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若者は変化を望むのか、現状を変えたくないのか
18歳選挙権、野党統一候補、見どころ満載の参院選が始まる
2016.6.21(火) 筆坂 秀世
7月の参院選は18歳選挙権が導入される初めての選挙となる(写真はイメージ)
いよいよ明日(6月22日)から参院選が始まる。投票は7月10日だ。今回の参院選は、日本の政治史上でも初のことが行われる。1つは、18歳選挙権の導入である。もう1つは、4野党が統一候補を立てることだ。これが選挙戦にどのような影響をもたらすのか、興味深いところだ。
左翼が保守派になっている日本の政党状況
私自身の記憶を思い返しても、初めて選挙権を得るというのは、それなりのインパクトを持っていたように思う。ただ私の場合には、18歳で日本共産党に入党していたので、投票する候補者は決まっており、思い悩むことはなかった。
だが初めて選挙権を得た若者にとって、誰を選ぶのか、どの党を選ぶのか、そうは簡単に答えを持っていないのが普通だろう。通常、若者は高齢者以上に変化を求めるものだと思う。だとすれば、現状を打破しようとする野党を支持するのではと思われがちだ。だが、日本の政治の現状は必ずしもそうではない。
現状を改革しようとしているのは、実は自民党の側である。アベノミクスや集団的自衛権の一部行使を含む安保法制、一億総活躍社会、憲法改正など、その是非はともかく、すべて現状を改革しようとしているのだ。
これに対して野党は、アベノミクスは失敗だとして糾弾し、安保法制については、共産党などは「戦争法」だとして廃案を掲げている。廃案ということでは4野党が一致している。憲法についても、野党は基本的に護憲である。
保守が改革派、民進党が左翼というわけではないが、大雑把に言えば左翼が保守派になっているのが日本の政党状況なのである。
さて、新たに増える240万人の有権者は、いったい何を基準に選ぶのだろうか。
選挙の投票率は、年々下がってきている。なかでも若い層の投票率が極端に低い。2011年の衆院選では、60歳代が一番高く68.28%、一番低いのが20歳代の32.58%だった。大半は選挙に行っていないのである。
これでは、今の政治に不満を持っていても、何も変わりはしない。もちろん投票に行ったからといって、簡単に政治を変えられるわけではない。しかし、現状に不満を持たない若者などいないだろう。であれば、選挙に行くべきだ。行かなければ、自分の思いをそもそも政治に反映できるわけがない。せっかく得た選挙権を無駄にしないようにしてほしいと願う。
野党統一候補は成功するのか
32ある定数1の選挙区すべてで野党の連携が実現した。これも戦後政治で初めてのことだ。政治を活性化させるうえで大いに結構なことである。
これに対して、安倍首相ら自民党は「野合」という批判を強めている。しかし、「野合」批判は適切ではない。政策的にはいろいろな違いはあったとしても、国政の重要課題と思われる問題で一致し、巨大な与党に対抗しようというのは、言ってみれば野党の知恵であり、当然の努力である。
こういう努力を怠ったとしたら、それこそ野党は、その存在意義そのものを国民から批判されることになるだろう。
これまでのテレビ討論などを見ていると、安倍首相は今度の選挙の争点を経済一本に絞りこみ、アベノミクスの加速化を訴えているようだ。これに対して、民進党の岡田代表は、消費税増税の先送りは、アベノミクス失敗の証明だとして、これへの批判を強めている。
同時に岡田氏は、憲法改正問題を意識的に争点化しようとしている。これに対して安倍首相は、「どの条文を改正するか収斂していない。選挙で争点化するには至っていない」(6月19日、NHK日曜討論)として、憲法改正問題を今回の参院選では争点にしないと明言している。
多くの世論調査では、憲法改正反対論が根強い。岡田代表は、これを争点化することによって民進党有利に持ち込もうとしていることは明らかである。他方、安倍首相は、争点化しないで自公で3分の2以上の議席の確保を目指している。
この憲法をめぐる戦いの帰趨は、参院選の結果にも小さくない影響を与えることだろう。
政党支持率と投票行動は異なる
今年4月に行われた衆院北海道5区の補欠選挙では、自民党公認候補と野党統一候補が激戦し、自民党候補が勝利を収めた。この選挙で面白かったのは有権者の投票行動である。
まず年齢層別の投票行動だが、野党候補が勝ったのは60歳代だけである。30歳代から50歳代は、いずれも自民党候補が勝っている。ただ最近の選挙では、60歳代がもっとも投票率が高いので、票の総数という点では、さほどの差がなくなることが多い。
もう1つは、無党派層の投票行動である。ここでは野党候補が、約7割の支持を得て圧勝している。
与党の実績と野党の統一という相乗効果のどちらが勝つのか、今度の選挙の見どころである。6月20日付朝日新聞掲載の世論調査によれば、政党支持率は、自民党が32%に対して、民進党は7%、共産党は3%になっている。大差がある。ところが「比例区ではどの政党に投票するか」という問いには、自民党38%、民進党15%、共産党6%となっている。
“政党支持”と“投票行動”は必ずしも合致しないことがこの世論調査から分かる。自民党は支持率から投票行動の間で6%増えている。民進党8%増え、共産党は3%増えている。これは、比例選挙に限ってのことである。事実上、自公対民共の対決となる32の1人区では、また違った投票行動になるであろう。
政党支持率だけでは選挙結果は分からないということだ。野党にも十分なチャンスがあるように思える。
安倍政権を倒したら民共は連立政権を組むのか
ただ野党には、弱点がある。それは民進党と共産党との間で連立政権の合意がないことだ。参院選は政権選択選挙ではないので、政権構想の合意は不要である。だが野党が掲げる「安保法制廃止」という大目標を実現するためには、衆院で多数を握ること、すなわち政権の座に就くことが不可欠である。ところが、このための合意が民共間でなされていないのである。
6月19日放映のフジテレビ「報道2001」でも安倍首相と共産党の志位委員長との間で次のようなやりとりがあった。
安倍首相 おそらく志位さんは、おなかの中では、民進党は必ず自分たちを必要としてくる、政権を共に担うことにしてみせると、おそらく思っておられると思いますよ。そうでなければ、党の候補者を降ろしませんよ。安倍政権を倒すということで一本化しているんであれば、もし倒したあとはどうするんですか。
志位委員長 私たちは、倒した後に「国民連合政府」を作ろうということを提案しております。この国民連合政府というのは、「安保法制の廃止と立憲主義を取り戻す」ということが中心課題ですが、それ以外の暮らしの問題でも「共通政策」を実行する。そして、この大命題をやりとげたら、ずるずる続けないで、解散・総選挙をやって(国民の)審判を仰いで、次の進路を決めていくということを言っているわけです。
安倍首相 志位さんは、私が言った通りのことをおっしゃったんですよね。(民進党などと)一緒に政府を作っていくと言ったじゃないですか。
志位委員長 私たちはそういう展望をもっているけれど、いま合意がないものを押し付けていません。
さすがに政権構想と言いながら共通の政策が「安保法制廃止」だけではあまりにも無責任なので、共産党は暮らしの問題でも共通政策を作るとしている。
これに対して、民進党の岡田代表は、まったく否定するという態度はとっていない。「今後の話し合い」だとして含みを残している。
確かにこれは、参院選の結果次第ということになろう。参院選である程度の成功を収めれば、民共政権樹立という方向での合意もあり得ることである。
この点でも今回の参院選を大いに注目したい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47147
- ノブレス・オブリージュなんかより大事なもの 軽毛 2016/6/21 08:42:50
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