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選挙に行き自分たちの力で明日の日本を変えるー(植草一秀氏)
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9th Jul 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
参院選の街頭での選挙運動は今日の8時まで。
明日、参議院議員通常選挙が投票日を迎える。
今回の選挙から選挙権年齢が18歳に引き下げられる。
18歳の国民も90歳の国民も50歳の国民も、すべて一人一票の参政権が付与される。
それでも選挙区の区割り、定数の影響で一人一票は確保されてない。
3倍の格差が残存しており、早急な是正が必要である。
民主主義の基本は、
「自分たちのことは自分たちで決める」
「すべての主権者が同等の決定権をもってものごとを決める」
ということだ。
だから一人一票であり、十分に討議を尽くした後は多数決で決定する。
これが民主主義だ。
英国で国民投票が実施されて、EU離脱が多数を占めた。
この決定を批判する者が多いが、それは基本的に民主主義を否定するものである。
衆愚政治
とか
究極のポピュリズム
と批判する人がいるが、民主主義は本質の部分でポピュリズムの特性を有する。
現代社会の問題は、政治が少数者に支配されていることにある。
少数の者が少数の者の利益を維持拡大するために政治が利用されてしまっている。
ここに現代社会の問題の本質がある。
少数の者が少数の者の利益を極大化することを目指し、
これを、民主主義の仕組みの中で実現しようとしている。
このなかで、民主主義の仕組みによって、
少数の者にとって望ましくない決定が示されると、狼狽し、その決定を
「悪の権化」
であるかのように装飾して情報流布を行うのだ。
二つの典型的事例を示そう。
一つは2009年の鳩山由紀夫政権の誕生だ。
この政権は日本の民衆が、日本の歴史上初めて、自らの意思と力で誕生させた
「民衆の民衆による民衆のための政権」
だった。
このときに、日本の支配者である少数勢力は狼狽し、動揺した。
その結果として、ヒステリックな鳩山政権攻撃が展開された。
このこと自体が、鳩山由紀夫政権の正統性を物語っている。
もう一つの事例が今回の英国民のEU離脱決定である。
経済を統合し、民衆を低賃金労働に追い込むことによって利益を極大化させようとする勢力にとって、
経済統合に反対し、英国が自主独立、我が道を進むという選択を示すことは、致命的な現象である。
「反グローバリズム」の大きなうねりが英国発で世界に広がることが十分に考えられるからである。
だからこそ、各国主要メディアが英国民のEU離脱判断を一斉に総攻撃した。
民主主義を尊重する限り、英国民の判断を頭ごなしに否定し切る姿勢そのものが、
民主主義の原理を否定する考えに通じていると判断される。
TPP批准阻止の官邸前行動で、かむろてつさんが、安倍政治の本質を鋭く指摘した。
安倍政治の本当の「三本の矢」は、
「戦争・弾圧・搾取」
であると述べた。
本質を鋭く抉り出す指摘だ。
憲法の内容を憲法改定の手続きも踏まずに変えてしまい、
日本を「戦争をしない国」から「戦争に積極加担する国」に変えてしまった。
安倍首相が目論む憲法改定は、国民の基本的人権を否定するものである。
そして、弱肉強食の政策を推進して、一握りの巨大資本の利益を限りなく増大させ、
一般の民衆を過酷な低賃金不安定労働に送り込む。
「平和・人権・平等」
の日本を
「戦争・弾圧・搾取」
の日本に変える。
これが安倍政治の本質である。
選挙をすると、全有権者の約4分の1が安倍政治に賛同の意を示す。
この勢力が日本を支配し続けるには、選挙に行く人数を一人でも減らし、
選挙に行く人々を騙してしまうことが必要だ。
メディアを使ってこれを実現してきたのが、この3年半だった。
この図式を打ち破るには、主権者が全員選挙に行って、
「少数の者のための政治」
ではなく
「すべての民衆のための政治」
を実現する勢力に自分の持つ一票を投じることが必要だ。
投票率が上がると、4分の1の勢力の重みは軽くなる。
「少数者のための政治」
を打破して
「私たち主権者のための政治」
を実現するには、すべての主権者が選挙に参加することが何よりも大事なのだ。
騙されてはいけない。
安倍政治の3年半で日本経済は確実に悪くなっている。
この重要事実をマスメディアが伝えない。
経済の成績を評価する一番わかりやすい数字は経済成長率だ。
この経済成長率で、安倍政権の成績は、あの民主党政権の3分の1なのだ。
「赤点」=不合格である。
株価と企業収益が良くなったと言うが、良くなったのは、企業全体の0.05%。
上澄みの上澄みだけである。
国民の大多数を占める労働者の所得はどうなったのか。
実質賃金指数という指標があるが、
安倍政治の2013年度、2014年度、2015年度の3年間連続して減少し続けた。
消費税大増税が実施され、実質所得は3年間で5%近くも減少した。
200万円の所得が190万円になってしまったということだ。
失業率が下がった、有効求人倍率が上がったというが、増えた雇用は非正規労働だけ。
正規労働は減り続けている。
経済が大きく沈むなかで、大企業の利益だけは史上最高水準を更新する一方で、
普通の労働者の分け前が大幅に減り、さらに、それを分け合う人数が増えたということなのだ。
それだけではない。
安倍政権は2014年10月31日に、国民の年金資産の運用方法を激変させた。
株と外貨資産への資金配分を激増させたのである。
株と外貨資産は価格変動の大きい「危険資産」である。
「危険資産」だから、国民の大切な老後資金である年金資産では、「危険資産」への配分を低く抑えていた。
それをいきなり65%にまで引き上げた。
ところが、2015年6月以降、ドルをはじめとする外国通貨は下落し始めた。
日本株価も20868円から15000円割れまで急落してしまった。
この結果、2016年前半だけで、株価下落と為替下落だけで、
16兆円もの損失が生まれている疑いが濃厚なのだ。
それだけではない。
日本政府はアメリカの命令でアメリカの国債を買わされている。
どれだけ買わされているかと言うと1兆2500億ドルだ。
1ドル=120円で換算すると150兆円。
国民の年金資産の合計よりも多い。
ドル資産だから為替リスクがある。
私は1ドル=120円になった昨年4月以降、
ドル高の間にこの米国国債をすべて売却するべきだと主張し続けた。
ところが、安倍政権は1ドルも売らなかった。
そうこうしているうちに、1ドル=100円になってしまった。
このドル安で、資産残高はあっという間に125兆円になってしまった。
安倍首相はGPIF=年金資産の時価総額が
2012年度〜2014年度の3年間で37兆円増えたと自慢しているが、
年金資産と政府の外貨資産の、株価下落と為替下落による損失は、
2016年前半だけで37兆円に達している疑いが濃厚なのだ。
こんなバクチ打ち政権が続いたら、国民の老後の生活は破綻が明白だ。
所得のない国民にまで8%の税率で消費税をむしり取っておいて、
ばくちと放漫運用で、半年に37兆円もの損失を生み出されたのではたまらない。
明日の選挙には、主権者全員が投票所に足を運び、
「安倍政治=NO!」
の意思を突き付けよう。
敵は主権者全体の4分の1に過ぎない。
主権者全体の4分の1以上が結束して行動すれば、必ずこの敵を打ち倒すことができる。
選挙に行って、自分たちの力で、明日の日本を変える。
これをやり抜くしかない。
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