http://www.asyura2.com/16/senkyo211/msg/200.html
Tweet |
フクシマ事故再現狙いにしか見えない安倍政権−(植草一秀氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1sp0cim
12th Aug 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
弁護士の伊藤真氏との共著
『泥沼ニッポンの再生
−国難に打ち克つ10の対話−』
を上梓した。
4月24日衆院補選があり、7月10日参院選があり、7月31日東京都知事選があった。
これらの一連の政治日程が終了し、安倍政権は内閣改造、自民党役員人事を実施した。
その直前、経済対策も決定した。
その直後にリオ五輪が開幕し、国民の関心が一気に五輪にシフトした。
競技が行われない昼間の時間帯は夏の甲子園が開催されており、
国民の政治への関心が急速にしぼんでいる。
この間隙を縫って二つの重要事態が進行している。
一つは沖縄本島北部のやんばる地帯にある東村高江での米軍ヘリパッド建設強行。
いま一つは、四国電力の愛媛県伊方原発の再稼働だ。
マスメディアは、この二つの重要事実をまったく伝えない。
ネット上でニュースを入手する個人の多くが大手のポータルサイトを利用するが、
こうしたポータルサイトでも二つの重要事項が十分には伝えられない。
こうして、重要事項が国民に知らされぬなかで、安倍政権の暴走が加速している。
7月10日の参院選で、安倍政権与党が多数議席を獲得して、
衆参両院での改憲勢力3分の2確保が実現してしまった。
事態は危険な方向に著しく傾いている。
しかし、未来に対する希望が潰えたわけではない。
参院選の1人区で反安倍政権陣営が大健闘した。
北海道、秋田を除く東北、新潟、長野、山梨、三重、大分、沖縄の選挙区で反安倍政権陣営が勝利した。
これらの地域の面積は日本国土全体の44.8%を占める。
茨城、東京、静岡、愛知、京都、広島では安倍政権陣営と反安倍政権陣営の獲得議席数が同数だった。
これらの地域が占める面積は日本全体の9.1%。
安倍政権陣営が勝利した地域の面積は日本全体の46.1%である。
面積で計算すれば、完全な互角な勝負だった。
反安倍政権陣営が勝利した地域は、
北海道、秋田を除く東北、新潟、長野、山梨、三重、大分、沖縄であり、
北海道・奥羽越列藩同盟に三重、大分、琉球が安倍政権に対峙している。
三重は桑名藩を母体としており、大分県は伝統的に社会党が強い。
沖縄県は安倍政権の暴走に対して「オール沖縄」での対峙が定着している。
つまり、安倍政権に対する肯定、否定において、強い地域性が存在しているのである。
この現状を踏まえれば、現在の政治状況の大転換は十分に可能である。
究極の姿としては、日本を東西に分離して、それぞれを独立させることも検討に値する。
その場合、沖縄も琉球として再度独立することが適正となるだろう。
さて、見落とせない重大事実は、四国電力の伊方原発が国民的な関心を集めぬまま再稼働されたことだ。
現在稼働している原発は九州電力の川内原発だけだ。
しかし、鹿児島県薩摩川内市に立地する川内原発は7月10日に実施された鹿児島県知事選で
新知事に選出された三反園訓氏が、川内原発の運転停止を公約に掲げており、
川内原発はまもなく運転停止に追い込まれる予定である。
関西電力の大飯原発ならびに高浜原発は、再稼働後、
裁判所による運転停止命令や原発事故のために運転停止に追い込まれている。
この夏、国民の関心が五輪に集中している間隙を縫って再稼働を強行しないと、
再び原発稼働ゼロの状況が生み出されてしまうのだ。
この状況を回避するために、伊方原発の再稼働が強行された。
しかし、伊方原発の再稼働は危険極まりない。
愛媛県の伊方原発は四国最西部、佐田岬半島付け根付近の北側斜面に位置している。
ここで原発事故が発生すると、原発以西の佐多岬半島居住者は逃げ場を失う。
避難計画の不備も指摘されている。
さらに、4月に熊本で発生した大地震は日本最大の活断層である中央構造線上の活断層で
発生したものと見られるが、その中央構造線が伊方原発直下を走っている疑いも極めて高い。
近隣のすべての人々は、
太田隆文監督の
『朝日のあたる家』
を一度見ておくべきだ。
すべての原発が危険の塊であるが、とりわけ、伊方原発の危険性は高い。
このような重大事項を人々の関心が薄いタイミングを推し量ったように強行するというところに、
安倍政権の底知れぬ闇、悪質性が存在する。
原発直下に断層が存在するのかどうかについて安易な結論を持つことはできない。
活断層が確認されれば、もちろんアウトだが、活断層が確認されていない場合でもセーフではないのだ。
活断層は地震が発生して初めて明らかになる場合が極めて多い。
地下の構造は地上からは判定不可能なのだ。
