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米国で死に体のTPPを「批准」という世耕経産相はピエロだ 日本外交と政治の正体
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/187636
2016年8月12日 孫崎享 外交評論家 日刊ゲンダイ 文字お越し
世耕弘成経産相(C)日刊ゲンダイ
安倍改造内閣が発足した。各大臣が所信を表明する中で、驚くべき発言があった。世耕弘成経産相が「来るべき国会で、できるだけ早くTPP本体の批准と関連法案の成立をお願いしていきたい」と言い、9月中旬召集の臨時国会での批准に全力を挙げる考えを示したことである。
そもそもTPPはISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)を含み、外国企業が日本の法律や裁判で損害を被った場合、莫大な賠償金を日本政府から取ることを可能とする制度を含んでいる。本来、日本政府はその受け入れに反対するべきなのに、米国の走狗となり、唯々諾々と従っている。
米国がTPPを批准し、「日本もやれ」というのであれば、それも政策判断のひとつかもしれない。しかし、米国でTPPは今や死に体である。
真っ最中の米国大統領選で、今回、浮き彫りになったのは、多くの米国民が格差社会の進行を感じ、政府を信用しなくなったことである。
それが共和党のトランプ指名と、民主党でのサンダース候補の予想以上の善戦であり、「米国民の生活水準が困窮したのは、米国企業が海外に進出したからであり、それを推進する貿易協定は悪だ」となったのだ。
トランプは明確にTPP反対を唱えている。
民主党指名のヒラリー・クリントンの立場も微妙だ。TPPはヒラリーが国務長官時代に推進したものである。米国金融界の支援も得ているヒラリーはTPPの促進者だが、サンダースの激しい追い上げで、「現在のTPPは自分の考えたものとは違うので反対」と言わざるを得なかった。
ヒラリーが大統領に就任すれば、若干の“お化粧直し”をして、またTPP批准に回るとみられていたが、取り巻く情勢は一段と厳しくなっている。サンダースを支援したグループはヒラリーの金融界との結びつきを厳しくチェックするからだ。
ヒラリーが大統領になるためには、支持基盤の民主党の全面的協力が不可欠だ。サンダース支援者と敵対関係を続けるわけにはいかない。もはや、TPPは死に体も同然なのであり、米国の報道を丁寧に分析していれば、簡単に分かることだ。TPPの早期批准などと言っている世耕大臣の姿はピエロ以外の何物でもない。
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