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「わが親友の息子・小泉進次郎に告ぐ」山崎拓がえぐる自民党の"急所" ネコだらけでトラがいない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49426
2016年08月12日(金) 週刊現代 :現代ビジネス
取材・構成:横田由美子(ジャーナリスト)
かつてYKK(山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎)は自民党の主流派に敢然と反抗し、ついには小泉純一郎が「ぶっ壊す」に至った。「理性と野性」を兼ね備えた政治家が、常に時代を動かしてゆく。「彼」にその資質はあるのだろうか。
■怒れ! 怒ってみせよ
〈「橋本に勝てないことはわかっているが、必ず立つ。清和会は森さんを含め全員賛成してくれている。負ければ一人でも党を割る。もしYKK3人で離党すれば、自民党は終わりになる。その時は新党を結成しよう。自民党は参院選に大敗し、年内総選挙に追い込まれるよ」
加藤は、小泉の言葉に乗り、
「新党結成資金は僕が作る」
と息巻いたが、私の意見は少し違っていた。
「負けると決まっているわけではない。勝てるような気がする。国民が味方するよ」
と小泉の背中を押した〉
—山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎の「YKK」トリオを軸に、激動の時代を振り返った『YKK秘録』(講談社)。「加藤の乱」の失敗を逆手に取り、ついに小泉氏が総理の座へと上り詰めます。
かつての自民党はYKKのように、政権と対峙する勢力が存在しましたが、最近はそうしたことが少なくなっています。
今の自民党には、いわば「トラ」がいないのです。虎は動物分類学的にはネコ科になりますが、ただのネコのような議員ばかりになってしまった。
民主主義は「振り子の原理」でいかないといけないと私は思っています。右と左が交互に政権を担い、バランスを取っていく。そういう意味で、安倍総理の次を担う存在として、リベラル色の強い岸田文雄外相にも注目が集まっているようです。
ただ、こう言っては失礼ですが、まだ岸田氏は「借りてきたネコ」のような印象でしかない。他に安倍総理のライバルとして名が挙がる石破茂氏にしても、借りてきたネコとまでは言わないが、パワーを感じません。
—それが失敗に終わるとしても、時の政権に問題があれば、思い切って政変を仕掛けるほどの存在が見当たりません。
仮に岸田氏が私の話を聞いて、「ネコとはなんだ。舐めるな!」と烈火のごとく怒るようであれば、むしろ安心できます。本音では、怒ってほしいぐらいですよ。それ程の気概があるのかどうか。
最近の国会議員は「ヒラメ化」して、上(総理)ばかりを見るようになっています。悪い意味でのサラリーマン化が進み、事なかれ主義の政治家ばかりになりました。上だけを気にして思考停止に陥り、官僚が作ったペーパーをそのまま読んでいれば楽だ、という議員がこのまま増え続けるようであれば、日本にとっては実に不幸です。
どちらかと言えば、野党の議員のほうが勉強しているように思います。国会中継を見ていても、「勉強しているな」と思う質問は、だいたい野党の議員から出ています。
民進党の政調会長に抜擢された山尾志桜里議員などは、「日本死ね」ブログの取り上げ方など毀誉褒貶はあるにしても、保育の問題に関する議論を明らかに前進させました。
■安倍の顔色ばかり見るな
—パッとしないという自民党の若手の中には小泉氏の次男・進次郎氏がいます。彼もやはりネコでしかありませんか?
