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無理やり最低賃金アップ 見せかけ景気回復の副作用が怖い
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188498
2016年8月25日 日刊ゲンダイ 文字お越し
また詭弁(C)日刊ゲンダイ
また、安倍首相がドヤ顔で“成果”を誇りそうだ。「最低賃金」が大幅にアップされたからだ。
今年度の最低賃金の改定額が23日に全都道府県で出そろい、全国加重平均の「時給」は、798円から823円に25円(3.1%)アップされることが分かった。3.1%は過去最高の上げ幅である。最低賃金の「3%アップ」は、安倍が強硬に求めていたものだ。景気が一向に上向かないことに苛立った安倍が、強引にアップさせた格好である。10月1日から、全都道府県で1カ月以内に順次改定される。
もちろん、賃金がアップすることは結構なことだ。しかし、政府が無理やり最低賃金を上げさせることが、果たして景気回復につながるのかどうか。むしろ、副作用によって景気を悪化させかねない。最低賃金の大幅アップは、中小企業を直撃するからだ。中小企業に詳しい東京商工リサーチ情報本部の友田信男本部長はこう言う。
「最低賃金法は、最低賃金以下で人を雇うことを禁じているため、どんな企業も守らなければいけない。アベノミクスによって潤っている大企業は、給料を上げる余力は十分にあるでしょうが、中小企業の多くは人件費の負担増に耐えられない恐れがあります。今でも中小企業の多くは利益が上がらず、ギリギリの状態で経営している。経営者は従業員の給料を上げてやりたいと思いながら、忸怩たる気持ちで据え置いている状況です。
人件費のアップを迫られたら、倒産に追い込まれる企業が続出する可能性があります」
中小企業庁によると国内企業の99・7%は中小企業で、労働者の70%は中小企業で働いている。もし、中小企業がバタバタと潰れたら、景気が一気に冷え込むのは間違いない。中小企業は雇用の受け皿にもなっているだけに、失業者も急増するだろう。安倍は、賃金をアップさせれば景気が良くなると単純に思っているようだが、まったく実態を分かっていない。
■2日に1軒、町工場が消えている
それでなくても、アベノミクスの失敗によって中小企業はヘトヘトになっている。
安倍は二言目には「民主党政権時代、中小企業の倒産は今より3割も多かった」「私たちは3割も減らしたんです」と、旧民主党を引き合いに出してアベノミクスの成果を自慢しているが、大嘘もいいところだ。
この5年間で企業数は40万社も減っているのだ。確かに、表向き「倒産件数」は減っているが、東京商工リサーチによると「休廃業」や「解散」に踏み切る企業は、2000年と比べると6割も増えている。倒産に追い込まれる前に、自主的に事業の継続を断念するケースが増えているのだという。“隠れ倒産”のようなものだ。
小さな町工場が集まっている東京都大田区では、2日に1軒のペースで工場が消えている。民主党政権時代の2012年2月、3967軒あった工場は、14年12月には3481軒に減っている。地元では「アベノミクスに期待したのが間違いだった」「恩恵は大企業ばかりだ」「中小企業は大企業の踏み台にされている」といった怨嗟の声であふれている。
ご覧のように、ただでさえ中小企業は疲弊しているのに、「最低賃金」が上がり、強制的に人件費をアップさせられたら、もう会社を畳むしかない。
「景気を良くするために労働者の賃金を上げようという考え方は、間違ってはいません。でも、賃金アップに企業が耐えられることが大前提です。人件費の負担を今、重くしたら、廃業する中小企業を増やすことになりかねない。その結果、従業員は働き口を失ってしまう。安倍首相は景気を良くするつもりなのでしょうが、アベコベの結果になりかねませんよ」(友田信男氏=前出)
安倍は、中小企業を殺すつもりなのか。
日本経済の強みは優れた技術を持つ中小企業なのに(C)日刊ゲンダイ
マイナス金利が失敗し、苦し紛れの「最低賃金アップ」
悪あがきはやめて、安倍はいい加減、アベノミクスの失敗を認めたらどうだ。
3年前、華々しく「異次元の金融緩和」をスタートさせ、市場に400兆円ものマネーを投入したが、景気はまったく良くなっていない。異次元緩和の効果が息切れすると、苦し紛れに「マイナス金利」を導入し、マイナス金利も効果が薄いと分かると、今度は強引に「最低賃金」をアップさせている。
しかし、こんな場当たりの弥縫策を続けていたら、日本経済を破壊させるだけだ。そもそも、賃金は企業が儲かった結果、上がるものだし、株価も好景気の結果、上昇するものだ。なのに安倍は景気と関係なく、株価を上げ、賃金をアップさせようとしているのだから、やっていることがムチャクチャである。
「安倍首相の最大の間違いは、株価も、賃金も、コントロールできると勘違いしていることです。本来、株価は景気を映す鏡です。賃金も労働環境の需給で決まる。なのに、日銀にまでETFを買わせて強引に株価を上げ、春闘に介入するだけでなく、“最低賃金”をアップさせて賃金を上げようとしている。しかし、乱暴なことをしたら、必ず副作用が出てくる。恐ろしいのは、市場が暴走し、コントロールが利かなくなることです。すでに、いきなり株価が急落したり、国債市場が乱高下したりするなど予兆が表れている。ヘッジファンドの中には、“政府が過剰に介入したために、株価の適正が分からなくなった”と日本株の投資から手を引くところまで出ている。一日も早く、無理な政策はやめるべきです」(経済評論家・斎藤満氏)
■一見、非効率な「日本型経営」が良かった
アベノミクスが失敗した安倍は、「後は野となれ山となれ」というつもりなのかも知れないが、このままでは、日本の中小企業は根絶やしにされる。日本のモノ作りは中小企業が支えているだけに、中小企業が壊滅したら日本経済も崩壊してしまう。それだけは絶対に阻止しないとダメだ。
「日本経済の強みは、優れた技術力を持つ中小企業が数限りなくあることです。なぜ、これほど優良な中小企業が多いのか。やはり、戦後、長く続いた“終身雇用”“年功序列”“系列”といった『日本型経営』が良かったのだと思います。何も知らない新卒を採用し、20年かけて教育して一人前に育て、定年まで雇用を保障するのは一見、非効率に見えます。でも、そうした非効率な日本型経営が、目先の利益にとらわれない、5年先、10年先を考えた技術開発に取り組むことを可能にしたのだと思う。社員も雇用が保障されていれば、会社のためにコツコツと技術を磨けた。日本型経営のパフォーマンスの高さは、欧米企業もうらやましがっていたほどです。今更、かつてと同じようには出来ないかも知れない。でも、5年先、10年先を考えた経営を取り戻すべきです。なのに安倍首相は、目先の株価を良くすることしか頭にない。社員のクビを簡単に切れるようにするなど、雇用も流動化させようとしている。これでは、“最低賃金”をアップさせても、国民の将来不安は消えず、個人消費も活発にならない。安倍首相は発想が間違っています」(斎藤満氏=前出)
この期に及んで「アベノミクスは失敗していない」「道半ばなのだ」と口にしている安倍。これ以上、無責任な男に日本経済の舵取りを任せていてはダメだ。
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