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これがバイデン発言に対する日本政府の見解である
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18Aug2016 天木直人のブログ
バイデン米副大統領が大統領選挙の演説の中で、日本の憲法は米国がつくったと発言した。
この事について私は、日本は抗議しなければいけない、と書いた。
いやしくも一国の憲法を、他国に、しかも副大統領と言う要職にある人物に、俺たちが書いたのだ、などと公言されて、沈黙したままということはあり得ないからだ。
その私の忠告に従うように、在米日本国大使館がバイデン発言について見解を述べたらしい。
そのことをきょう8月18日の読売新聞の記事で知った。
しかし、その記事を注意して読んで行くうちに笑ってしまった。
それは読売新聞の取材に対するコメントに過ぎないというのだ。
どうりで他の新聞は一切書いていない。
読売新聞だけにコメントして終わらせるとは何事か。
しかも、そのコメントは次のようなものだという。
「現行憲法は、最終的には帝国議会で十分に審議され、有効に議決されたものだが、占領軍当局の強い影響の下で制定されたものだと考えている」
そして、私は、その読売新聞の記事を見て認識をあらたにした。
この在米日本大使館の読売新聞に対するコメントは、日本政府が2006年10月10日に閣議決定していた内容に沿ったものだというのだ。
それだけではない。
読売新聞のその記事は、安倍首相が今年2月4日の衆院予算委員会で憲法制定の経緯について次のように述べたと書いている。
「占領下にある中、当時の日本政府といえどもGHQ(連合軍総司令部)の意向には逆らえない。その中において憲法が作られたのは事実だ」と。
私は知らなかったのだが、安倍首相は国会答弁ではっきりそう言っていたのだ。
2006年は安倍第一次政権の自民党政権下だ。
2016年の安倍第二次自民党政権もまた同じ認識を繰り返している。
その間の民主党政権の時は、憲法制定過程についてのどのような政府認識を示したのか、あるいは示さなかったのか、私は知らないが、やはり同様の公式見解にならざるを得なかっただろう。
つまりこれが憲法制定の認識に関する日本の公式見解なのである。
バイデン副大統領の発言に反論できないはずだ。
おそらくこのバイデン発言ついては、政府も有識者も世論も、何の反応を示すことなく、沈黙のままやり過ごされるに違いない。
唯一、右翼だけが、だからいまの憲法は無効だ、自分たちの手で憲法をつくるべきだと訴え続けるだろう。
そして、そのような右翼の声は誰にも相手にされず、この国の対米従属は続く。
バイデン副大統領の発言には日本政府はすかさずこう切り返すべきだ。
つまり日本政府が世界に対して発信すべき公式見解はこうあるべきだ。
米国占領下でつくられた平和憲法であるが、それを日本国民は積極的に受け入れ、いまや米国の安保政策までも従わざるを得ない、それが憲法9条だ。そのような憲法9条を日本は誇りに思う。世界に広めたい。
そう胸を張って言える政府を日本は持たなければいけない。
そんな日本を目指す政党こそ新党憲法9条である(了)
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