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イラク戦争支持を撤回しなかった小泉元首相ー(天木直人氏)
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9th Sep 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
これもきのうの日刊ゲンダイ(9月9日号)で知った。
小泉純一郎元首相が、おととい9月7日に外国特派員協会で記者会見を開いたというのだ。
その目的は、トモダチ作戦で被爆した元米兵の救済のために基金を設立した事の宣伝だ。
メディアの一部は、そこで小泉元首相が安倍政権の原発再稼働政策を批判した事を報じ、
脱原発派の中にはそんな小泉元首相の発言を評価する向きもある。
確かに小泉元首相の脱原発政策への転向は評価される。
しかし、真っ先に日本の被ばく者の救済を言い出すべきではないのか。
そう私は繰り返し指摘して来た。
私には、小泉氏が、なぜ福島原発事故の被害者の救済を無視し、
米兵の被ばくばかりを重視するのかまったく理解できないのだ。
そのような小泉元首相が、
今頃になって安倍首相のアンダーコントロール発言を批判して見ても、私の心には響かない。
しかし、私がこの日刊ゲンダイの記事で注目したのは、小泉元首相の脱原発発言ではない。
外国特派員から「イラク戦争で米国を支持したのは間違っていたのではないか」と聞かれ、
開き直ったと日刊ゲンダイが書いていたところだ。
すなわち、小泉元首相は次のように答えたという。
「日本が反対しても米国が戦争を始めることはわかっていた。
同盟国としての重要性を私は重視した。
現在、英国で当時のブレア首相の参戦判断について、検証されていることは承知している。
私も国会に呼ばれれば喜んで行ったが、民主党政権の時も呼ばれなかった」と。
これは物凄い発言だ。
おそらく小泉元首相がここまで具体的にイラク戦争に賛成した事について語ったのは、
首相在任中も、首相を辞めた後も、これがはじめてではないか。
この発言を日刊ゲンダイはこう評価している。
「イラク戦争について、安倍政権に小泉喚問を期待するだけムダ。だから、居直りが許されるのだ」と。
確かに居直りだ。
しかし、私は単なる居直りではないと思っている。
彼は国会で呼ばれれば、喜んで行ったと発言したのだ。
その言葉に偽りはないだろう。
いまでも国会に呼ばれたら拒否しないだろう。
小泉元首相は単に居直っているのではなく、その時の自分の判断を率直に語って国民の間に、
どうすればよかったのか、答えを国民に迫ろうとしているのだ。
もし国民がイラク検証を望み、野党がその国民の声を受けて国会招致を安倍政権に求めるなら、
安倍政権は拒否できないだろう。
なぜなら小泉元首相が喜んで行くと言っているからだ。
小泉元首相が原発政策で見せた安倍政権批判が本物なら、安倍政権が拒否しようとも、
自分はいつでも国会で証言すると言い出すだろう。
問われているのは小泉元首相の責任だけではない。
イラク戦争の検証を求める市民団体と野党の本気度が問われているのだ。
いまここで小泉元首相を国会に招致してイラク戦争の検証を行わないようでは、
日本はイラク戦争の検証を二度と出来なくなるだろう。
この日刊ゲンダイの記事は重要だ。
この小泉元首相の発言を完全にスルーした大手新聞は、メディアとして絶望的である。
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