http://www.asyura2.com/16/senkyo207/msg/858.html
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「舛添事件を海外メディアはどう報じているのでしょうか。ルモンドの記事を訳しておきました:内田樹氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/20202.html
2016/6/17 晴耕雨読
https://twitter.com/levinassien
舛添事件を海外メディアはどう報じているのでしょうか。
ルモンドの記事を訳しておきました。http://blog.tatsuru.com/
「メディアの狂乱」とはっきり書かれていますが、どなたかこれに反論する日本人ジャーナリストはいないのですか。
「ルモンド」の記者は自分の書く記事を世界中の人(もちろん日本人も含めて)読むことを意識して記事を書いています。
日本のメディアに「日本の現状を理解したいと望んでいる海外の読者・視聴者」をも想定して、報道し、分析し、解説している人がいますか。
自分の書いた記事を誰か見知らぬ海外の読者が自国語に翻訳してネットに上げて、自国の読者に紹介される、というような状況(僕が「ルモンド」の記事についてしたようなこと)を想定して記事を書いているという人がいますか。
日本のメディアは劣化し、批評性を失っている、と海外から繰り返し指摘されています。
僕は別に権力に噛み付いてみせろというようなことを言っているわけじゃない。
「日本のメディアがそういう批判を受けていること」は日本社会の根幹に関わる「ニュース」ではないかと申し上げているのです。
なぜそれに反論するなり、「ご指摘の通りです」と潔く認めるなり、「日本のメディアの現在の歴史的立ち位置」についての見解を表明できないのかと申し上げているのです。
批評性というのは舛添を「生贄」にして喜ぶような「狂乱」のことではありません。
おのれの社会的機能についての自意識の事です。
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http://blog.tatsuru.com/
2016.06.16
ルモンドの記事から
ルモンドの記事から。タイトルは「贅沢のツケ。都知事辞職」。
自国で起きていることの「文脈」を知るために逐一海外のメディアを参照しなければならないという恥ずべき現実を日本のメディアはどれくらい実感しているのだろうか。
公金を私的流用したことについて厳しい批判を浴びて、舛添要一東京都知事が6月15日に辞職した。4月に贅沢な旅行について最初に暴露されて以来日増しに強まっていた辞職のアピールについに屈服したことになる。舛添氏は2007年から9年にかけての第一次安倍晋三内閣の厚労相であり、2014年に東京都知事に選出された人物だが、とりわけその贅沢さへの際立った好みを咎められた。
東京大学を卒業し、フランス語を含む複数の言語を操り、馬と美術に造詣が深い舛添氏は政治資金を千葉県の三日月ホテルの最上級の部屋で新年を家族で過ごすために使用したことを特に厳しく告発された。
これらの金の使途を明らかにするために舛添氏によって委託された二人の弁護士によれば、知事は2009年から14年にかけて440000円(3700ユーロ)を「不適切な仕方」で支出したが、違法ではないとされる。政治資金の使途について定めた条項の曖昧さのせいで、知事はこれらの支出が違法だという認識はなかったようである。
公金の私的流用の他には、知事の移動における贅沢好きが問題にされた。知事は海外旅行ではつねにファーストクラスを利用し、最高額のホテルに宿泊した。費やした旅費総額は2億円(170万ユーロ)に達すると言われている。2015年10月にはロンドンのコンラッド・セイント・ジェームズの譜レジデンシャル・スイートに宿泊したが、こちらは一泊3350ユーロ(40万円)。これらについて繰り返し説明を求められたが、知事はそのつど「記憶が定かでない」と言って質問をかわしてきた。
都議会の多くの会派からの攻撃にさらされた舛添氏は、当初は給与の返納によってそのポストに留まろうとした。だが、6月14日になって、野党会派と、それまで知事を支持してきた都議会与党の自民党までが不信任案に賛成したことで、事態は急転した。
東京都民の80%が望んだ知事の辞職によって、都知事選挙は7月31日から8月7日の間に行われる見通しである。彼の離職によって、彼が関わってきた2020年の東京オリンピックの運営にも影響が出ると見られている。
舛添氏の奇癖は以前から知られていた。「2014年の知事選以来、舛添は会計上の規則違反を繰り返してきたと言われている」と都政に詳しいある人物は指摘している。民放テレビやスキャンダル専門紙で連日のように荒れ狂ったメディアの暴風について、この専門家は「攻撃は周到に用意されていたもので、タイミングを計って行われた」と言う。情報筋によれば、この攻撃は計画的なもので、官邸の暗黙の同意を得て行われた。
メディアが知事問題一色に染まったために、報道された場合に政府にとって不都合ないくつかのニュースが結果的に報道されなかった。知事についての報道の開始は、英紙「ガーディアン」が2013年にブラック・タイディングに対してなされた130万ユーロの資金流入についてのフランス当局の捜査について報じた5月11日と同時期である。シンガポールに拠点を置くこの会社はパパ・マサタ・ディアク−1999年から2013年までIOC委員、前国際陸連会長で、現在は汚職で捜査中のラミーヌ・ディアクの息子−の所有するものであり、この資金は日本の五輪誘致チームから出たものと見られている。
日本では、このニュースは二人の人物を巻き込む可能性があった。一人は現在も政界に力を持つ森喜朗元首相。彼は五輪の東京招致を推進し、現在も五輪組織委員会のトップにいる。もう一人はJOCの委員長で、皇族の竹田恒和である。
同じように、舛添氏に対する攻撃は「パナマ文書」の暴露とも同時期だった。日本の400の個人名と企業名がそこに言及されているというのに、日本のメディアはこれについてほとんど何も報道していない。
「さらに、舛添事件によって、7月10日の参院選の選挙選のスタートが丸ごと隠蔽された。これはさまざまな批判、とりわけ経済政策の失敗についての批判を回避しようとしていた政府にとってはまことに好都合なことだった」と専門家は語っている。
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