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防衛費は「人殺し予算」、出るべくして出た藤野発言
本当は自衛隊を解体させたい共産党
2016.7.5(火) 筆坂 秀世
自衛隊側面支援に全力=米国防総省
熊本県南阿蘇村で、地震による土砂崩れに巻き込まれた地区で行方不明者を捜索する自衛隊員(資料写真、2016年4月18日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News〕
共産党の藤野保史政策委員長が、6月26日のNHK討論番組で防衛予算について、「人を殺すための予算」と発言し、事実上の解任に追い込まれた。こんな発言をする人間が政策委員長だったとは、驚くほかない。
なぜなら、これは政治家の発言ではないからだ。軍隊が人を殺傷する能力を持っていることは、誰でも知っている。自衛隊を含むどの国の軍隊もそうだ。だからといって世界各国の軍事予算を「人殺し予算」と呼ぶだろうか。そんな情緒的な批判をする政治家はいない。
主権国家である以上、その主権を守るために軍隊は不可欠である。このことは、長らく共産党も認めてきたことである。
共産党の安全保障論は、長らく「中立・自衛」が基本であった。「中立」というのは、いかなる軍事同盟にも参加しないという立場である。「自衛」とは、日本独自の自衛力を保持し、その力によって国の安全保障を実現するという立場である。言うまでもなく軍隊は不可欠というのが、もともとの共産党の立場だった。
ところが、ほとんど党内議論もなく、今日ではかつての社会党と同じ「非武装・中立」論に転換している。おそらく党員でも、こうした変遷を知っている人間は数少ないだろう。そもそも共産党の中で、安全保障論が真剣に議論されたことはない。これほどの大きな政策転換すら、党内での議論はまったくなかったと言ってよい。
憲法ですら、いつのまにか改憲論から護憲論に変わってしまった。これについても党内で、喧々諤々の議論はなかった。だからこそ、憲法制定議会で9条に反対した唯一の政党が共産党であったにもかかわらず、恥ずかしげもなく「9条は世界の宝」などというプラカードを掲げるのである。
安全保障法制についても、「海外で人を殺し、殺されるもの」などという、情緒的な批判を繰り返してきた。
こうして軍とか、軍事というものを忌避する空気を党内に蔓延させてきた。この結果が、藤野発言なのである。
だから藤野発言に対して、共産党熊本県委員会の日高伸哉委員長の「不用意な発言だったが、誤解だ。言葉尻をとらえての攻撃には断固反対だ」とか、佐賀県委員会の今田真人委員長の「言葉足らずだったかもしれないが、発言に問題は全くない」などの発言が出てくるのである。そう言えば、自衛隊関連の学校に対して、「人殺しを教える学校」と発言して、謝罪に追い込まれた市議会議員もいた。
無責任な共産党の自衛隊論
選挙戦の中で、共産党に対して「共産党は自衛隊が“違憲の軍隊”だと言っているが、そうなら自衛隊をすぐに解消するということか」という趣旨の質問がなされると、共産党は次のように回答している。
“自衛隊は憲法違反である。9条の完全実施を目指すが、完全に解消するには相当な時間を要する。国民多数によって自衛隊は必要ないという合意がなされてからだ。そもそも自衛隊は自民党政治が生み出した矛盾だ”
実に無責任な論理である。「もう自衛隊は必要ない」というような国民合意が、そもそもできるのだろうか。いったい何十年先、否、何百年先の展望なのか。これでは、憲法違反の状態を半永久的に続けていくと言っているのと同じである。
「自衛隊の解消には国民合意が必要」というが、だったら安保法制はなぜ「即時廃止」なのか。安保法制だって国民合意が必要なはずだ。なぜ自衛隊は半永久的に維持し、安保法制は即時に廃止なのか。
また、共産党は「立憲主義を守れ」とも言う。この点は、安倍首相も志位委員長を追及していたが、安保法制が憲法違反で立憲主義を破っていると言うのなら、共産党から見てやはり憲法違反の自衛隊をなぜ同様に批判しないのか。
共産党は自衛隊が「自民党政治が作り出した矛盾」と指摘するが、安保法制も自民党政治が作り出したものである。要するに、本来、共産党にとっては、自衛隊と安保法制を区別する理由など何もないはずなのだ。
では、安保法制と自衛隊の決定的な違いは何か。安保法制への反対は国民から受けると考えているが、自衛隊の即時解消は大きな反発を受けると思っているからだ。要するに、選挙目当てだけなのである。
しかも共産党は、急迫不正の侵害があれば、国を守るために自衛隊を活用するという。自衛隊員に国を守るため、自衛隊員に命を賭けさせ、場合によっては敵を殺すことも命じるというわけである。日頃は、“人殺し集団”のように扱いながら、いざとなれば身命を賭して戦え、こんなご都合主義があるだろうか。
自衛隊を機能不全に陥らせる共産党の提案
藤野発言の収拾に大わらわの共産党は、防衛予算について苦し紛れの弁明を行っている。
6月30日付の「赤旗」には、「共産党は軍事費 どう考える」という記事を掲載し、「安倍政権の下で軍事費を押し上げる主な原因となっている海外派兵型の兵器購入費を削減し、社会保障や子育てなど、暮らしの分野に振り向けるよう求めています」「軍事費の42.5%は自衛隊員の給与などに充てられる人件・糧食費ですが、人件費を削ったり、軍事費そのものをなくしたりするよう主張したことは、一度もありません」などと述べている。
削減する海外派兵型の兵器として、F35ステルス戦闘機、V-22オスプレイ、イージス艦などを挙げている。なぜこれが「海外派兵型」なのかと疑問に思っていると、記事には次の一節もしっかり書かれていた。「もちろん兵器自体に『海外派兵型』や『国内型』などの区分があるわけではありません」 笑うしかない。単なるこじつけに過ぎないということだ。
