http://www.asyura2.com/16/senkyo207/msg/911.html
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福島第一原発の事業主体である東電に非難や批判が集まるのは当然で致し方ないが、今回のメルトダウン(メルトスルー)をめぐる“情報操作疑惑”は、原子力災害対策特別措置法や原子力災害対策本部の機能や実効性にも関わる重大な行政上の問題に直結している。
転載するNHKの記事が見出しを「東電調査結果に 民進 枝野氏 事実関係を否定」となっていることでもわかるように、今回も取材はしていると思われる菅元首相の責任を曖昧にしている。
記事の中で、菅元首相は、「総理大臣であった私自身が、東京電力や、原子力安全・保安院に、“メルトダウン”、あるいは“炉心溶融”という表現を使わないように指示したことは一度もない」と言い、「委員会は、東京電力が依頼した弁護士などで構成されており、第三者とは言えない。まず、東京電力は、東京電力関係者の政府の事故調査・検証委員会での全ての証言と、当時のテレビ会議の記録を全て公開するべきだ。そのことが、事故の検証にとって、最も必要なことだ」と反論している。
東電に対する情報コントロールが原子力安全・保安院の“独断専横”で行われた可能性もあるので、現段階で菅元首相の主張をウソと言うつもりはない。
しかし、菅元首相の言い分は、私など部外者の言い分なら認められるとしても、当時、原子力災害対策本部本部長であった人物には認められないものである。
(原子力災害対策本部も会議録を“秘匿”しているが(会議録を採っていないと主張)、それを含め、すべての会議録や証言を公表すべきである)
報道担当であった枝野元幹事長はともかく、福島第一原発の重大事故発生を受け「原子力緊急事態宣言」を発し、対応のために設置した原子力災害対策本部の長にあった菅元首相は、炉心溶融(メルトダウン)という用語を東電に使うななどと指示したことはないと反論して胸を張れる立場にはない。
福島第一原発事故は、内閣が「原子力緊急事態宣言」を発した時点から、事故対応の最終責任が東電から政府に移行している。
(当時の菅内閣は、「原子力緊急事態宣言」の“公表”さえ意図的に遅延させている。遅くとも3月11日午後5時までに原発の重大事故発生を国民向けに公表しなければならなかった。しかし、福島県内向けや一部マスメディアサイトなどで情報伝達があったが、NHK総合テレビが「原子力緊急事態宣言」を全国放送で報じたのは午後9時20分過ぎである。ところがご存じのように、福島第一1号機は、その公表よりずっと前、午後6時頃にはメルトダウンを起こしていた。この初手の“情報操作”問題さえ、今もってきちんと総括されていないのである)
事故関連データなどは事業主体である東電に収集させるとしても、そのデータに基づく事故状況の最終判断は、菅元首相が本部長である原子力災害対策本部が責任をもって担う。
※原子力災害対策特別措置法
(原子力災害対策本部の所掌事務)
第十八条 原子力災害対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 緊急事態応急対策等を的確かつ迅速に実施するための方針の作成に関すること。
(以下略)
福島第一の事故状況を把握する最終最高の主体は原子力災害対策本部であり、人格としてはその長である内閣総理大臣なのだから、当時の菅首相が、福島第一のそれぞれの号機でいつメルトダウンやメルトスルーが起きたのか承知していなければ職責をまったく果たしていなかったことになる。
今回の“炉心溶融”をめぐる情報操作に関して言えば、菅元首相は、東電が会見などで“勝手に”メルトダウンの事実を曖昧にしたり隠したりしていたら、事実をきちんと伝えるよう指導しなければならない立場にあったのである。
菅元首相は、願いとする脱原発のためにも、「当時、総理大臣官邸には、政治家や官僚に加え、東京電力関係者もいた。『官邸側』とは具体的に誰なのかを明らかにすべきだ。この件で、第三者委員会と称するところから、私への問い合わせは一切なかった」という防御の姿勢ではなく、当時の最高責任者(原子力災害対策本部長)として、“情報操作”にかかわる実態を明らかにする姿勢を見せるべきであろう。
※関連記事
「官邸の誰が…踏み込まず 東電「炉心溶融」公表遅れ 検証委報告:遅れではなく隠蔽、本部長菅元首相の決済がないならより深刻」
http://www.asyura2.com/16/senkyo207/msg/865.html
「福島原発「炉心溶融使うな」、清水東電元社長が指示:官邸からの指示により指示:官邸は東電の事故関連発表前に検閲」
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/848.html
「「炉心溶融ということば使うな」 当時の社長が指示:国家対応で当事者能力がなかった東電、政府の責任をぼやかすメディア」
