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参院選、自民党を取り巻く「不穏」な空気〜調子に乗る与党に「お灸を据えたい」層が確実にいる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49002
2016年06月24日(金) 長谷川 幸洋「ニュースの深層」 現代ビジネス
■ 与党圧勝は微妙な雲行き
いよいよ参院選が始まった。
情勢予想には早過ぎるかもしれないが、各種世論調査を見る限り、安倍晋三政権与党の圧勝は微妙な雲行きだ。どの調査でも自民党の支持率が下がって、民進党など野党が上向いているのだ。
なぜ、こうなったのか。
まず朝日新聞はどうか。「参院選比例区でどの党に投票したいか」という質問に対して6月4、5日調査では自民党という回答が39%だったのに、最新の18、19日調査では38%に下がった。民進党は逆に12%から15%に上向いている。
この傾向は読売新聞も同じである。同じ質問に対して前回3〜5日調査は自民党が42%だったのに、今回17〜19日では35%に急落した。民進党はどうかといえば、前回の11%から12%へとわずかながら上昇している。
投票先ではなく政党支持率で見ると、毎日新聞は前回の5月28、29日調査で自民党が33%だったが、今回18、19日調査では31%にダウンした。民進党は7%から10%に伸びている。産経新聞・FNNでも同じ調査日で自民党は41.1%から37.7%に落ちたのに、逆に民進党は7.9%から8.3%に上昇した。
最後に内閣支持率についても見ておこう。
安倍内閣の支持率は朝日が45%で変わらなかったが、読売は53%から49%へ、毎日は49%から42%にそれぞれ下落している。逆に不支持率はどうかというと、朝日が34%から36%に、読売は35%から38%に、毎日も33%から39%へと増えている。
これらの結果が示す傾向は明瞭である。安倍政権と自民党の人気が下がって、民進党の人気が上昇しているのだ。これをどう受け止めるか。
■政権与党の「緩み」を有権者は忘れない
菅義偉官房長官は「世論調査の結果に一喜一憂しない」とコメントしているが、額面通りには受け取れない。政権幹部として「支持率が下がって大変です」などと言えないのは当然だ。だからといって全然、気にしていないかといえば、そんなことはない。
官房長官に限らず、政権幹部の背広の胸ポケットには、いつも世論調査の数字が記入された紙が入っている。それをジッとにらみながら、ああでもない、こうでもないと原因と対応策を考える。それが幹部の重要な仕事になっている。
今回の結果について、選挙直前だけに安倍政権がとりわけ真剣に受け止めているのは間違いない。
自民党の人気が下がった理由の一つは、直近の舛添スキャンダルが響いたからだ。自民、公明の与党は舛添要一・前都知事を支援していた。その知事が無様な退場を余儀なくされ、十分な説明もないまま都庁を去った結末が尾を引いている。
だが、それだけでもない。育休不倫スキャンダルを引き起こした宮崎謙介・前衆院議員や「政権批判のマスコミを懲らしめろ」や「巫女のくせに」発言を繰り返した大西英男衆院議員など自民党2回生議員の不祥事もじわりと響いている。
加えて甘利明・前経済財政担当相の政治資金問題もある。甘利氏はスキャンダル発覚後、一度記者会見した後、睡眠障害を理由に公の場に姿を見せなかったが、通常国会が閉幕したとたんに「政治活動を再開する」と表明した。
その際「国民に多大な迷惑をかけた」とお詫びの言葉はあったが、事件についての十分な説明はないままだ。有権者はこうした「政権与党の緩み」を忘れてしまったわけではない。
■自民に「お灸を据えたい」層
伊勢志摩サミットの成功とオバマ大統領の広島訪問、さらには消費増税の再延期で内閣支持率が一時、急上昇した。「その反動と舛添問題で下がっただけ」という見方もできなくはないが、甘く見ないほうがいい。
私は参院選の公示日をはさんで連日、地方を訪れた。そこで各地の経営者らに話を聞いてみた限りでは「参院選自体に対する関心が高まっていない」と実感している。彼らはほとんどが安倍政権の支持者たちだ。
ある中年の経営者は「私は選挙に関心があるんですけど、親はどうも今回、いまひとつみたいで…」と言った。私は「やはりそうか」と納得した。それは、こういう事情ではないか。
企業経営者とその親であれば一番、関心があるはずの消費増税は先送りされた。それは「それでOK」と思っている。次に今度の選挙で安倍政権が交代するかといえば、それはない。政権を選ぶ衆院選ではないからだ。それについても「それでOK」と思っている。
増税は当分ないのだから政策運営に文句はないし、政権交代もないから、ようするに現状に不満はない。それなら参院選で与党に投票するかといえば、必ずしもそうでもないから微妙なのだ。
もしも伝統的な保守層が「べつに文句はないから投票は見送る」となると、その分、与党の得票は確実に減ってしまう。それどころか、もしかすると「増税先送りも政権継続もOKだけど、あまり調子に乗ってしまわれても困る」と考える層が出てくる可能性もある。
実は、そういう層が自民党人気の低下になって調査に現れているのではないか。少し政権にきつい言葉で言えば「ちょっとお灸を据えたい」層だ。いまのところ世論調査にすぎないが、実際の投票行動ないし棄権になって表面化すれば大変である。
安倍政権を首尾一貫して支持している私がこう言うのだから、間違いない(笑。ついでに言えば、だからダブル選にしておけば良かったのだ)。政権与党はこれからの選挙戦を相当、気を引き締めて戦う必要がある。
間違っても「調子に乗っている」と受け取られるような発言は厳に慎むべきだ。
野党についても一言、言っておこう。民進党の支持が高まったのは、国民がその主張に賛同しているからだろうか。そうではない。自民党の敵失みたいなものだ。
民進党は1人区で日本共産党などと野党統一候補を擁立した。共産党は日米安全保障条約の廃棄と自衛隊解消を唱える政党だ。中国が南シナ海や尖閣諸島を脅かしているだけでなく、北朝鮮はまさにいま中距離弾道ミサイル、ムスダンの発射実験を繰り返している。
そんな最中に共産党と手を握る民進党に大きな支持が集まるか。共産党が言うように、日米同盟を破棄して1国平和主義でいこうとすれば、中朝の脅威に対抗するために日本は大軍事国家を目指さざるを得なくなる。
民進党の支持者たちは本当に共産党と握って「これでよし」と思っているのだろうか。国の根幹部分を粗雑に扱う党に未来はない。
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