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巻頭特集 地殻変動は起こるのか <第2回>流布されている与党優勢の選挙情報は古い
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185122
2016年7月6日 日刊ゲンダイ 文字起こし
本当は笑っていられない(C)日刊ゲンダイ
4.いま堅い選挙区はどこなのか、流動化しているところはいくつあるのか
「自民単独過半数うかがう」「改憲勢力3分の2確保の勢い」――メディアは一斉にこう報じているが、本当にそうなのか。当の自民党は楽観どころか、むしろ慌てているという。
「最終盤の情勢調査を受け、執行部が残り1週間のテコ入れ選挙区を検討しました。北関東、北陸、山陰、中国、大分を除く九州の議席は堅い。しかしそれ以外は依然、大接戦です。東北では秋田以外、軒並み劣勢で、当初は先行していた青森で逆転されています」(自民党関係者)
1人区では野党が統一候補に絞り込んだ効果が出ている。自民に勝ち目がないとみられているのは、岩手、山形、沖縄。長野も野党に大きく先行を許している。宮城、福島、新潟、山梨、三重も大激戦にはなっているが劣勢だ。
終盤になって野党に追い上げられているのが青森、愛媛。現状は自民が優勢ながら、流動化していて最後まで分からない選挙区は秋田、岐阜、滋賀、徳島・高知、大分の5つもある。
複数区も自民が2人擁立したところは、いずれも2人目が当落線上にいる。
「東京、神奈川、千葉の2人目は何とか最終議席を争っていますが、北海道の2議席目は、ほぼ絶望的です。北海道は安倍総裁の応援遊説が、公示前と公示後で2度もキャンセルになったのが痛い」(前出の自民党関係者)
■終盤になって世論のムードはジワジワ変化
激戦選挙区がこれだけあれば、投票率次第で次々と当落が逆転する可能性がある。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「全体的に見ると1人区中心に野党が健闘し、比例は野党が統一名簿を作れなかったため、相対的に自民が強いという構図です。ただ、参院選は公示から投票日まで期間が長いので、少しずつムードが変わってきているように思います。ターニングポイントはメディア各社が『改憲勢力3分の2を確保』と一斉に報じたこと。与党を大勝させていいのか、という意識がジワジワと有権者に広がってきた。例えば『報道ステーション』の世論調査。『投票に必ず行く(すでに投票した)』という回答が、前回(6月18〜19日)は63%だったのが、今回(7月2〜3日)75%まで増えていました。投票率が上がれば、自民が最も逆風を受けることになります」
投票日まで残り4日。まだまだ激変が起こり得るのである。
黒田日銀総裁(C)日刊ゲンダイ
5.「選挙まで隠せ」密かに囁かれる黒田更迭論の深刻
日銀が4日に発表した6月の「企業の物価見通し」は、1年後の物価上昇率が0.7%だった。3カ月前から0.1ポイント下がり、4四半期連続の低下。過去最低も更新した。もはや企業も、物価が上がるとは思っていないし、黒田バズーカの効果を信じていない。
多くの有権者がアベノミクスの失敗に気付いてきたが、併せて黒田日銀の惨状にもしっかり目を向けた方がいい。あの強気一辺倒の黒田総裁が先月20日の講演で、2%の物価上昇目標について「2年程度での実現はできなかった」と、自ら失敗を認めざるを得なくなったのである。
メディアもどんどん厳しい論調になり、日経新聞は5日、〈緩和効果に懐疑論も〉と書いた。朝日新聞も5日、編集委員のコラムで、日銀が2%の物価上昇目標の期限を当初の2年から延々5年まで延長したことを第2次大戦での旧日本軍になぞらえ、「ついにインパール作戦に踏み込んだ」と複数の経済専門家が指摘していると書いた。敗色濃厚にもかかわらず、起死回生を狙って大規模作戦を仕掛け、戦死者を増やしてしまった無謀な作戦のことだ。