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/850.html
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東電調査結果に 民進 枝野氏 事実関係を否定[NHK]
6月17日 13時58分
福島第一原子力発電所の事故を巡り、東京電力が依頼した委員会が、当時の社長が官邸からの指示だとして、“炉心溶融”ということばを使わないよう指示していたことを明らかにしたことについて、当時、官房長官だった民進党の枝野幹事長が記者会見し、「指示や要請をした事実はなく厳重に抗議する」と否定し、東京電力と委員会への法的措置も検討する考えを示しました。
東京電力が、福島第一原子力発電所の事故のあと、2か月以上、炉心溶融いわゆるメルトダウンが起きたことを認めなかった問題で、東京電力が依頼した弁護士らの委員会は、当時の社長が官邸からの指示だとして、“炉心溶融”ということばを使わないよう指示していたという検証結果を発表しました。
これについて、事故当時、民主党政権で官房長官を務めていた民進党の枝野幹事長は、17日、国会内で記者会見し、「当時の菅総理大臣や私が、“炉心溶融”ということばを使わないよう指示や要請をした事実はない。著しく不適切で厳重に抗議する」と述べ、否定しました。
そのうえで、枝野氏は「菅氏や私への聞き取りなどはなされておらず、東京電力の一方的な釈明を並べたものになっており、甚だ不誠実だ。菅氏や私の信用と名誉を毀損するものであり、民進党の信用も毀損する。参議院選挙を目前に、一方的で、不誠実な調査結果と称するものを公表することは、選挙妨害との疑いも免れない」と述べ、東京電力と委員会への法的措置も検討する考えを示しました。
菅元総理「指示は一度もない」
民進党の菅元総理大臣は、コメントを発表し、「当時、総理大臣であった私自身が、東京電力や、原子力安全・保安院に、“メルトダウン”、あるいは“炉心溶融”という表現を使わないように指示したことは一度もない」としています。
そのうえで、菅氏は、「当時、総理大臣官邸には、政治家や官僚に加え、東京電力関係者もいた。『官邸側』とは具体的に誰なのかを明らかにすべきだ。この件で、第三者委員会と称するところから、私への問い合わせは一切なかった」としています。
さらに、菅氏は、「委員会は、東京電力が依頼した弁護士などで構成されており、第三者とは言えない。まず、東京電力は、東京電力関係者の政府の事故調査・検証委員会での全ての証言と、当時のテレビ会議の記録を全て公開するべきだ。そのことが、事故の検証にとって、最も必要なことだ」と指摘しています。
第三者委員会 官邸側への聞き取り行わず
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、炉心溶融、いわゆるメルトダウンの公表が遅れたことについて、東京電力が設置した第三者委員会は16日、当時の社長が官邸からの指示だとして“炉心溶融”ということばを使わないよう指示していたなどとする検証結果をまとめましたが、その際、官邸側への聞き取り調査は行われませんでした。
理由について、第三者委員会の田中康久委員長は記者会見で、官邸側を調査する権限はなかったとしたうえで、「事故当時の官邸の対応はこれまでの事故調査報告書で一定の調査がされている。官邸側に調査の対象を広げるとさらに時間がかかり、検証結果をいち早くまとめるには時間が限られていた」と説明しました。
官邸の具体的な指示について検証結果では、清水社長などへのヒアリングを行ったものの、官邸の誰から、どのような指示や要請を受けたかは解明できなかったとしています。
菅官房長官「一層の事実解明を」
菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「新潟県の技術委員会と東京電力との間で検証が行われており、事故発生当時の官邸の様相など一層の事実の解明に取り組んでもらいたい」と述べ、さらなる事実解明が必要だという認識を示しました。
そのうえで菅官房長官は、「危機管理では、事実に基づいて正確に国民に伝えることが極めて大事だ。私自身、危機管理を行うにあたって、そうしたことをしっかりと心にとめながら対応をしている」と述べました。
一方で、菅官房長官は、記者団が政府として独自の調査を行うか質問したのに対し、「国会や政府の事故調査委員会で膨大な聞き取り調査などを含んだ報告書が取りまとめられており、今後、新たに調査することは考えていない」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160617/k10010559671000.html?utm_int=all_side_ranking-access_001
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