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消費税を消費者が負担していると勘違いしている人もいるが、消費税は事業者が負担する税金である。
消費税の課税ベースである荒利(付加価値)の60%ほどは人件費に充当される。
それゆえ、ある額の賃金を支払うということは、その金額に+消費税を上乗せしなければならないことを意味する。
このことから、正規従業員を含めてもまったく問題ないが、最低賃金を引き上げるためには、パート従業員の賃金に充当した付加価値に対して消費税を免除する政策が近道だ。
(宇都宮氏は、最低賃金1500円を公約として掲げていたが、強権的な賃金引き上げ政策は、強者(賃金支払い余力のある事業者)への集中を招き、全体として雇用者の数を減らしてしまう)
たとえば時給900円のケースなら、その金額に加え消費税72円(概略値)を負担しなければならないから、パートへの賃金支払い分について消費税が免除されることになれば、時給を972円にしても事業者の負担は変わらない。
政府部門に税として支払うのか、従業員に賃金として支払うのかの違いである。
税収的にも、より多く稼いだ人の所得税・住民税が増えたり、より多く消費に回ることで法人税・消費税の増収要因にもなるから、それほど打撃にはならない。(ほんとうはまったく打撃ではないが)
財務省は、私のアイデアをパクって、給与を引き上げたら法人税を減税するという“毛針”政策を導入したのだから、今回のアイデアだってパクって実施すればいい。
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2016年07月06日 (水)[NHK総合]
「実現できるのか?"最低賃金1000円"」(時論公論)
村田 英明 解説委員
今回の参議院選挙では、最低賃金を時給1000円か、それ以上に引き上げると明確な数値目標を公約に掲げる政党が増えました。最低賃金の引き上げは、非正規労働者の賃金の底上げや景気を上向かせるために必要ですが、実現するには多くの課題があります。そこで、最低賃金とはどういうもので、なぜ今、時給1000円への引き上げが必要なのか。実現に向けた課題は何か。この2点について話をしたいと思います。
まず、最低賃金というのは、企業が従業員に最低限支払わなければならない賃金のことです。法律で義務付けられていて違反した企業には罰則があります。働く人すべてに適用され、とくに、時給で働くパートやアルバイトなどの非正規労働者の賃上げに大きく影響します。
労働者が不当に安い賃金で働かされるのを防ぐため多くの国で導入されていますが、日本は欧米に比べて賃金の低さが際立っています。全国平均で時給798円。1日8時間、週40時間フルタイムで働いても年収は160万円ほどにしかなりません。
これに対し、ヨーロッパは時給1000円前後で、フランスとの差は300円近くあります。また、アメリカは連邦政府が決めた最低賃金は日本より低くなっていますが、これは最低ラインです。実際には、州の法律や自治体の条例で1000円前後にしているところが多く、さらに、景気が回復する中、段階的に15ドル、日本円にして、およそ1500円に引き上げる動きが広がっています。
このように、日本の最低賃金の水準は主要な先進国に比べて低く、労働者の生活を安定させる本来の目的を果たしているとは言えないという指摘が、労働の専門家から出ています。
日本で、最低賃金に近い時給で働く人は、かつては、家計を助けるために働いていたパートの主婦やアルバイトの学生が多く、賃金の低さは、さほど問題になりませんでしたが、いまや非正規労働者は、およそ2000万人、働く人の4割近くを占めています。しかも、家族を養わなければならない世帯主と自らの収入で生活を維持しなければならない単身世帯が大幅に増えました。このため、真面目に働いても貧困から抜け出せない「ワーキングプア」、働く貧困層の問題が深刻化し、最低賃金の引き上げが政治の重要課題になっているのです。
こうした中で迎えた今回の参議院選挙で最低賃金を欧米並みにすると公約する政党が増えたのは当然といえるでしょう。公約に明確に記載した政党について見て行きますと、与党では、自民党と公明党は「全国加重平均で1000円をめざす」としています。一方、野党では、民進党は「誰もが時給1000円以上を実現」。共産党と社民党は「全国一律1000円にし、さらに1500円をめざす」。新党改革は「1000円に近づける」としています。公約通りの引き上げを期待したいところですが、いざ実行するとなると課題は山ほどあります。
