http://www.asyura2.com/16/senkyo208/msg/671.html
Tweet |
勝つまでやるのか 負ける博打を続ける泥沼アベノミクス
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184803
2016年7月1日 日刊ゲンダイ 文字お越し
やっていることはポピュリズムそのもの(C)日刊ゲンダイ
不気味な「凪」だ。英国のEU離脱ショックから1週間。参院選の投開票日に近づくにつれ、株式市場はピクリとも動かなくなってきた。
今週の東京株式市場はほぼ無風状態で、30日の終値も9円09銭高の1万5575円92銭と、小幅ながら4日続伸。先週24日に離脱ショックが直撃し、値幅の高低差が1525円に達したジェットコースター相場に震撼したのが、ウソのような穏やかさだ。
「離脱交渉開始は英国の新首相誕生後の9月以降。期間も2年がメドと長丁場で、すぐに悪影響は及ばないと世界のマーケットが落ち着きを取り戻したのが大きい」との指摘は株式評論家の杉村富生氏だ。こう続ける。
「海外の投機筋が日本株を売り込むにも“玉不足”。最大6兆円に膨らんだ信用買い残は1兆円台まで減ることもあり、この規模なら年金基金など公的マネーを投じれば、十分に押し戻せます」
株式評論家の倉多慎之助氏は「個人投資家が1ドル=100円の壁は簡単には崩れないと確信し、株価は“今が底値”と判断。個人の大量買いが入って底を打った感がある。マイナス金利のおかげで、利回り5%台はザラの株式運用はますます魅力的に映る。ましてや公的マネーが株を買い支えていれば、なおさら安心です」と分析した。
この間、日銀は24日と28日にそれぞれ350億円を投じ、ETFを買い入れた。年金基金やゆうちょマネーからも、かなりの額の買いオペが入ったはずだ。相場格言の“選挙の前に売りなし”を地で行く相場で、参院選の投票日までは手段を選ばず株価を維持させたい。そんな安倍政権の執念すら感じるのだ。
■日銀の国債買い入れ頼みのバラマキ策
公的マネーの株価維持策に呼応するように、自民党内から大型景気対策を求める声が強まっている。二階俊博総務会長は安倍首相に総額20兆円の経済対策を講じるよう提言。〈英国EU離脱決定で、世界的な金融市場の混乱が不可避となった。「リーマン・ショック級の危機」が顕在化しかねぬ状況に至った〉とものものしい表現で巨額の財政出動を迫ったが、具体策といえば毎度おなじみ、防災・減災対策の「国土強靱化」の公共工事や、プレミアム商品券などのバラマキ策だ。
二階の提案には目先の参院選の勝利のため、「少しでも票につながれば」という浅ましい魂胆がにじみ出ているが、20兆円もの財源をどこから捻出するのか。
安倍政権は人気取りで法人税減税を打ち出し、消費税増税も2度にわたって延期した。「新しい判断」による税収不足のせいで、社会保障の充実策は諦めるしかないのに、20兆円ものバラマキとはア然だ。官邸の金庫には振れば大金が飛び出す「打ち出の小槌」でも隠してあるのだろうか。
安倍官邸にとっての「打ち出の小槌」の正体とは、黒田日銀の国債買い入れ。異次元緩和の3年余りで日銀の国債保有額は370兆円を突破。全体の3分の1を超えたが、選挙目当ての大型経済対策も日銀の国債買い入れで賄う気だろう。
まるで日銀のカネを空から国民にバラまく「ヘリコプターマネー」で、いつ禁じ手の財政ファイナンスと見なされてもおかしくない。英国の国民投票を機に日本のメディアは反EUのポピュリズムを一斉に批判しているが、安倍政権のやっていることこそ究極のポピュリズムそのものだ。
党首討論ではムキになって反論(C)日刊ゲンダイ
戦後70年が紙屑と化すヘリコプターマネー
しょせん、英国のEU離脱を口実にした景気対策は付け焼き刃。10兆円、20兆円とバナナの叩き売りのごとくバラまいても、アホノミクスを止めなければ、死に金として消えるのみだ。
