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【参院選】「心地のいい言葉」で国民をダマす候補者たち〜このままでは民主主義は機能しなくなる! 古賀茂明「日本再生に挑む」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49088
2016.07.09 週刊現代 :現代ビジネス
■グーグル検索での驚きの結果
今週が最終回となりました。長年読んでいただき、ご意見や激励の言葉をいただいた皆さんに、心から感謝申し上げます。
最後に何を書くか迷いましたが、EU離脱を決めた英国の国民投票と、日本の民主主義について考えてみたいと思います。
英国では、離脱派がさまざまな「嘘」で有権者を「騙し」、誤った選択をさせたという批判が高まっている。再投票を求める声が、残留派だけでなく離脱派からも多数出ていることは、「騙された」と感じている有権者が、かなりいることを裏付ける。
嘘は、投票後すぐに露呈した。離脱派の急先鋒である独立党のファラージ党首は、英国がEUに支払っている1週あたり3・5億ポンド(約481億円)の拠出金を国民医療につぎ込めば、医療サービスが大幅に向上すると言っていたが、投票後、これは間違っていたと認め、撤回。同様に、保守党のジョンソン前ロンドン市長も、離脱すれば移民を完全にコントロールしつつ、EUとの自由な貿易は維持できて一石二鳥だと宣伝していたが、投票後、それは必ずしも正確ではなかったと、前言を翻した。
移民の急増に不安を感じている人々が多い地域では、移民さえいなくなれば自分達の職が増え、給料が上がると単純に信じて離脱に投票した人が多かった。だが、実際には、移民を完全にコントロールすることは困難だし、仮にそんなことをすれば、英国経済は大混乱に陥り、庶民の暮らしにも大打撃となる。
離脱が決まった直後、英国のグーグル検索ワードの首位になったのは、「EU離脱は何を意味するか」、そして、驚くべきことに、2位は「EUとは何か」。それさえ理解せずに投票した人がかなりいたということだ。
日本に目を移すと、いまは参議院選挙の真最中。こちらは英国の国民投票とは違い、争点が一つではなく多岐にわたる。たった一つでさえ理解して正しい選択肢を見極めるのは困難なのに、十指に余る問題を理解しろと言われても、普通の人には難しい。それを良く分かっている政治家は、有権者を「騙す」テクニックに磨きをかける。
ある自民党議員の政見放送を聞いていて、思わず呆れた。自民党が重視している憲法や安保の問題には一言も触れず、すべての時間を経済問題に割いた。しかも、耳に心地のよいバラマキ政策ばかり。同様に、ほとんどの候補者は甘い言葉を囁くだけで、有権者には違いがわからない。これでは、たまたま聞いた政見放送や演説で耳にしたバラマキ政策や、さも弱者を思いやっているかのような優しげなフレーズに騙されて投票する人が、たくさん出てしまう。
一方で、「騙されない」有権者からすると、嘘八百の公約を聞けば聞くほど、馬鹿らしくなり、投票に行くのを止める。選挙後には、多くの「騙された」人々が失望し、「騙されない」人々に進化する。「どこに投票しても変わらない」と、政治に絶望する層が、また増えるということだ。
こうして投票率は下がり続け、民主主義は機能しなくなる。日本はいま、その坂道を転げ落ちていくところだ。何とか、歯止めをかけるために、自分にできることは何か。自問自答の日々に、終わりが来ることはない。
『週刊現代』2016年7月19日号より
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