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安倍総裁任期延長論も! 五輪で全てが狂ってきたこの国
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2016年8月6日 日刊ゲンダイ 文字お越し
開会式で入場行進する日本(C)本紙・真野慎也/JMPA
なんとか開幕にこぎ着けたリオ五輪だが、ここに至る騒動でいよいよハッキリしたのが、オリンピックというイベントの欺瞞ではないか。
競技場建設の大幅な遅れ、選手村の不備やジカ熱対策、ロシアのドーピング問題への対応など、リオ五輪は迷走続きだ。リオの州と市の財政も破綻し、州政府は非常事態を宣言。公務員の給料が払えないため、警察官や消防士の人数も減り、もともと危険な街の治安が悪化して犯罪が多発している。かの地では、「大会さえ無事に終われば、それでいい」と刹那的な気分に流されているのかもしれないが、深刻なのは大会が終わってからである。
直近のロンドンから北京、アテネとさかのぼって見るだけでも、オリンピックを開催した都市は、その後、ことごとく不況に陥っている。ギリシャ破綻のきっかけは、2004年のアテネ五輪のインフラ整備に大規模な財政支出をしたことだった。
おそらく東京も同じことになる。20年東京五輪の予算は、招致時の立候補ファイルでは3000億円だった。それが、資材高騰などを理由に、あれよあれよで肥大化し、2兆円とも3兆円ともいわれるまでに膨れ上がっている。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)が言う。
「ただでさえ、日本は財政難で、他に回すべき予算はたくさんある。例えば待機児童の解消には、なかなか予算がつかないのに、五輪のためなら無尽蔵にカネが注ぎ込まれていくことに違和感を覚えている人は少なくないはずです。裏金の問題もあった。五輪事業でゼネコンは潤うでしょうが、それは一時的なこと。大会後の施設の維持・管理までゼネコンは責任を負わないので、“儲け逃げ”です。五輪開催の費用が最終的にどこまで膨らむか分かりませんが、そのツケは国民や都民に回されることになる。国家の威信のために国民が犠牲にされるのです」
結局、五輪は世界的に利権屋が儲けるためのイベントでしかないのだ。
■新知事の五輪予算見直しもマヤカシ
小池百合子新知事は、東京五輪・パラリンピックの調査チームを設置して、予算や入札状況などの妥当性を検証し、9月をめどに中間報告をまとめるというが、こんなものはパフォーマンスでしかなく、抜本的な路線変更は期待できそうにない。東京都の負担の割合は多少、変わるかもしれないが、基本的には利権をどう分配し直すかというだけの話だ。
なぜなら、今回の都知事選の本質は五輪の利権争いだからである。五輪がらみの既得権益を死守したい側と、この機会に利権に手を突っ込みたい側。有象無象がうごめいて、分捕り合戦を繰り広げていたに過ぎない。
「都知事選の直後の内閣改造で、馳前文科相と遠藤前五輪相が閣僚から外れたことが臆測を呼んでいます。2人とも組織委の森会長の子飼いで、五輪がらみのポストにねじ込んだのは、森会長の利権を守るためといわれていました。都知事の交代で、利権争いの勢力図が変わったのかもしれません」(自民党関係者)
これから連日、リオ五輪の報道があふれる。五輪イベントの華やかな側面に目を奪われてしまうが、その裏では、薄汚いカネが動き、怪しい輩が跋扈し、醜い利権争いが繰り広げられている。それらをひっくるめての五輪というのが実態だ。光が強いほど影が濃くなるというのは本当である。
新国立競技場建築計画の白紙撤回に始まり、エンブレムの盗作問題、新たな設計計画でも聖火台の設置を想定していなかったミスが判明し、招致の際の裏金疑惑まで浮上。東京五輪はリオ以上にロクなものではないが、国民の不安をよそに利権屋が暗躍し、揚げ句が、安倍首相の自民党総裁任期延長論だ。
