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(回答先: AIIB委員に鳩山元首相就任へ 日本を取り込む思惑 「善意の暴走族」鳩山元首相の困った行動 投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 16 日 18:14:39)
総会で「低姿勢」みせた中国主導AIIBの台所事情
2016年7月16日赤間清広 / 毎日新聞中国総局特派員(北京)
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中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が6月25、26の両日、本部のある北京で開いた初の年次総会を取材した。印象的だったのは、アジア開発銀行(ADB)など既存の国際金融機関との「協調」をしきりにアピールする中国政府高官らの姿だ。
AIIBの年次総会であいさつする中国の張高麗副首相=2016年6月25日、赤間清広撮影
「AIIBは世界銀行やADBと補完関係を築き、共同で国際経済の発展を促すことができる」。開幕式に出席した中国の張高麗副首相は強調した。
続いて登壇したAIIBの金立群総裁(元中国財政次官)も世界銀行、ADBの名前をあげて、複数の国際金融機関と協力関係を築くことができたと紹介。「AIIBはグローバルパートナーだ」と訴えた。
年次総会中に開かれた記者会見でも象徴的な場面があった。AIIBの最大出資者である中国政府の意向が今後の組織運営に強い影響を与えるのではないかと指摘された金総裁は「AIIBは中国の銀行ではない」と色をなして反論した。
習近平国家主席の肝煎りで発足したAIIBには常に「既存の国際金融秩序への挑戦者」とのレッテルがつきまとう。張副首相らが低姿勢に徹したのは、そうした国際社会の疑念を払拭(ふっしょく)する狙いがあったとみられる。
順調な船出に見えたが実態は……
AIIBの加盟国数は57。金総裁によると、新たに24カ国が加盟の意思を内々に打診しており、最終的な加盟国数は90カ国前後に膨らむ見通しだという。加盟国数だけを見れば日米が主導するADB(加盟67カ国・地域)を圧倒することになり、一見、順調な船出をしたようにも見える。
しかし、その台所事情は苦しい。組織を支える職員数は総会時点で39人、内定者を含めても約60人しかいない。年内に100人に増やすべく世界でリクルート中だが、国際融資に精通した人材の確保は容易に進まず、「現段階では組織を維持、運営するのがやっとという状況」(国際金融筋)。
これに対し、AIIBが主力業務とするインフラ投資は1件あたりの融資金額が大きいうえ、事業リスクの評価も難しい。AIIBは今年の融資目標を12億ドルに設定しているものの、うかつに手を出せば大量の焦げ付きを出す恐れもある。発足早々のつまずきは、習近平指導部の顔に泥を塗る形になるだけに、何としても避ける必要があった。
融資実行に不可欠な人材も、ノウハウも少なく、発足直後で事業リスクを見極める時間もない−−。こうした状況で融資目標を達成するには、既存の国際金融機関が選定、評価した案件に「協調融資」の形でお金を出すのが一番の早道だ。
実際、年次総会に報告されたAIIB初の融資4件(融資総額は計約5億ドル)のうち、3件を世界銀行などとの協調融資が占めた。裏返せば、ADBなどとの協調路線をとる以外、AIIBには選択肢がなかったというのが実態だ。
気になる金総裁の日本への急接近
AIIBの協調路線はいつまで続くのか。国際金融畑では「AIIBが単独で融資を実施する体制が整えば、徐々に独自色を強めていくだろう」との見方が強い。気になる動きもある。金総裁の日本への接近だ。
「われわれの門はいつでも開いている」。金総裁は年次総会などで現在は参加を見送っている日米の加入に強い期待を示し、AIIBとして近く日本人の幹部を採用する予定だとも語った。
年次総会開催中の6月26日夕、北京を訪問していた鳩山由紀夫元首相は私を含む記者団に、金総裁からAIIBの顧問に当たる「国際諮問委員会」の委員就任を打診されたことを明かした。まだ正式な要請ではないというが、こうした動きもAIIBの対日本戦略の一環といえるだろう。
北京市内で記者団に「AIIB委員就任の打診を受けた」と語る鳩山由紀夫元首相=2016年6月26日、赤間清広撮影
北京市内で記者団に「AIIB委員就任の打診を受けた」と語る鳩山由紀夫元首相=2016年6月26日、赤間清広撮影
日本はADBや国際協力銀行(JBIC)を通じた豊富な国際融資の実績、人材を持ち、特にアジア地域での案件発掘に関しては圧倒的な存在だ。AIIBから見れば、日本は自分たちの足りないパーツを埋めてくれる存在のようだ。
一方、日本政府はAIIBと一定の距離をとりつつ、ADBなどを通じてAIIBの融資選定を間接的にコントロールする戦略を変えていない。対立か協調か。日中の政治的な思惑も複雑に絡むAIIBは、今後も日本メディアにとって重要な取材対象だ。
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赤間清広
赤間清広
毎日新聞中国総局特派員(北京)
1974年、宮城県生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。経済部では財務省、日銀、財界などを担当した。16年4月から現職。中国経済の動きを追いかけている。
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160714/biz/00m/010/007000c
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