ここでは、3つの課題を考えたいと思います。「企業の合意」、「中小企業への支援」、そして、「地域格差の是正」です。
まず、企業の合意ですが、最低賃金は毎年夏に厚生労働省の審議会が前の年度よりいくら上げるべきか引き上げ額の目安を定めます。これをもとに都道府県の審議会が、地域の実情を踏まえて都道府県ごとに最低賃金を決定しています。この国と都道府県の審議会には労使の代表が参加していて、労働組合側は最低限の生活が保障されていないとして大幅な引き上げを要求しますが、経営側は企業の支払い能力を考慮すべきだとして協議は難航して要求はなかなか通りません。最低賃金の引き上げは企業の合意を得ることが大前提で、政府の一存では決められないのです。
それでも、2000年代後半からは着実に引き上げられてきました。棒グラフで示したのは前の年度からの引き上げ額です。2007年以降、年に2%程度、ほぼ10円を超える引き上げが続いています。実は、2007年には、ワーキングプアが問題化する中で、政労使の3者が最低賃金を引き上げていくことで合意。また、最低賃金が生活保護の受給水準を下回るいわゆる「逆転現象」が起きている地域の解消を目指して最低賃金を決めるように法律が見直されました。その結果、賃金が持続的に引き上げられ、逆転現象も、おととしまでに解消されたのです。
ところが、政府は、これをさらに上回る年に3%程度の引き上げを今年度から行う方針を打ち出しています。25円前後の大幅な引き上げを7年連続で実現できれば全国平均で時給1000円に到達することになります。そのためには、改めて政労使の3者で時給1000円をめざすことで合意する必要があります。しかし、企業側は、経団連が「中小零細企業の支払い能力を考慮する必要がある」という見解を示すなど慎重な姿勢を崩していません。
そうした中で、どうやって企業の合意を取り付けるのか。鍵を握るのは2つ目の課題、中小企業への支援です。具体的には、いわゆる「下請けいじめ」をなくさなければなりません。日本では、大企業が下請けの中小企業と取り引きする際に、不当に安い価格で商品を買う「買いたたき」や「値引きの強要」が後を絶ちません。下請けいじめを行ったとして公正取引委員会から企業が指導を受けた件数だけをみても、昨年度は過去最多の5980件に上っています。
企業に対する指導や罰則を強化するなどして、まずは、賃上げの妨げとなっている不当な取引慣行をなくす対策を徹底する必要があります。
また、欧米の取り組みも参考にすべきです。アメリカでは10年ほど前に連邦政府が最低賃金を大幅に引き上げた際に中小企業向けの減税を行いました。
一方、フランスでは中小企業の社会保険料の負担を軽減しています。税や保険料の負担を減らして賃上げしやすい環境を整えることも検討してみるべきです。
3つ目の課題は、地域格差の是正です。最低賃金は、最も高い東京が907円なのに対し、最も低い鳥取、高知、宮崎、沖縄は693円で200円以上差があります。その原因は、最低賃金の決め方にあります。
厚生労働省は、住民の所得水準や消費の実態などを調べて、都道府県をAからDの4つのランクに分けて、ランクごとに引き上げ額の目安を示しています。
昨年度の目安は、Aランクが19円、Bランクが18円、CとDランクが16円でした。最低賃金が高い東京や大阪などの大都市はAランク。一方、Dランクには、最低賃金が低い鳥取や沖縄など時給600円台の16の県が含まれています。このため、Aランクの引き上げ額を他のランクよりも大きくしている今の方法では、差は広がる一方。このままでは、大都市に働きに出る人がさらに増えて、地方の人口減少を加速化させるおそれがあります。
また、同じAランクでも千葉は817円で東京と90円も差があるなど、今の都道府県ごとの最低賃金の水準が妥当かどうか疑問視する声も出ています。
働く人全体の賃金の底上げを図るには、最低賃金の決め方を見直すことも考えなければなりません。
このように、山積する課題にどう取り組んで“最低賃金1000円”を実現するのか。公約した政党は、その具体的な道筋を示すとともに、選挙が終わった後も責任を持って国会でさらに議論を深めて行ってほしいと思います。
(村田 英明 解説委員)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/248504.html
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