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小林節「自民党改憲草案を糺す」 <第5回>必要なのは“緊急事態条項”でなく自治体の権限強化
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2016年8月22日 日刊ゲンダイ 文字お越し
(C)日刊ゲンダイ
自民党改憲草案の98条は「緊急事態の宣言」である。それによれば、戦争、内乱、大規模災害が発生した場合に首相は緊急事態を宣言できる。そして、同草案99条によれば、その宣言の「効果」として、首相は国会に代わって立法権と財政権も行使できるし、さらに地方自治体の長に対する指示権も行使できることになる。その上で、私たち一般国民は公の機関からの指示に従う義務を負わされる。
これらは文字通り憲法を停止して独裁体制を敷く条項である。
あの3・11東日本大震災直後から、急に自民党サイドから緊急事態条項が必要という声が発信されるようになってきた。
しかし、現実に阪神・淡路大震災と東日本大震災を体験した上での日弁連の報告書によれば、そのような条項は全く不要である。
まず、現実の災害は東京の永田町(首相官邸)ではなく国民の生活現場を襲う。だから、対応として必要な制度は、現場を管轄する市区町村長および都道府県知事に事態に柔軟・迅速に対応できる権限を与えることである。つまり、平時には法律・条例および予算に厳格に拘束されている法治行政の枠を例外的に外し、首長が現に管理している全能力を駆使して事態に自由に対応する権限を与えることこそが肝要である。
その際、国に期待される役割は、現場を抱えた自治体から届く要望に対して迅速にマンパワーと物資を供給できるようにバックアップ体制を整えることに尽きる。それは、三権統合・人権停止にも等しい独裁体制を取って構えることではない。
なお、自民党の改憲草案では、緊急事態宣言の後は国会議員の任期が自動的に延長されることになっているが、これも全く不要なことである。つまり、現に参議院の緊急集会制度(憲法54条)があり、全ての議員が「全国民を代表」している(同43条)以上、最短でも3年間は総選挙なしでも国会の不在は防げる。それに、「緊急事態」を3年以上も続ける必要など、経験上、想定しようもない。
いずれにせよ、災害対策基本法等の現行の法律の改善は必要であるが、この提案されている「緊急事態」条項自体は有害無益以外の何ものでもない。
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