存在感は間違いなくありますね。少なくとも、ネコではない。すでに、単なるネコよりはずっと強い。とはいえ、トラやライオン、クマといったレベルにはまだ達していません。強さで言うとイノシシくらいでしょうか(笑)。彼は頭も良く、猪突猛進というタイプではありませんけれど。
私は彼と会話をしたことはあまりないのですが、ある時、赤坂の居酒屋でバッタリ会った際、「あなたの親父と最近、会っていない。山崎がそう言っていたと伝えておいてくれ」と声をかけたら、「はい!」と言って、その後すぐに小泉(父)から「拓さん、今度飲もうか」と電話がかかってきました。父親同様、年長者には敬意を払うことができる青年なのでしょう。
ただ全般として、現在の自民党議員は一世議員が持っていた、ある種の「野性」や「強さ」に欠けていることは否めません。前出の石破氏にしても、岸田氏にしても、やはり世襲議員です。
これは党の公募選考にも問題があって、彼らのような世襲候補がやって来ると必ず合格するんです。世襲のほうが、地盤も看板もない一世の候補よりずっと当選しやすいですから。しかし、そうこうしているうちに自民党内は「坊ちゃん」だらけになってしまった。
—安倍総理も小泉元総理も世襲ですが、強力な政権を築いていますね。
小泉の場合は、時世や環境が今とは違います。世襲といえども、権力闘争の中で揉まれ鍛えられてきた。それに彼は、「経世会打倒」や「郵政改革」といった、揺るぎない強い信念を持っていました。
'72年、田中角栄、福田赳夫両氏が総理の座をかけて争った「角福戦争」の際、小泉は福田邸で下足番をしていました。そして、戦いに敗れて自棄酒を呷る福田さんの相伴を唯一人でしながら、その無念を聞かされたそうです。彼はそれをずっと忘れず、「経世会=金権政治の打倒」を掲げ、そのための手段として郵政改革にこだわり続けた。
一方で安倍総理が強いのは、第一次政権で「大失敗」を経験しているからに他なりません。体調不良や閣僚の不祥事などが重なって火ダルマとなり、もはや再起不能かというほどの批判を浴びて退陣したことが、逆に安倍さんを強くしました。
ただ、小泉と安倍総理はしばしば比較されるようですが、二人はまったくタイプが違います。
小泉は独裁的に振る舞っているようでいて、裏では私が幹事長で支えていたこともあり、水面下では党との調整を出来る限り行い、円滑な政治運営を心がけていました。
現在の安倍政権下では党が形骸化していて、ほとんど発言権がない。誰もが総理の顔色を窺い、戦々恐々としています。
■女性が総理になれない理由
こうなった原因のひとつは小選挙区制にあります。中選挙区時代は、良くも悪くも派閥均衡型政治が機能していて、何かあれば党内政権交代も可能だった。しかし今は、総理総裁に権限が一元化され、党内の多様性が失われてしまいました。
こうなることも見越し、我々YKKは小選挙区制の導入には反対していたのですが、小沢一郎氏らによっていつの間にか「政治改革=小選挙区制導入」という錯覚が罷り通るようになってしまい、YKKの声は掻き消されてしまったのです。
—東京都知事選では小池百合子氏が注目を集めました。女性議員の進出や活躍についてはどう思われますか。
世界では、次期アメリカ大統領にヒラリー・クリントン女史が就く可能性がありますし、女性の活躍が目立ちますね。
とはいえ、日本の場合は、まだ女性の人材は乏しいのが現実だと思っています。目立っている女性議員は、目立つように、誰かに引き立てられているだけなのです。
たとえば、民進党の山尾さんは岡田(克也民進党代表)さんに抜擢されたわけですし、稲田朋美(自民党政調会長)さんは安倍総理によって引き立てられている。小池さんも今回の行動力はなかなかのものでしたが、彼女もかつて小泉元総理らによって引き立てられてきたことは否めない。
女性が政治の世界でリーダーシップを発揮するのは非常に難しいのです。誤解を恐れずに言えば、政治のリーダーの役割とは究極、ポストやカネを分配することです。それができなければ、いわゆる「子分」もできず、いざという際の支え役も持つことができない。
欧米には、そうした「フィクサー役」もこなせる女性がいます。ですが、幸か不幸か、大和撫子にはそういうタイプの女性はほとんどいません。自分のポストを得るだけではなく、ポストを取ってきて配分する、というところまでいかないと、女性が総理総裁になるのは難しいと思いますね。
—先の参院選では、安倍政権が「改憲勢力」で3分の2以上の議席を確保し、今後の動向が注目されています。もしも、YKKが「現役」だったとしたら、どんなアクションを起こしますか。
メディアは参院選で自民党が圧勝したかのように伝えていましたが、実際には1人区で野党連合は相当に健闘しており、プロの目からすればお世辞にも安倍政権の「大勝」とは言えない結果です。
いまYKKが存在していれば、少なくとも、拙速な改憲論議に一石を投じるべく、3人で立ち上がったであろうことは確かだと思います。
私は小泉政権で、小泉を支えるべくイラク特措法などの成立に尽力してきた立場であり、加藤は憲法9条改正反対論者でした。3人がそれぞれ、スタンスの違いはあります。しかし今は、加藤の考えも理解できます。平和は、何よりもかけがえのないものです。それだけは守らねばなりません。
「週刊現代」2016年8月13日号より
31年に及ぶ議員生活の記録であり、政界「奥の院」の記録でもある
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