だがこの記事には、大嘘がある。例えば、人件費を削れと主張したことは「一度もありません」としているが、「軍事費半減」という主張は何度も行ってきた。人件費が4割を超えている状況で軍事費を半減すれば、人件費しか残らなくなって、国の防衛どころか、災害出動もままならない事態となり自衛隊は機能不全に陥ってしまう。こんな主張を何度も行ってきた。
共産党の中央委員会発行の『日本共産党の政策 1985年版』には、次のような政策が掲げられている。
「自衛隊経費の大幅削減」の項では、「F15戦闘機、P3C対潜哨戒機、ミサイル護衛艦など、正面装備費は全額削除します。『継戦能力強化』のため急増させられている弾薬費も大幅に削減します」としている。
さらに「自衛隊員の削減」の項では、「軍事費全体の4割強を占める人件・糧食費も縮小の方向に転じさせます」とある。
ほとんど自衛隊解体に近いぐらいの提案を行ってきたのである。この当時の防衛費が約3兆円であり、この共産党の提案では、「軍事費を1兆4000億円以上削減することができます」と述べている。「軍事費半減」というのは、やはり自衛隊を機能不全に陥らせるものだということである。
また、「自衛隊基地の撤去」という項では、「全国2800カ所以上にのぼる自衛隊基地・施設のあらゆる強化に反対し、自衛隊基地・施設を撤去します」とある。
これはもう自衛隊解体計画と言うべきである。これが共産党の本来の立場なのである。そして、このどこにも安全保障論はない。
なぜこうなるのか。共産党は、自衛隊をその成立の経過などもあり、「対米従属の軍隊」だとしてきた。また「国民弾圧の軍隊」であり、「憲法違反の軍隊」だとも位置付けてきた。共産党から見れば、まさに“三悪軍隊”なのである。その意味では、藤野発言は、共産党自身のこれまでの政策と体質が必然的に生み出したものに他ならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47263
従属国家の状態から真の主権独立国家に転換する
中心は安保条約の廃棄
●日米安保条約を国民の総意で廃棄して、独立・自主・非同盟の日本に道筋を切り替える。そして、平和の憲法をいかして、世界から信頼される、自分の足で立った平和の外交に転換する。私たちはこの切り替えこそがいま日本がぶつかっている大きな大変革の一つになると考えています。(日本共産党創立81周年記念講演)
天皇制
日本共産党の基本的態度
現在の憲法のもとでは天皇制と共存
目標としては天皇制をなくす立場に立つ
天皇制のない民主共和制をめざす
●日本の国の制度、政治の制度の問題としては、一人の個人が「日本国民統合」の象徴になるとか、あるいは一つの家族がその役割をするとか、こういう仕組みは民主主義にもあわないし、人間の平等の原則にもあわないと考えています。ですから将来の日本の方向として、どういう制度をとるべきかということをいえば、天皇制のない民主共和制をめざすべきだというのが日本共産党の方針であって、この点に変わりはありません。(日本共産党創立81周年記念講演)
自衛隊
自衛隊は段階的解消
●第二十二回党大会で、「自衛隊問題の段階的解決」として、安保条約廃棄前の段階、安保条約を廃棄して軍事同盟からぬけだした段階、国民の合意で憲法九条の完全実施にとりくむ段階と三段階にわたる解決策を明確にしました。このことを、簡潔に要約したうえで、綱領の上で明記したものであります。(不破議長の7中総での報告)
●私たちは、三年前の党の大会で、自衛隊については、「段階的解消」という方針を決めました。軍縮などの措置はすぐにとりかかることができるでしょう。何しろ今の日本は、憲法第九条で軍隊を持ってはいけないことになっているのに、軍隊に使っている軍事費は、アメリカに次いで世界で二番目、そこまで大きな軍隊を持つ国になってしまっているのですから、その流れを、軍備拡大から軍備縮小に切り替える、この仕事にとりかかることが大事です。
そういうことをやりながら、アジアの平和な関係を築く努力を最大限にやる。東南アジアでは、どんな国際紛争も武力ではなく平和な話し合いで解決しようということが、東南アジアのすべての国の合意になっています。そういう合意が北東アジアに広がり、アジア全体に広がってゆくなかで、私たちが憲法第九条を条文どおりに具体化しても、アジアの国ぐにとちゃんと安心して平和に生きていけるような、そういう状態をつくりあげることができます。その努力を日本が先頭に立ってやる、こういうなかで、憲法の完全実施に向かって一歩一歩前進していこうじゃないか、こういう方針を三年前の大会で決めました。(日本共産党創立81周年記念講演)
自衛隊は違憲の存在
●日本の憲法第九条には、日本は戦力を持たない、それからまた、武力行使はしない、武力による威嚇もしない、国際紛争の解決に武力は使わない、こういうことが明記してあります。 この条項に照らしていえば、自衛隊をもっとも強く擁護する人でも、いまでは自衛隊が戦力であることを否定する人はいません。その点からいっても、いまの自衛隊のあり方、ついに海外派兵までやるようになった現状が憲法違反であることは明らかであって、自衛隊を違憲の存在だとするわれわれの立場は少しも変わりません。(日本共産党創立81周年記念講演)
http://www.jcp.or.jp/jcp/22th-7chuso/key-word/b_1.html
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