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本会議が終わり議員席に向かって頭を下げる舛添都知事(撮影・丹羽敏通)
舛添知事が辞職「反省と心残り尽きない」最後の発言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160615-00000154-nksports-pol
日刊スポーツ 6月15日(水)20時52分配信
東京都の舛添要一知事(67)が15日、辞職願を提出し、本会議で了承された。都議会全7会派が不信任決議案案を共同提出し、可決されることが確実になったのを受けて決断した。以下、本会議で語った舛添氏の最後の発言。
◆ ◆ ◆
発言をお許しいただき、ありがとうございます。私自身、都議会における最後の発言となりますので、少しお時間をちょうだいいただければと思います。
平成26年2月、都知事に就任しまして以来、東京を世界一の都市とするため、私なりに全力を尽くしてまいりました。誰もが人生の豊かさを実感できる都市にしたい。少子高齢化の流れの中で、保育施設の充実や、地域包括ケアシステムの構築に取り組み、一定の成果もあったのではないかと思っております。
自然災害の脅威に対しましては、特に「東京防災」が好評をいただき、ありがたいことでございました。そして2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会成功のため、全身全霊取り組んできたつもりでございます。
今回、私自身の問題によりまして、都民の皆様からいただきました4年間という任期の途中でこのような形となり、反省と心残りの念は尽きませんが、すべて自らの不徳の致すところであります。私が最も懸念いたしましたのは、オリンピック・パラリンピック大会への影響であります。リオデジャネイロ大会を控える中での選挙は、次期開催都市としてふさわしくないと考えました。
そして、4年後の東京大会も同様であります。この事態を避けたいと思いました。しかしこれ以上、都政の停滞を長引かせることは、私にとっても耐え難いことでございます。従いまして、私が身を引くことが一番だと考えるに至り、都知事の職を辞する決意をいたしました。2年4カ月という短い期間ではございましたが、皆様には、私の至らぬ都政運営を支援し、支えていただき、感謝をしております。
これからは一都民、一国民として、オリンピック・パラリンピック東京大会の成功、東京都のますますの発展を心から祈っております。以上をもちまして、私の東京都知事としてのごあいさつを終えたいと思います。ご静聴いただき誠にありがとうございました。
◇
舛添知事の辞職 正式決定
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160615/k10010557691000.html?utm_int=news_contents_news-main_001
6月15日 20時04分 NHK
東京都の舛添知事は、政治資金などを巡る一連の問題で、都議会が不信任決議案を全会一致で可決することが確実となったことを受けて15日午前、議長に辞職願を提出し、15日夜、都議会の本会議で了承されました。舛添知事は今月21日付けで辞職することが正式に決まり、就任からおよそ2年4か月での辞職となりました。
東京都の舛添知事の政治資金などを巡る一連の問題で、都議会は自民党も公明党も含めた7つの会派が、舛添知事に対する不信任決議案を15日の本会議に提出することを決め、全会一致で可決されることが確実となっていました。
こうした状況を受け、舛添知事はみずから辞職することを決め、午前中、議長に辞職願を提出しました。
これを受け、各会派では不信任決議案を取り下げることを決め、午後8時前に都議会の本会議で舛添知事の辞職願が全会一致で了承されました。舛添知事は今月21日付けで辞職することが正式に決まり、おととし2月の就任以来、およそ2年4か月での辞職となりました。
一方、共産党などが出したより厳しい調査権を持つ百条委員会の設置を求める動議は自民党や公明党それに民進党などが反対し、否決されました。
このあと、舛添知事の要望で発言の時間が設けられ、舛添知事は「東京を世界一の都市にするために私なりに力を尽くしてきた。オリンピック・パラリンピックの2020年大会の成功のため全身全霊を傾けて取り組んできた。しかし、私自身の問題で任期途中でこのような形になり反省するとともに心残りの念が尽きないが、みずからの不徳の致すところだ」と述べました。
