http://www.asyura2.com/16/senkyo208/msg/629.html
Tweet |
「慰霊の日」の朝、戦争犠牲者の名前が刻まれた「平和の礎」の前に座り込んで手を合わせる人たち。今年は新たに84人の名が加えられ、刻銘者は24万1414人になった/6月23日、沖縄県糸満市 (c)朝日新聞社
自公不参加でも翁長知事が強気になれた理由〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160629-00000231-sasahi-pol
AERA 2016年7月4日号
「海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小、新辺野古基地建設阻止に取り組んでいく不退転の決意を表明する」
沖縄県の翁長雄志知事は6月19日の県民大会でこうあいさつ。公式の場で米海兵隊撤退に初めて言及した。
今回の県民大会は、翁長知事を支える社民や共産などの県政与党や企業関係者らでつくるグループが主催。自民、公明などは「海兵隊撤退」を盛り込んだ大会決議案などに反発し、参加を見送った。このため、3米兵による少女暴行事件に抗議した1995年の県民大会のような「超党派」の体制は築けなかった。一方で、主催者の政治スタンスが拡散しなかったことで、思い切った決議採択につながったとも言える。
そこで注目されるのが、翁長知事の今後だ。これまでの知事の公約には、名護市辺野古の「新基地建設阻止」はあっても、海兵隊撤退までは求めていなかった。「全基地撤去よりは弱いが、知事の公約を超える」(県幹部)この新要求を、知事はどう扱うのか。
●海兵隊撤退は民意集約
翁長知事は大会終了後、「海兵隊撤退の中には(中略)県民がそれぞれ持っているものが集約されている」と記者団に説明した。海兵隊撤退要求は、海兵隊が使用する普天間飛行場の代替施設となる辺野古基地建設の阻止だけでなく、自民党が掲げる「米軍基地の整理縮小」や、公明党沖縄県本部が主張する普天間飛行場の「県外・国外移設」要求とも矛盾しない。したがって、県民の総意を包含する、との認識だ。
沖縄県議会が5月、「在沖米海兵隊の撤退」を求める初の決議を採択したことが、翁長知事のスタンスを「海兵隊撤退」に踏み切らせるきっかけになる、と本誌6月20日号で予測していた沖縄の政治アナリスト、比嘉良彦氏はこう解説する。
「県民大会に自民・公明が参加しないことを最も気にかけていたのは知事です。しかし、自公不参加でも大会の成功を確信し、自信をもって『海兵隊撤退』に言及できる、と判断したのです」
●政府は「県全体でない」
これに対し、政府の姿勢は依然、冷淡だ。菅義偉官房長官は県民大会の翌日、自公などが参加していないことを理由に、こうコメントした。
「よく県全体(の大会)という話がされるが、それはまったく当たらない」
ただこれは、沖縄の県民感情をまったく理解していない発言だ。
95年の県民大会以降、日米両政府は「基地負担軽減」や「事件事故の再発防止」を繰り返し唱えてきたのに、十分な成果を上げていないことへのいら立ちを沖縄県民は広く共有する。
また近年は、米側が再三にわたって在沖米海兵隊の撤退を検討していたことや、それが実現してこなかった要因として日本政府が引きとめていた実態が、研究者が発掘した資料で浮き彫りになっている。
にもかかわらず、本質とはかけ離れた部分で「対抗」する姿勢では、県民の理解が得られるわけがない。
とはいえ、県民大会については、在京メディアの扱いも大きく分かれた。ジャーナリストの大谷昭宏氏はこう指摘する。
「自公が欠席し、一部の党派が主催する、しかも参院選の公示日を目前に控えたタイミングで開かれる大会を大きく取り上げると、『公平性を担保できない』という大義名分を、私は認める気はないが一部のメディアの側に与えてしまった」
問われているのは、政権の意向を忖度(そんたく)し、沖縄で起きている民意のうねりを過小評価する一部メディアの姿勢だ。沖縄との紐帯がかつてないほどほころんでいる今、本当に「本土」は無関心のままでよいのか。
●本土も「第二の加害者」
県民大会の会場で一段と大きな拍手がわき起こったのは、壇上で玉城愛さんがこう訴えたときだった。
「安倍晋三さん、日本本土にお住まいの皆さん。今回の事件の第二の加害者は誰ですか? あなたたちです。しっかり沖縄に向き合っていただけませんか」
6月22日に公示された参院選で、沖縄選挙区は、自民現職で沖縄担当相の島尻安伊子氏(51)=公明推薦=と、辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」を掲げる新顔の伊波洋一氏(64)の事実上の一騎打ちになっている。
党中央とは異なり、辺野古移設に「反対」の姿勢を貫く公明党沖縄県本部は、自民とともに県民大会への参加は見送ったものの、大会前日には被害者を追悼し、事件に抗議する独自の1500人規模の集会を那覇市内で開催した。
沖縄の公明党関係者はこう本音を漏らす。
「辺野古移設推進を唱えてきた島尻氏と積極的に共闘したいという沖縄の公明党関係者はほとんどいません。でも、比例区で票を伸ばすには保守系の票に分け入っていくしかないのです」
公示翌日の「慰霊の日」に開かれた沖縄全戦没者追悼式。翁長知事は平和宣言で、辺野古移設に改めて反対を表明した上で、昨年にはなかった「米海兵隊の削減」に触れた。県主催の追悼式ということを考慮してか、県民大会のように「撤退」までは言及しなかったものの、沖縄の米軍基地面積の7割強を占める海兵隊が問題の核心であることを強くにじませた。
一方、追悼式に参列した安倍首相は、基地負担軽減という一般論に終始し、翁長知事の要求には直接答えなかった。
辺野古移設問題では、国地方係争処理委員会が6月17日、委員会としての判断を下さず、政府と県の話し合いによる解決を求める異例の決定をした。それに対して菅官房長官は会見で、翁長知事に提訴を促すなど、「対決」姿勢を崩していない。
前出の比嘉氏は参院選をこう位置づける。
「選挙の勝敗はこれまでの総決算。言い訳は通じません。敗れた方はすべて終わりです」
(編集部・渡辺豪)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK208掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。