここまで一方的に虐げられる地域は沖縄県以外にない」と抗議しています。
「辺野古の埋め立て面積は、普天間飛行場の面積の約3分の1ですし、沖縄の米軍は約2万8000人いますが、うち約9000人が国外に出て行く。むしろ沖縄県の負担は大幅に軽減されます。
この問題で日米が合意したのは約20年前で、当時の県知事や市長も同意して進んでいる話です。翁長知事も、自民党(沖縄県連)幹事長だった頃は移設推進派でした」
—ところで、安倍総理について、最近になって総裁任期延長の話が出ています。二階幹事長を中心に検討されているとのことですが、実現可能性はあると思いますか。
「政権を維持できるかどうかは、国政選挙の結果、国民の判断です。その点で安倍総理は、衆院選2回、参院選2回、さらに統一地方選挙もはさんでいますが、これだけの選挙に全て勝った自民党総裁はいなかったですよね。これまでの歴史の中でも」
—否定する材料はない。
「ないですよね。今まで何回も党則の改正はやってきているわけですし。そこは党で(検討する)ということですが」
—とはいえ、いざ議論が本格化すれば、国民からの反発もあるでしょう。
「でも、選挙に負ければ政権は終わるんですから」
—不満ならば、次の選挙で民意を示せばいい、ということですね。
「安倍総理個人の任期の長さということではなく、国益を考えれば、海外の指導者は長く務めている人が多い。ですから、自民党総裁の任期ももっと長くていいのではないか、という議論はあってしかるべきだと思います。
だけどそこは、日本の場合は選挙が頻繁にあるわけですから、選挙でダメなら、国民の意志で変わるということです」
■総理を目指すのか
—7月の参院選では、衆参ダブル選にしようかという議論もありました。次の解散総選挙がいつなのか、という予想も始まっています。
「それは、まあ……残り2年半の任期のどこかでやりますよ。まだ(前回の総選挙から)2年経ってないからね」
—そもそも前提として、安倍総理は任期を延ばしてまで総理を続ける気なんでしょうか。
「総理は『全く考えていない』とおっしゃっています。総理大臣を長くやっていくというのは、よほどの気力がないとできないですよ。党内的にも、国民からも、一定の支持がないとなかなか前に進めないと思いますよ」
—菅さん自身は次の総理を目指すわけではなく、あくまで安倍総理を支えるつもりですか。
「それはもう、私は政治生命を賭けて(第二次以降の)安倍政権を作りましたからね」
—そうですか。官房長官として安倍政権を陰で支えるだけでなく、一人の政治家として、菅さんは最終的に何を目指しているのでしょう。
「私自身、仕事がものすごく好きなんです。もともと横浜市会議員から国政に移ったときの目標というのが、地方分権でした。国から地方へ権限や財源を移譲して、本当の地方自治ができるようにしたい、そういう思いでずっとやってきた。ですから今でも、縦割りの弊害をぶち壊し、取り除いていきたい。それができるのが政治の力ですから。
たとえば農業なら、農水省には農産物の輸出のノウハウがないけれど、経産省は持っている。ですから、今年6月には(農水省と経産省の)局長の交流人事を初めてやりました。安倍政権で外国人観光客が一挙に増えたのも、私たちがそういう縦割りを排して取り組んだ成果だと思っています」
権力と情報が集中する菅には、「余人をもって代えがたい」との声が出る一方、政権の内外から「力を持ち過ぎだ」とも言われている。このまま、安倍政権の黒子で終わるのか—菅が最後に口にした「ぶち壊す」という言葉が耳に残った。
「週刊現代」2016年9月17日号より
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