そのうえで、「これ以上、都政の停滞を長引かせることは私にとっても耐え難いことで、私が身を引くことがいちばんだと考え、都知事の職を辞する決意をした。これからは一都民、一国民として、オリンピックの成功と東京都のますますの発展を心から祈っている」と述べて議場をあとにしました。
閉会後、舛添知事は、報道各社の問いかけには何も答えず、足早に立ち去りました。
自民「適切な身の処し方」「蹴って追い出したくない」
本会議で舛添知事の辞職願が了承されたことについて、自民党の野村有信議員は「最後は立派なあいさつで、これだけ男らしい行動を取れるならもっと早く取るべきだったと思う。身から出たさびだが、都政を一緒にやってきたものとしては悲しい。ただ、都民の皆さんの心情をくむのがわれわれの責務であり、推薦した自民党としても本人としても適切な身の処し方だったと思う」と話していました。また自民党の吉野利明議員は「いく人のことばなので、それなりの感慨も込めたことばだと思う。去っていく人を蹴って追い出すことはしたくない、そんな気持ちだ」と話していました。
公明「都政の信頼回復が最優先」
公明党の長橋桂一幹事長は、本会議で舛添知事の辞職願が了承されたことについて「わが党は今回の問題について真相究明に向けて厳しく追及し、最終的に辞職を求めていたので、その結果として知事自身が辞職を決断したことは重く受け止めたい。今は、地に落ちた都政の信頼をどう回復していくのかが最優先課題だ。簡単にできることではないので、これに全力を挙げていく」と話していました。
共産「今後も事実を明らかにしたい」
本会議で舛添知事の辞職願が了承されたことについて、共産党の大山とも子幹事長は「都民の世論が知事に辞職を決断させる大きな力となった。ただ、今回の問題は辞めれば済むという話ではなく、今後も引き続き事実を明らかにしていきたい」と話しました。また、本会議での舛添知事の辞任のあいさつについて「今回の問題について都民への謝罪が全くなく、何が悪かったのか自覚できていないと感じた」と話していました。さらに、次の新しい知事について「都民の暮らしをちゃんと守ることができる知事を選びたい」と話していました。
民進「都政の停滞を打開したい」
民進党の尾崎大介幹事長は「不信任決議案が固まってから辞職を決意したのは、遅きに失した印象だ。今回の議会では、都政の課題について審議できなかったので都政の停滞を打開するべく頑張りたい」と話していました。また、次の新しい知事については「知事が2期続けてお金の問題で辞職したので、お金にクリーンな方を選びたい。早く次の知事を決めて新たな都政をスタートし、東京オリンピックに影響が出ないようにしたい」と話していました。
専門家 潔さ感じられず都民の理解低い
東京都庁の元職員で地方自治に詳しい中央大学の佐々木信夫教授は、舛添知事が辞職を決めたことについて、「都政を翻弄し、都民の政治に対する信頼を失わせた責任は大きく、けじめのつけ方としてもっと早く辞めるべきだった。議会に追い詰められて仕方なく辞めるという印象で、潔さは感じられず、都民の理解は低いと思う」と話しています。
そのうえで、「もともとは20日に集中審議が予定されていて、21日に辞職するならば都民に正直に説明する最後のチャンスだ。辞めてうやむやにするのではなく、きちんと説明責任を果たすことが求められる」と指摘しました。
また3回連続で知事が任期途中で辞任することについては、「この5年で4回、都知事選を行うことになり、日本の戦後史、都政の歴史始まって以来の堕落した状況だ。知事選挙1回で50億円かかると言われ、お金に苦労している地方からは怒りの声が上がっている。ただの人気投票の選挙ではだめで政策論争をしっかりして政治的実行力がある人を知事に選ぶべきだ」と話しています。
また、今回の辞職によって知事選挙が東京オリンピックの期間と重なる可能性があることについては、「東日本大震災の際には、被災地で統一地方選を延期したケースもあった。オリンピックは国家的な行事であり、法律や条例を改正し、任期を前倒ししたり延長したりするなど、ルールを変えて対応することは可能だ」と指摘しています。
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