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シルバー民主主義に「年寄りは先に逝け!」の声
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2016/07/24/post-1006.html
サンデー毎日 2016年7月24日号
牧太郎の青い空白い雲 連載579
参院選が終わったので、麻生太郎副首相兼財務相の「90歳? いつまで生きるつもり」発言を取り上げたい。
選挙結果に微妙に関係するのでは?と心配していたが、この麻生発言には、いま日本が抱える最大の哲学的選択が隠されている。
麻生さんは6月17日、小樽市の講演会で、「90歳になって老後が心配とか、わけのわからないことを言っている人がこないだテレビに出ていた。"おい、いつまで、生きているつもりだよ"と思いながら見ていた」と言い放った。
「高齢者への配慮に欠ける!」と批判する向きもあったが、コレは「若者の本音」でもある。若者は高齢者に「サッサと死んでくれ!」と願っているのだ。
シルバー民主主義を謳歌(おうか)する高齢者に対して、カネもない、結婚もできない若者が「世代戦争」を仕掛けている。
× × ×
日本人は長生きになった。
古来中国では、人生を四つの季節で考えた。「青春」「朱夏」「白秋」そして「玄冬」と続く。「人生50年」の時代なら40歳から10年余りを「玄冬」と考えれば良かった。50歳を超えた高齢者は気力、体力の衰えを自然に受け入れ、やがて退場する「無言の合意」のようなものが存在した。
しかし、いまは違う。人間はなかなか死なない。
人生100年。「白秋」が50歳から75歳ぐらい? 「玄冬」は75から100歳? 昔なら「あの世」に逝った世代が「冬」を生きている。
70歳、80歳で死んだら「損をしたような気分」になり、90歳がテレビで「老後が不安だ!」と話す。医療の進歩が「長生き」を可能にした。その結果、国は貧乏になって立ち往生している。
国の台所を預かる麻生財務相が思わず「年寄りは先に逝ってくれ!」と本音を吐露したとしてもおかしくない。
× × ×
国民医療費の膨張が止まらない。
病気やケガで全国の医療機関に支払われた1年間の医療費の総額は2013年度に40兆円を超えた。
誰でも、命が救われるべきだ! という哲学は存在するが、事実上「誰でも救う医療」には限界がある。
「90歳になったら、すぐ死ぬべきだ」とは言わない。が、せめて「無駄な延命」を止めるべきだ!という意見は納得できる。
たとえば、胃ろう。十分なケアと感染症管理ができれば、少なくても2年ぐらいは延命できるが、その医療費は介護保険や医療保険から支払われる。胃ろうになると寝たきりになり要介護5になった場合、それだけで月々約35万円が介護保険から出る。それだけで年間400〜500万円が必要になる。
ともかく、医療費は膨れ上がっている。
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そのマイナスを誰が負担するのか?
一生の間に、日本人が国に払う税金、国から受け取る年金などのサービスを計算してみる。その収支は?
60歳以上は十分なサービスを受け4000万円プラス。このプラス分を勤労世代が負担し、その結果「今の20歳未満」は8000万円以上のマイナスになるとの指摘もある。
年寄りは恵まれ、若者は搾り取られる。この世代間の不公平をこのままにしてよいのか?
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緊急医療には年齢制限をかけるべきだ!という過激な意見を聞いた。救命救急センターに入れるのは75歳未満の患者のみで、年齢がそれ以上の人はお断りする。
事実上、75歳になったら「先に逝ってくれ!」とのお願いである。国民皆保険制度を守るためには、それしかない!と本気で思っている医療関係者も多い。
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それほど過激ではないが、人生終末期の不可避な死に対してまで命を救うべきなのか?と疑問に思っている。日本の人口に占める65歳以上の高齢者率は2030年には約32%に達する。介護、医療はもう限界だ。
シルバー民主主義を謳歌する高齢者と、恵まれない「次の世代」との戦争は、すでに起こっている。
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