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自民党最大議連に「消えた献金」疑惑 事務局長は首相側近
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2016年6月22日 日刊ゲンダイ
加藤大臣の事務所からの回答はなかった(C)日刊ゲンダイ
参院選公示日が22日に迫る中、自民党の「政治とカネ」の問題が噴出した。安倍首相の側近、加藤勝信1億総活躍担当相(60)が要職を務める党内最大級の議員連盟に、政治資金規正法違反の疑いが浮上した。舛添氏辞任に続き、自民党への悪影響は必至だ。
疑惑が浮上したのは、診療報酬のプラス改定を目指し、陳情を行う議連「国民医療を守る議員の会」だ。設立は13年11月8日。高村正彦副総裁が会長、伊吹文明・元衆院議長が特別顧問を務める。発起人には事務局長の加藤氏をはじめ、鴨下一郎衆院議員、上川陽子前法相ら、そうそうたるメンバーが名を連ねる。
14年10月には、自民党議員350人が加盟する最大の議連となったが、問題なのは公益法人・日本医師会との不透明なカネの授受だ。
医師会の政治団体「日本医師連盟」の政治資金収支報告書を見ると、13年11月8日に「議員の会」に500万円を寄付したとの記載がある。翌14年は10月17日にも、「議員の会」に100万円を寄付したと記してある。共に〈支出を受けた者の氏名〉欄には「事務局長 加藤勝信」と記され、加藤氏の事務所がある永田町の衆院第2議員会館の住所が明記されている。
ところが、「議員の会」は、総務省にも、会館のある東京都選管にも「政治団体」として届け出ていない。政治資金規正法は第8条で〈政治団体は、届出がされた後でなければ、政治活動のために、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附を受け、又は支出をすることができない〉と定め、届け出前の寄付と支出を禁じている。違反すれば、団体の役職員は〈五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金〉に問われることになる。
過去に「議員の会」は、ホテルニューオータニや憲政記念館(いずれも千代田区)などで200〜300人規模の総会を少なくとも計6回開催しているが、“消えた600万円”を一体何に使ったのか。加藤氏と会長の高村氏の両事務所に見解を求めたが、期限までに返答はなかった。政治資金に詳しい上脇博之・神戸学院大教授はこう言う。
「総務省は、1つの都道府県の区域内で活動を行う政治団体については、事務所の所在地の選管への届け出を義務付けていて、2つ以上の都道府県にまたがり活動する団体には、総務大臣へ届け出ることを義務付けています。全く別の道府県に届け出ることは考えられません。届け出を怠り、収支報告をしないのは、規正法に違反する可能性が高い。明確な回答をしない以上、選挙の際などに裏金として使ったと疑われても仕方がありません。加藤大臣は説明責任を果たすべきです」
説明すれば、「参院選に悪影響を与える」ということか。
(本紙・小幡元太)
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