ハッキリ言ってアホノミクスのトリクルダウン政策は成功や失敗で片づけられる次元の問題ではない。ハナから成立し得ない「無理論」で、その事実は理論経済学の大御所、京大名誉教授の伊東光晴氏が、かつて本紙に寄せたコメントでこう言い尽くしていた。
「なぜ、(異次元緩和で)通貨量を増やすと物価が上がるのか。何の関係もないし、意味もない。物価は需給関係で決まるのであって、通貨量とは関係ない。加えて、物価が上がることがなぜ、好景気になるのか。物価が上がらず、売り上げの数量が増えることが大事なのは言うまでもありません」
むしろ、ちっとも実現しない黒田日銀の「2%の物価目標」という“脅し”が、消費者の購買意欲を萎縮させている。内閣府の消費動向調査によると、13年4月の異次元緩和のスタートから、1年後の物価見通しは「上昇する」との予想が80〜90%台に張りついたまま。05年当時の「上昇」は44%、野田政権の最後でも60・6%だったから、リフレ派の説く「インフレ期待」はとうに起きている。
経済評論家の斎藤満氏はこう言った。
「要するに大半の国民は物価上昇に不安を覚え、ムダな買い物を控えた結果、消費が低迷したのです。物価目標のアナウンスが景気を後退させ、所得は増えず、実質賃金はマイナス続きの悪循環を生み出した。しかも、緩和策の失敗を認めたくない黒田日銀は今度はマイナス金利に打って出たから最悪です。いくら日銀が否定しても、実質賃金が先細りのうえ、預金金利までマイナスになるのでは、と更なる不安をあおる結果となる。ますます消費が冷え込むのは言うまでもありません」
日銀の異次元緩和の愚かさこそ、異次元レベルということだ。
■国民は先の大戦と同じ負け戦の渦中にある
アホノミクスは経済政策というよりも、“信じる者は救われる”のインチキ宗教と同じ。選挙演説で「今こそアベノミクスのエンジンを最大限にふかす」と連呼する安倍は、さながらイカサマ教祖だ。
アベノミクスの成果が表れないのは、まだアベノミクスが足りないからだという論法は、博打に勝つまで賭け金を積み続ければいいという狂気さえ感じさせる。
「アベノミクスを批判されると、安倍首相は『3年で110万人の雇用を生んだ』と常に食ってかかりますが、問題はその内訳です」と、前出の斎藤満氏はこう言う。
「実際は正規雇用が36万人減る一方で、非正規雇用が167万人も増えた。その結果、雇用に占める非正規の割合は12年の35%から足元では約4割に達し、その数は今年初めに2000万人を突破しました。非正規雇用の平均年収は169万円で、正規雇用の3分の1に過ぎません。安倍政権の掲げる『1億総活躍』『女性が輝く社会』も、賃金が減っても夫婦で働けば何とかなるだろうという欺瞞が透けて見えますが、年収169万円の所得水準では結婚もできない現実がある。こうしたリアルな国民生活を直視せず、負けを認めたくない一心で、ムキになって反論する安倍首相の姿は異常です」
アホノミクスを糊塗するため、国債をどんどん発行し、日銀にひたすら買い取らせる。安倍政権のヘリコプターマネーは早晩、政府と中央銀行の信用を失墜させ、ハイパーインフレを招きかねない。戦後70年かけて国民があくせく働いて積み上げた虎の子の資産が、アッという間に「紙屑」となってしまう。
前出の伊東光晴氏が22日付の東京新聞のインタビューで語った言葉を、参院選の投票前にぜひとも肝に銘じて欲しい。
「行き着くところまで行かないと止まらないのが日本だ。第2次大戦と同じ。私は18歳で終戦を迎えた。父は家では『こんなばかな戦争して』と言っていたが、外では言わなかった。国民全体がそうだった。いまの日本も国債の信用がなくなり、金利が上昇し、財政破綻するところまでいってしまうだろう」
国民は今まさに“負け戦”の渦中にあることに気付く必要がある。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK208掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。