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森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 過ちを繰り返す気か
http://wjn.jp/article/detail/7868889/
週刊実話 2016年9月15日号
今年5月、サミットで来日したオバマ大統領は、広島の平和記念公園を訪れ、「アメリカのような核兵器保有国は、核兵器のない世界を追求しなければならない。生きているうちに達成できないかもしれないが、努力を続けなければならない」とスピーチした。
シニカルに物事を見る人たちは、このスピーチは単なるきれいごとに過ぎず、実現の可能性はまったくないと斬り捨てた。しかし、オバマ大統領は本気だったようだ。任期切れを間近に控えて、「米国が核兵器を先制攻撃としては使わない」という宣言をオバマ大統領が検討していると報じられたからだ。
中国は、すでに先制不使用を宣言している。そのため、アメリカを含む残りの核保有国がすべて先制不使用を宣言すれば、核戦争のリスクが大きく減ることは間違いない。
ところが、8月15日のワシントンポストが、ショッキングな報道をした。安倍総理がハリス米太平洋軍司令官に対して「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」として、米国の核兵器先制不使用の方針に反対の意向を伝えたというのだ。
この報道を、米国政府は公式に認めていない。安倍総理も20日の会見で、「そうした事実はないし、なぜそんな報道が出たのか分からない」と全面否定している。しかし、米国の先制不使用に対する見解を明らかにすることもなかった。
私は、ワシントンポストが報じたことは、事実ではないかと思う。
8月19日に、国連の核軍縮に関する作業部会が、核兵器を保有することを法的に禁止する条約の制定を求める報告書をまとめたのだが、その採決を、日本政府は棄権している。表向きの理由は、「全会一致ではなかったから」ということだが、どう考えても、それは屁理屈だ。やはり、日本政府の中に、米国の核兵器先制使用を期待する勢力がいるのではないか。
だが、それは大きな過ちだ。米国が核の先制攻撃を止めても、日本が北朝鮮に侵攻されるリスクは高まらない。
まず、北朝鮮が日本に核兵器を使用したとすれば、米国は先制攻撃とはならないから、北朝鮮に対して核兵器での報復が可能だ。一方、北朝鮮が通常兵器で日本を攻撃してきた場合には、米国は核兵器を使用できないが、米国の強大な戦力を考えれば、核兵器を使わなくても北朝鮮を壊滅に追い込むことは容易だ。
だから、米国が核の先制不使用を決めても、実際に日本が北朝鮮から受けるリスクは、ほとんど変わらないのだ。
それでは、なぜ日本政府は、米国の核兵器の先制使用を求めるのか。考えたくないことだが、政府は、米国が北朝鮮に核兵器を投下することをやむを得ないと考えているのではないだろうか。
しかし、それは唯一の核兵器による被爆国として、あまりに自覚がなさ過ぎる。広島と長崎では、命を落とした人が、これまでに約60万人にのぼっている。核兵器は無差別大量殺人兵器であるだけでなく、その被害は何十年にもわたって続いていくのだ。
広島平和記念公園の慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と書かれている。その言葉を決して忘れてはならない。
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