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米国のハーグ陸戦条約違反を教えてくれたバイデン発言
http://xn--gmq27weklgmp.com/2016/08/19/post-5202/
19Aug2016 天木直人のブログ
バイデン発言について書いたら、読者のひとりから次のような投稿をいただいた。
あの発言は米国がハーグ陸戦条約に違反した事をみずから認めたようなものだと。
ハーグ陸戦条約とは1899年にオランダ・ハーグで開かれた第一回万国平和会議で採択され、1907年の第二回万国平和会議で改定され今日に至る「陸戦ノ法規慣例二関スル条約」の事である。
約44カ国が加盟し、米国も日本もその中に入っている。
その第43条は次のように規定されている。
国の権力が事実上占領者の手に移った上は、占領者は絶対的な支障がない限り、占領地の現行法律を尊重して、なるべく公共の秩序及び生活を回復確保する為、施せる一切の手段を尽くさなければならない。
その投稿者は、識者の間では、米国が日本憲法の作成に圧力をかけた事はこのハーグ陸戦条約に違反すると考えられていると教えてくれている。
この事を私は知らなかった。
そこで思い出すのがサンフランシスコ条約だ。
日本がサンフランシスコ講和条約を受け入れた時、その条約第六条(a)で「連合国のすべての占領軍は、この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない」と書かれている。
本来ならばこの規定に従って米軍は撤退しなければならなかったのに居座り続けた。
その根拠が、日米安保条約なのだ。
すなわちサンフランシスコ講和条約第六条(a)の、その後に続く「但し、この規定は、一又は二以上の連合国を一方とし、日本国を他方として双方の間に締結された若しくは締結される二国間若しくは多数国間の協定に基く、又はその結果としての外国軍隊の日本国の領域における駐とん又は駐留を妨げるものではない」という規定に従って、日米安保条約がサンフランシスコ講和条約と同時に締結された。
その時、米軍は、占領軍から駐留軍、すなわち在日米軍に変身したというわけだ。
ところが日本国憲法作成における影響力の行使に際しては、ハーグ陸戦条約への配慮を米国はしなかったのだ。
おそらくバイデン副大統領はハーグ陸戦条約の事など念頭に無かったに違いない。
またひとつ米国の無恥と傲慢さがが露呈したというわけである(了)
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