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応援演説で「アベノミクスは成功しつつある」と訴える安倍首相(C)日刊ゲンダイ
改憲派で3分の2議席をかすめとる作戦に暗雲 永田町の裏を読む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184600
2016年6月30日 日刊ゲンダイ
先週の本欄では、「自公の3分の2超はない」という前提で、「自公の安定過半数確保から単純過半数割れまでの大きな振幅の間」で選挙戦が展開されるだろうと予測した。ところが、その数日後、序盤の情勢を伝えた各社の報道は「改憲勢力4党で3分の2をうかがう」というものだった。
驚いて、某社の選挙チーム責任者に聞くと、「確かに、ちょっと前まではどちらに転ぶか分からない情勢だったが、選挙戦に入る直前から自民党の勢いが増していて、32の1人区でも競り合ってはいるが自民がやや優勢というところが増えているし、複数区でも最後の議席を争っているのが民進と共産というケースが多い。それが全部、自民にとっていい方に傾けば、改憲4派で3分の2も夢ではない」と言う。
そこで今度は自民党関係者に感触を確かめると、「とんでもない。あんな報道は虚偽というより、マスコミの陰謀ですよ」と声を荒らげる。
「だってそうでしょう、『3分の2をうかがう』なんて大見出しを立てられたら、自民党支持層は安心して足が止まるし、改憲アレルギーが強い野党支持者は危機感を持って、何とかして安倍政権にストップをかけようと奮い立つでしょう。無党派層も、安保法制に反対、ましてや改憲には反対という人が多いので、『これはちょっと、投票に行かないとまずいな』とムックリと起き上がってしまう。大迷惑、大ピンチですよ」と言うのである。
どちらが本当かは分からない。こういう予測報道には「アナウンス効果」があって、それを見て人々の意識が流動し投票行動に変化が生じるということが起きる。次はおそらく、投票日の数日前に各社が「終盤戦の情勢」を報じるだろうが、それがどういう大見出しになって、有権者の実際の投票にどんな影響を与えるのかは予断を許さない。今のところは、すべてが自民に有利に傾けば3分の2達成もあり得るし、すべてが逆に振れれば自公過半数割れもないではないという、一層大きな振幅の間でみておくしかなさそうだ。
とはいえ、ここへきて、英国のEU離脱ショックで世界経済が大変動、予想を超えた株安・円高が続いているのは与党にとって大きなマイナス要因で、「アベノミクスは成功しつつある」という自公の訴えは、ますます説得力を失いつつある。経済を前面に出して改憲に必要な3分の2議席をかすめとろうという安倍晋三首相の作戦に暗雲が漂っているのは確かである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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