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民進党解党唱える誠実な代表戦立候補者が必要−(植草一秀氏)
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25th Aug 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
1年前の8月30日、
国会は10万人を超える主権者に包囲された。
集団的自衛権行使を容認する安保法制=戦争法制の制定を阻止するための国民行動だった。
安倍政権はこうした国民の意思を無視して安保法制=戦争法制の強行制定に突き進んだ。
そして、9月19日、法案は強行可決された。
日本国憲法は戦力の不保持を定め、交戦権はこれを認めないと定めている。
集団的自衛権の行使とは、日本が攻撃されていないにもかかわらず、
「場合によっては他国の領域まで出かけていく。
ホルムズ海峡、地球の裏側まで出かけていくことは理屈では可能」
と政府は答弁しており、自衛隊が世界のどこにでも出かけていって、武力の行使をすることを可能にした。
これは、自衛権の行使としての戦争は一切しないとする従来からの解釈と完全に矛盾する。
弁護士の伊藤真氏は
憲法が交戦権を否認していると言いながら、
自衛の措置として海外に出かけていって相手を殺すことをもし認めたら、これは“戦前の日本”と何も変わらない」
と指摘する。
『泥沼ニッポンの再生
−国難に打ち克つ10の対話−』
御用放送局のフジテレビのワイドショーで司会の松本人志氏が
「北朝鮮のミサイルがもう目と鼻の先に飛んできよるんですよ。
これじゃもう安全を保証できてない、と…
国ももうちょっとちゃんとしてくれないと。
どこぞの誰かが国会前で戦争反対とか叫んでたけど『叫ぶトコそこかぃ!?』って」
と発言したことに対して、出演者のピーコ氏が
「わたしはやっぱり戦争はいけないと思う」
と応酬した。
これに松本人志氏が
「でももしピーコさんがおすぎさんに殴られ続けたら、いつかやり返しませんか?」
と突っ込むとピーコ氏は
「それと戦争は違うでしょ」
と答え、松本氏は言葉を継げなかった。
集団的自衛権の是非論と、憲法論が絡む問題だが、
是非論の前に押さえておかなければならないことが憲法論である。
憲法で定めたこと、そして、その憲法の解釈として定着させてきたことに反することをやろうとするなら、
憲法を改定する手続きを踏むことが必要だ。
集団的自衛権の是非論以前の問題なのだ。
上掲の
『泥沼ニッポンの再生
−国難に打ち克つ10の対話−』
(伊藤真・植草一秀著、ビジネス社、1512円)
を、ぜひじっくりと呼んでいただければありがたい。
第1章 史上最大の危機
第2章 三権分立が機能していない日本
第3章 緊急事態条項と本当の民主主義
第4章 主権の喪失を意味するTPPへの加入
第5章 国家なのか、国民なのか?
第6章 亡国の道をひた走る安倍政権
第7章 メルトダウンするアベノミクス
第8章 すべてを解決する「一人一票」の実現
第9章 教育とメディアリテラシー
第10章 ゆっくりと急げ!
の構成で、いまの安倍政治を考察している。
テレビは御用放送に成り下がり、政権にこびへつらう者に画面を占有させるから、
本当の情報はネットと単行本から探し出さねばならない。
1年前に「絶対阻止」すべきだったことは、いまも「絶対阻止」すべきことである。
時間が経ったら忘れてしまう
では、すべてが破壊し尽くされてしまう。
私たちの未来にとって大事なことは、私たちが決めなければならない。
許してはならないものを許してはならない。
道をそれてしまっているなら、正しい道に必ず帰らねばならない。
忘れてはならない重要問題を列挙して、正しい方向を確認し、間違ったものを正さねばならないのだ。
原発を再稼働させてゆくべきなのか。
集団的自衛権行使を容認すべきなのか。
TPPに参加するべきなのか。
沖縄に米軍基地を新設するべきなのか。
格差拡大を推進するべきなのか。
この基本問題を忘れてはならない。
政治の選択を単純明快なものにしなければならない。
政権はひとつしか成り立ち得ない。
現行の選挙制度は、二者択一で選択することを誘導するものである。
現在の安倍政権の基本方向を是とするのか。
それとも否とするのか。
国民の前に、明確な選択肢を提示することが大事である。
原発再稼働を認めない。
集団的自衛権行使を認めない。
TPPには参加しない。
沖縄に新しい米軍基地を建設しない。
格差を是正し、消費税を増税しない。
こうした明確な方針が主権者の前に提示されることが重要である。
野党第一党の民進党が代表選を実施するが、問題は民進党の政策方針が不明確なことだ。
蓮舫氏と前原誠司氏が代表選に出馬の意向を表明しているが、
原発稼働に賛成
集団的自衛権行使に賛成
TPP参加に賛成
米軍基地建設に賛成
格差拡大、消費税増税に賛成
の議員は、はっきりとその政策路線を明示するべきだ。
他方、これらと正反対の政策路線を提示する議員が存在するなら、
その両者が同じ政党に共存することはおかしい。
基本政策路線が正反対の人々が同居することは完全な論理矛盾である。
民進党の前身である民主党は、2010年に変質した。
主権者の側に立つ勢力が排除され、既得権勢力が権力を強奪したからである。
2009年の政権交代は
小沢一郎氏と鳩山友紀夫氏が主導した。
これが「正統民主党」であり、主権者の側に立つ勢力だった。
この「正統民主党」から「悪徳民主党」が権力を強奪した。
これ以降、民主党は悪徳政党に転落し、主権者の支持を失ったのである。
その延長上に、いまの民進党がある。
主権者はこの政党を育てるのではなく、この政党を葬ることに力を注ぐべきである。
そして、民進党に代わる、本当の野党第一党を構築するべきだ。
現時点では、民進党以外の、主権者の側に立つ野党勢力のなかで、最大政党になっているのが共産党である。
しかし、主権者の多くが私有財産制を否定する共産主義国家に日本が転じることを求めていない。
また、武力革命も求めていない。
自由と民主主義を守りながら、
「戦争と弱肉強食」の政治
を
「平和と共生」の政治
に大転換させることを求めている。
共産党も現状から脱皮して、
自由と民主主義を守り
「平和と共生」の政治を目指す
本当の意味の主権者政党として、ひとつにまとまることが求められる。
いまの民進党に所属する者で、この考え方に賛同する者はこれに合流するべきだ。
そして、いまの民進党は解消するべきなのである。
安倍政権の基本政策と同じ政策を掲げる人々は、あちら側に移籍するべきだ。
それが主権者に対して誠実な行動である。
このようなかたちで日本政治が大きく二分されれば、日本政治は間違いなく大転換することになる。
それを恐れて、既得権の勢力が、いまのあいまい民進党を維持しようとしているのだ。
このあいまい、背徳民進党の解散こそ、日本政治が夜明けを迎える最重要の条件である。
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