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英国のEU離脱批判の大合唱を、眉に唾をつけて眺めるー(天木直人氏)
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27th Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
英国のEU離脱選択の余波はその後も鳴り止みそうもない。
そして、果たしてこの選択は大きな誤りをおかした、そんな非難の大合唱だ。
私はもちろんわからない。
しかし、日本のメディアに登場する識者の言葉は批判一色だ。
安倍政権側はその影響を封じ込めるために必死であり、
打倒安倍政権は、アベノミクスの失敗にとどめを刺した、
アベノミクスのせいで日本が受ける被害は甚大だ、と非難するばかりだ。
なぜ英国民はこのような選択をしたのか、そしてそれに理解できる余地はまったくないのか、
悪い事ばかりで良い事は一つもないのか、それらを説明してくれる論評は皆無だ。
EU離脱を評価しようものなら袋叩きにされそうな一億総批判だ。
そんな中でネット上に次のような意見を見つけた。
見事に私が思っている事を代弁してくれている。
「・・・私は、英国民の判断というのは、それほど非理性的だったとは思わない。
マスコミの論評の中で、誰も一言も触れず違和感を感じるのは、
あの投票が、41歳の女性議員ジョー・ コックスが殺害されて一週間後に行われたものだったという事実だ。
コックスの殺害事件を受けて、当然、誰もが残留派が勝利するだろうと予想した。
私もその一人だ。世論調査ではずっと両派が拮抗していたが、
この悲劇とそれへの大衆の同情によって間違いなく世論は残留に旋回し、
一票でコックスを追悼し鎮魂するものと思われた。
ところが、結果はその予想を大きく裏切るものとなった。もし、EU残留の結果に出ていれば、
マスコミ論者たちはコックスの名前を挙げ、その尊い犠牲が英国民の理性を覚醒させたと
述べたことだろう。気の毒なことに、コックスの存在は忘れられ、
あの事件はなかったことのように消し去られている。
コックス殺害の衝撃が尾を引き、沈痛な空気が支配する中で、
それでも離脱に票を投じた人々の判断がどれほど重いものだったか、
日本のマスコミ論者の中でそこに内在している意味を論じる者は一人もいない。
英国民のEU離脱の選択に否定的な視線を送る者は、
あまりに英国と欧州の移民問題を過小評価しすぎている・・・」
そして、私に寄せられた読者からの次の言葉だ。
「イギリスのEU離脱国民投票は、歴史的な大事件です。
というのは、この動きは、世界の民主主義の再構築のはじまりになるだろうということです。
こんどのイギリスの政治地図でも、労働党(左派)は 残留、保守党(右派)は完全に分裂、
そして、スコットランドは、ねじれていますが、中央と地方の対立などなど、
日本のマスコミが報道するお決まりの 「左右対立」の議会制度の枠ぐみは完全に壊れています。
あえて、いえば、グローバルVSローカルの構造です。
これは、アメリカでもフランスでも、実は日本でもそうなのです。
そして、もうひとつ、経済が主導する民主主義ではなくて、
民主主義が主導する経済に転換するかの分岐点です。
モンテスキューやルソーは「民主主義は小国においてのみなりたつ」と述べています。
この古典的思想家たちの民主主義の定義が今回、あてはまったということです。
本来、民主主義は「ローカルなもの」だと思います。
日本のポンコツ政治家は、こんななかで、 はるかに化石化した欲ボケ集団です・・・」
この読者の意見を、私は、既存の政党・政治家のをすべて否定して
あらたな政治をつくらなければいけないという私の直感に通じるものがあるという思いで読んだ。
既存の政治、政治家の否定。
それはいま世界中で日本に先行して起きている。
こう考えた時、ひとり、遅れたままの政治の下で与党も野党も天下分け目の戦いだと言って
自分たちの保身の選挙に明け暮れているのが今の日本だ。
そんな日本が英国のUE離脱に総批判的であるのも頷ける。
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