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[大機小機]NHKワンセグ判決の衝撃
携帯電話のワンセグ放送で「所有者がNHKと受信契約を結ぶ義務はない」としたさいたま地裁の判決があった。放送を受信できる設備をもつ世帯に受信料支払いを定めた放送法の基本を揺るがす判決といえる。
受信料支払い義務は形骸化し、NHKの調べでは全国で4分の1の世帯が納付していない。地域別の納付率は大都市の東京都や大阪府で6割、最も低い沖縄県は4割だ。受信料を真面目に支払っている視聴者が高い負担を強いられている。
国営放送なら外国のように税金で賄えばよさそうだが、それでは番組の政治的公平性が保証されないという反対がある。広告収入に依存する民放の場合、スポンサー企業の影響力があるといわれるが、政府の強制力で受信料を得る現状とどれほど差があるのか。
広告収入に依存せず、視聴者が任意で支払う会費制で収入を賄う民放もある。デジタル時代には対価を支払う利用者に限定したサービス提供は容易で、ケーブルテレビやネットテレビは立派に運営されている。
NHKが同じ方式をとれないのは、民放と異なり、受信料を払わない世帯を排除できない「公共放送」の建前があるからとされる。しかし生活保護世帯の受信料を免除し、災害時の情報提供や選挙の政見放送など公益性の高い番組についてはスクランブルを外せばいい。それ以外に民放が代替できない番組があるのだろうか。
すでにオンデマンドの再放送はNHKでも有料だ。すべての番組を公共放送と見なして受信料支払いを強制するのではなく、公共性に値するか否かの判断を視聴者に委ねるべきだ。
任意の会費制にすると受信料収入が激減し、経営が成り立たないと言うのは余りに自信がなさすぎる。朝ドラや年末の紅白歌合戦など看板番組の人気は根強い。受信料を払っていなかった世帯が会費を払い、収入が増える可能性もある。
今回の判決はNHKがテレビ放送を独占していた時代につくられた受信料制度の改革に向けた一歩となる。視聴者が納得する公平な負担、民放との対等な競争を実現することが番組の質向上に結びつくはずだ。同じような公的企業独占時代の名残がある他の業界・分野についても、それを突き崩すことが競争力を高める力になる。
(吾妻橋)
[日経新聞9月3日朝刊P.17]
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