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築地移転は権力闘争 政界風見鶏・小池百合子のしたたかさ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189399
2016年9月7日 日刊ゲンダイ 文字お越し
上昇志向の塊(C)日刊ゲンダイ
小池百合子東京都知事が築地市場の豊洲への移転を延期したことについて、世論の評価は上々のようだ。JNNが2、3日に行った世論調査では、移転延期を「評価する」と答えた人が63%、「評価しない」はわずか18%だった。小池の都政運営についても「評価する」が62%で、都民に限れば「評価する」が71%に達した。
冷静に考えれば、ただ「延期」しただけで、中止を決めたわけではないし、最終的に豊洲移転を認めるのなら、何のための延期かという話になる。いたずらに混乱を招いた責任を問われかねない。延期で生じる巨大なコストが都民の負担となれば、なおさらだ。
もちろん、そこは小池も分かっている。6日、日本記者クラブで会見を行い、知事就任から1カ月が経過した心境などを語ったが、その中で移転延期についても触れ、「混乱するのは既得権のある方」「豊洲新市場のモニタリングの結果を待たずして決めれば、私が記者でも、見出しに『見切り発車』と書くと思う」などと言って牽制していた。
「移転延期自体は、ガス抜き程度の意味しかないでしょう。それより、都議会で主導権を握るためには、最初にガツンとやっておいた方がいいと判断したことが大きいのだと思う。対決姿勢を前面に出した方が、世論の支持を得られるからです。いずれ都議会自民党と協調路線に転じるにしろ、自民党の方からスリ寄らざるを得ないような体制を築いていく。その道具として、市場の移転延期を使ったということです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
移転延期はパフォーマンスでしかないから、年明けに豊洲市場用地の地下水汚染の有無を調べるモニタリング調査の結果が出たら、「安全性に問題はない」として移転を認めることは容易に想像がつく。小池にとって、話題になり、騒がれることが重要なのだ。
■しょせんは醜悪な権力闘争
小池は豊洲移転延期を決めた理由として、「安全性への懸念」「巨額かつ不透明な費用」「情報公開の不足」の3つを挙げた。今後は、1日に立ち上げた「都政改革本部」を使って、費用の検証などを行っていくという。それで税金のムダ遣いをあぶり出せば得点になる。よしんば“都議会のドン”こと内田茂都議らの利権を暴き、見せしめにでもすれば、都民は留飲を下げるだろう。
都議会や役人を敵に見立てて叩いていれば、小池に批判の矛先が向くことはなく、主導権を握り続けることができる。詰まるところ、移転延期は権力闘争の象徴なのである。
「どうすれば有権者が拍手喝采するか、世論の反応を見て動く。口癖のように『都民ファースト』とアピールしていますが、実際は『都民に受けることファースト』です。確固たる目標やビジョンがあるわけではなく、世論を見ながら、自分の人気を落とさないために何をするか考える。小池都政は究極の曲芸ポピュリズム政治ですよ。都民ファーストは、議会運営で主導権を握るために有権者の支持を利用することでしかない。新党結成をチラつかせているのもその一環で、世論の動向を見ながら、自分にとってメリットが大きいかどうかを計算し、したたかに立ち回ることでしょう」(政治学者の五十嵐仁氏)
自分には世論の支持があるという強気の姿勢に都議会が反発すれば、小池にとって思うツボで、「じゃあ、不信任案を出してください」という話になる。知事選でも冒頭解散を掲げていたくらいだから、願ったりかなったりの展開である。そうなれば、小池新党だ。
曲芸政治家とタッグ?(C)日刊ゲンダイ
維新と連携して民進党を潰し自分を高く売る計算も
6日の会見で、小池は「知事選で政治が身近に感じられたという人たちの受け皿になる、塾のようなものを開いてもいいのかなと考えている」と言っていた。大阪維新の会の橋下徹氏が新党結成にあたり、政治家育成を目的に設立した「維新政治塾」を彷彿させる。
そもそも小池知事が誕生した瞬間から、維新との連携は囁かれていた。橋下が大阪府知事、大阪市長時代にブレーンを務めた上山信一慶大教授が、東京都の特別顧問に就任。「都政改革本部」のメンバーにも加わった。地域政党から始まり、国政に進出して影響力を発揮するプロセスを視野に入れての人選なのは間違いない。
「これまで小池氏がたどってきた道を見れば、異常なまでの上昇志向の強さは際立っています。細川護煕、小沢一郎、小泉純一郎といった時の権力者にスリ寄ることで重要ポストを手にし、のし上がってきた。彼女は決して都民の味方でも正義の政治家でもない。都政改革にしても、しょせんは権力闘争であり、利権争いでしかないということを忘れてはいけません。いかにして権力を掌握するか。この先、さまざまなオプションが考えられます」(五十嵐仁氏=前出)
まずは、都議会で主導権を握ること。有権者の支持を得られるなら自民党との協調路線でもいいし、小池新党という選択肢ももちろんある。その場合、維新との連携は現実味のある話だ。
民進党の代表選に立候補している前原誠司元外相は3日、京都市内のホテルで講演した際、小池新党について、こんなふうに話していた。
「小池新党と橋下徹さんが結びついて、人気が出て新党ブームになれば、民進党は埋没する」
「野党第1党の民進党という枕詞がなくなるような状況、危険性がある」
■「女性初の総理」を諦めていない
前原の懸念はもっともで、小池新党と維新が組めば、都議選だけでなく、国政選挙でも躍進する可能性がある。野党ヅラして改革を掲げ、既得権益との対決を演出して支持を集めるのは得意とするところだ。東京と大阪を拠点にする地域政党が反自民の受け皿として勢力を拡大、民進党は駆逐されるだろう。今回の民進党代表選で蓮舫代表に決まれば、敗れた前原一派が、そこに加わる可能性すらある。国政が自民党と、自民の補完勢力に席巻される異常事態だ。
「民進党を叩き潰すことに成功すれば、小池氏は自民党に対して、ますます自分を高く売ることができる。安倍自民との連携は当然のこと、野党勢力の一掃を手土産に国政に復帰して、ポスト安倍に名乗りを上げるというシナリオもあり得ます。彼女は、初の女性総理という野望をまだ諦めていないと思う。それだけ権力志向が強いから、これまで『政界渡り鳥』と批判されても生き残ってきたわけだし、政界を渡り歩いて学んできたことをすべて生かしている。劇場型政治の手法は小泉氏の直伝、選挙戦術は小沢氏に学び、裏の立ち回りなどは老獪な二階氏さながらです。そうやって培ってきた政治力を都政のためにいかんなく発揮し、文句のつけようがない知事になってもらえればいいですが、パフォーマンスだけで終われば、都民には何のメリットもありません。上っ面のパフォーマンスに気を取られている陰で、新たな利権争いが生まれ、より闇が深くなる可能性もある。権力闘争で都政がメチャクチャにされないよう監視することは、小池氏に期待して一票を投じた有権者の責任でもあります」(山田厚俊氏=前出)
上昇志向の塊で典型的な権力亡者。そういう本質が変わっていなければ、自らの野望のために、都政や有権者を利用することもいとわないだろう。都民もメディアも、そこは冷静に分析する必要がある。
パフォーマンスに熱狂し、ジャンヌダルクだ、改革のヒロインだと持ち上げ過ぎると、バカを見ることになりかねない。
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