東京五輪が任期延長の口実に(C)日刊ゲンダイ
五輪を大義名分にすれば何でもまかり通る危険な風潮
二階幹事長は3日のテレビ番組で、18年9月までの安倍の総裁任期を「もう少し延ばしていいのではないか」とブチ上げ、結論を出すのは「年内だ」と踏み込んだ。
任期延長の是非は、世論調査の項目にも入り始めた。共同通信が3、4日に実施した調査では、任期延長は「しない方がいい」が52.5%、毎日新聞の同日の調査でも「必要ない」が53%と半数以上が反対しているのだが、自民党内の安倍シンパは「東京五輪は招致した安倍さんで迎えるべきだ」という“五輪花道論”を展開する。かねて任期延長を支持してきた二階の幹事長就任は「延長を決めるための人事」(自民党中堅議員)という声もあるほどだ。東京五輪が、異例の任期延長の口実に使われるなんて開いた口が塞がらない。
「そもそも東京五輪は、原発事故の汚染水は『アンダーコントロール』という招致段階での安倍首相の大嘘から始まった虚構の産物なのに、あらゆることの大義名分にされている。五輪のためと言えば、何でもまかり通ってしまう。無理と矛盾を重ねた結果、道理が引っ込んでしまった。ローマ帝国の“パンとサーカス”の時代から、為政者はこうしたイベントを政治利用したがるものですが、こうもやすやすと世論を誘導できるとは、権力側の想定以上でしょう。五輪開催で得をするのは、政治家やゼネコンなど、ほんの一握りの人だけなのに、批判めいたことを言えないムードに危うさを感じます」(ジャーナリストの斎藤貴男氏)
五輪開催に反対すれば、非国民のような扱いを受ける。五輪成功を最優先に掲げる同調圧力によって、政治や経済の問題も覆い隠されてしまう。
■ゼニ儲け優先の罪深きマスコミ
「罪深いのはマスコミです。朝日、読売、毎日、日経の主要4紙が、五輪組織委とオフィシャルパートナーという大口スポンサー契約を結んでいる。報道機関ではなく、商売の当事者になっているのです。そうなると五輪の負の面は積極的に報じないし、政権に対して批判的なことも言えないでしょう。ただでさえ、テレビ局には“圧力”がかかり、新聞は軽減税率で首根っこを押さえられている状況です。この先4年間は、ゼニ儲け優先で権力の横暴にも沈黙し、政権はやりたい放題になる。総裁任期の延長にも、憲法改正にも、真っ向から反対の論陣を張ることはしないでしょう。五輪開催が決まった頃から、マスコミは萎縮と自粛で機能しなくなり、おかげで国民は思考停止に陥っている。この国の劣化は急激に進んでいますが、この狂乱が続けば、東京五輪を迎える頃には、民主主義国家としての機能は完全に崩壊しているのではないか。思考を失った国民は、ほとんどポケモンと化してさまよっているに違いありません」(斎藤貴男氏=前出)
リニア中央新幹線、GDP600兆円の目標、プライマリーバランスの黒字化、そして安倍の任期延長――。あらゆることが2020年を基点に進められている。どれも無理筋の話ばかりだ。だましだまし、五輪開催まではゴマカせるかもしれないが、宴が終わった瞬間に魔法は解け、すべてが一瞬にして崩壊してしまいかねない。
「安倍政権としては、それでもかまわないのでしょう。2020年まで持ちこたえれば、後は野となれ山となれという無責任さを感じます。恐ろしいのは、1936年のヒトラーによるベルリン五輪開催時のムードと似ていることです。経済を掲げて国民の支持を集め、政治がデモクラティックなものから強権的に変わっていく。五輪が国威高揚、全体主義の装置として使われ、再軍備が進められる。そして戦争に突入していく空気と驚くほど似ています」(小林弥六氏=前出)
この国は、五輪ですべてが狂ってしまった。五輪イベントの狂騒に浮かれているうちに、国民はどこに連れて行かれるのか。4年後に地獄を見て後悔しても、それが我々衆愚の選択と諦めるしかないのだろうか。
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