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中国が南シナ海問題で常設仲裁裁判を拒否する理由がわかったー(天木直人氏)
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29th Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
南シナ海の領有権をめぐる中国の態度はあまりにもかたくなに見える。
フィリピンが紛争を常設仲裁裁判所に付託した時の猛反発もそうだったが、
ついに判決が近づいて来たら、それを断固拒否すると公言するに至った。
さすがに、これは言い過ぎ、やり過ぎだろう。
そう思っていたが、発売中のニューズウィーク日本語版最新号の記事を読んで、なるほどと思った。
日本政府が判決を捻じ曲げようと走り回っているというのだ。
柳井俊二という元外務官僚が仲裁裁判の判事の一人として判決を歪めているというのだ。
これについて解説するとこうだ。
常設仲裁裁判所の裁判官は、各国があらかじめ指定する裁判官リストから、
パネルができたら、そのつど指名されるという。
調べて見れば、日本の指名する裁判官リストには、
あの小和田氏と並んで外務事務次官、駐米大使を歴任した柳井俊二氏の名が確かにあった。
柳井氏は2005年から国際海洋法裁判所の判事を務めているが、
この常設仲裁裁判所の裁判官リストにも名を連ねているのだ。
その柳井氏が、今度の仲裁の担当となって、フィリピンの裁判官と結託して、
中国に不利な判決の実現にむけて画策しているというのだ。
それが事実かどうかわからない。
日本の外務省はもちろん否定するだろう。
しかし中国はそう思い込んでいるのだ。
そうである以上、中国は決して常設仲裁裁判所を信用しない。
何があっても、常設仲裁裁判所の判決は政治的に歪められた判決だと言い張って拒否するに違いない。
そして、そんな中国を、安倍首相の日本が、「法の支配」を守れと言っても、中国は聞く耳を持たないだろう。
安倍の日本にだけは言われたくないと、やり返されるだろう。
もはや、習近平主席の中国と、安倍首相の日本の間では、日中関係の改善は望めない。
どちらが正しいのか。
どうすればいいか。
その答えは、人によって大きく異なるだろう。
しかし、これだけは言える。
安倍首相がこれまでの言動を改めて、憲法9条を守ると世界に公言すればいいのだ。
中国と日本の力関係は一変する。
世界のどの国も日本が正しいということになる。
なぜ安倍首相はその事に気づかないのだろう。
なぜ外務官僚は、その事を助言しないのだろう。
憲法9条は最強の外交手段であることがなぜわからない。
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