北陸電力志賀原発では、各断層の存在が明らかになっているが、北陸電力はいまなお、
活断層ではないと主張して、原発廃炉を決定していない。
第2次安倍政権が誕生してから、原発抑制の方向さえ雲散霧消し始めている。
あのフクシマの事故を再発することを意図するかのような行動が続いている。
愛媛新聞が伊方原発について論評した。
8月12日付社説の一部を転載させていただく。
伊方原発再稼働へ 不安な見切り発車容認できない
四国電力は伊方原発3号機をきょうにも再稼働させる。
東京電力福島第1原発事故から5年5カ月。
収束のめどは立たず、まだなお多くの人が避難生活を強いられている。
今も続く深刻な状況から目を背ける再稼働に改めて強く異議を唱える。
伊方原発から30キロ圏内の住民を対象とする避難計画では、
命を守るという最低限の保証さえ得られていない。
原発がある佐田岬半島は険しい山からなる。
伊方町の住民は放射性物質の漏えい前に避難を開始することになっているが、
急峻(きゅうしゅん)な斜面ばかりで、手助けの必要な高齢者も多く、
一刻を争う避難は困難を極める。
地震や大雨を伴う複合災害の場合、道路の寸断で集落が孤立する恐れもある。
放射性物質の流入を防ぐための「放射線防護施設」の整備は進められている。
だが、現在、町内にある7施設のうち4施設は土砂災害警戒区域内にあり、危険性が否定できない。
南海トラフ巨大地震などの甚大な被害想定が欠けていることも看過できない。
伊方町以外、5〜30キロ圏内の6市町の住民はまず屋内退避を求められているが、
多数の家屋が倒壊して車中泊を余儀なくされた熊本地震の状況を鑑みれば、実効性を疑わざるを得ない。
県内各自治体や大分への広域避難計画に関しては、
道路や港の損壊、受け入れ自治体の混乱などで機能不全に陥ることを危惧する。
山本公一原子力防災担当相と中村時広知事はそれぞれ会見で「完璧な避難計画はない」と述べた。
そうだからこそ再稼働すべきではない。
計画の改善を続けるとしても「想定外」はどこかに潜んでおり、見切り発車は断じて許されない。
加えて、重大事故時の原発施設の対応を人海戦術に頼っている点にも不安が募る。
先月の訓練では、防護服を着て海水確保作業をしていた作業員2人が熱中症の症状を訴え、
訓練を一時中断、やり直した。
当然ながら真夏でも嵐の日でも事故は起こり得る。倒れてもやり直しはきかない。
いくら巨額を投じて施設を充実させても、重大事故のさなかに、
作業員がけがをせず健康であることを前提にした対策では、あまりに楽観的すぎよう。
愛媛新聞が先月行った県民世論調査では再稼働に否定的な回答が過半数を占めた。
国や県、四電は背景に根強くある県民の不安を軽視してはならない。
いつ終わるともしれない大規模避難を、仕方ないこととして当然のように受け止めるのでなく、
より安全なエネルギー政策や、原発に依存しない経済施策を探ることが大切だ。
鹿児島県の三反園訓知事は熊本地震を受け、稼働中の九州電力川内原発の一時停止を
九電に要請する方針を表明している。
将来世代への責任としても、不安が拭えない再稼働は容認できない。中村知事にも再考を求めたい。
(ここまで愛媛新聞社説の転載)
愛媛新聞が実施した県民世論調査で再稼働に否定的な回答が過半数を占めているという。
民主主義の基本は主権者の多数意見に従うことである。
安倍政権は選挙の際に争点を隠して議席数を確保して、
選挙が終わると、その議席数を盾にして、選挙のときに公約していない政策を強行する。
詐欺政治
ペテン政治
そのものである。
TPPについても
「TPP断固反対!」
のポスターを貼り巡らせて選挙を戦いながら、選挙が終わると手のひらを返してTPP交渉に参加した。
こうしたペテン政治、詐欺政治を許してはならない。
愛媛新聞が指摘するように、伊方原発においては、30キロ圏内の住民を対象とする避難計画ですら、
「命を守る」
という最低限の保証さえ得られていないのである。
耐震性能基準は650ガルとされているが、
4月の熊本地震で熊本県益城町では1580ガルの地震加速度を観測している。
伊方原発で1580ガルの地震加速度が観測される可能性は十分にある。
2008年6月に発生した岩手宮城内陸地震では4022ガルの地震加速度が観測されている。
4000ガルの揺れは、日本のすべての地域で発生する可能性がある。
その地震の揺れに対する備えもなく、原発を再稼働するとは、
「脳がメルトダウンしている」
としか言いようがない。
主権者の過半数が原発再稼働に反対であると思われれる。
過半数が反対であるなら、再稼働をさせない。
このあたりまえの判断と行動ができる政権を一刻も早く樹立しなければならない。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK211掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。