その経済専門家のひとり、東短リサーチ・チーフエコノミストの加藤出氏はこう話す。
「旧日本軍を分析した書籍『失敗の本質』によると、日米開戦の見通しを問われた山本五十六・連合艦隊司令長官は、『短期決戦ならまだしも、中長期では米軍には勝てない』と言っていたのです。ところが短期のつもりが中長期化し、プランB(代案)がないまま、戦局が不利になってもずるずる行ってしまった。日銀の2年で2%というインフレ目標も、短期決戦を目指した政策でした。しかし達成できず、すでに4年目に入った。プランBでの対応と、戦略の見直しが必要な局面に入っています」
このままでは黒田日銀が、旧日本軍と同じように最悪の悲劇を招くことになりかねない。だが、選挙中の今は、そうしたマイナス材料は少しでも隠しておきたいというのが安倍政権だ。「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」なんて、選挙をしのぐための口実でしかない。
「選挙後に黒田総裁にすべてを押し付け、更迭して、政策転換を図る」─―。閣内ではそんな極論まで密かに囁かれている。
小沢一郎も応援(左は山本太郎)/(三宅洋平事務所提供)
6.与党が恐れる東京選挙区の三宅洋平の爆発力
改選6議席に31人が乱立した東京選挙区。政党やメディア各社の情勢調査では、民進・蓮舫、自民・中川雅治、共産・山添拓、公明・竹谷とし子の4人はほぼ当確。残り2議席を自民・朝日健太郎、民進・小川敏夫、おおさか維新・田中康夫の3人が競っている。
だが、都内を歩き回って選挙取材している記者の多くは、この情勢に懐疑的だ。なぜ、無所属の三宅洋平が泡沫扱いなのか。一般紙やテレビは三宅を全く取り上げないが、例えば公示翌日のスポニチは〈東京選挙区“万馬券”三宅氏「フェス」で支持拡大へ〉という見出しで、次のように報じていた。
「レゲエ調の音楽に合わせて演説。脱原発や安倍政権が目指す憲法改正の阻止を訴えた。自民、民進が2議席目の決め手に欠く中、6議席目に滑り込む“穴馬”として注目されるのが三宅氏だ」
三宅は3年前の参院選に緑の党から比例で出馬し、落選候補最多の17万票超を獲得した。その時と同じ、音楽と演説を融合させた「選挙フェス」は公示日初日から人だかりで、連日どんどん集客は増え、先週2日(土曜)は渋谷・ハチ公前を1万人が埋め尽くした。公明党の支持母体の創価学会の会員まで飛び入りで参加し、三宅支持を訴えたのだ。
■新しい政治をやってくれそうな期待感
この盛り上がりは何なのか。選挙フェスを何度も取材しているジャーナリストの横田一氏は、三宅の爆発力をこう分析する。
「まず、小泉進次郎衆院議員に匹敵する演説のうまさがあります。山本太郎参院議員が全面支援していますが、三宅さんの演説を聞いていると、当選したら2人で国会で、新しい政治をやってくれるのではないかという期待感が膨らむ。選挙フェスには安保法制反対の国会前集会の時のように、識者も参加していて、政治への無関心層を取り込む吸引力もあります」
4日の立川駅には、生活の党で山本と共同代表を務める小沢一郎も応援に駆け付け、「政治のプロは必要ない。本当にみんなの気持ちが分かって、ひたむきに進んでいこうという人が必要なんです」と演説、歓声が上がった。
三宅の選対チームは、ボランティア中心ながら、公示日に全ての掲示板にポスターを貼った。会場でカンパを集め、公選ハガキへの協力を呼びかけるなどして、選挙に行かない無党派層に熱伝導のように支持を広げている。
まさに、最後の1週間で驚異的な伸びを見せ、東京選挙区で66万票を獲得した3年前の山本太郎の選挙とそっくりだ。政党はその再現を恐れているから、三宅の存在を無視し続け、一般紙やテレビも同調するのだが、三宅の演説の動画は、ユーチューブですでに40万回以上再生されている。あっと驚く結果が出る可能性がある。
(あすにつづく)
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