http://www.asyura2.com/16/senkyo207/msg/711.html
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転載する日経新聞の記事で、民主党の元幹事長輿石氏が、12年の民主党分裂の原因になった消費税増税政策について、次のように語っている。
「 ――党幹事長時代に消費増税を巡って党が分裂しました。
「小沢一郎さんは民主党が政権をとったマニフェスト(選挙公約)に消費税を上げるなんて書いてないからやめろと主張した。野田佳彦首相は今苦しくても消費税を上げないと財政が破綻して、ギリシャのように国が大変なことになると言った」
「僕は3回、小沢さんと話した。話せば分かると思った。景気が悪くなった場合は増税を延期できるような条項を入れようと相談した。小沢さんは景気条項を法律の本則に入れてくれと言ってきた。野田首相は付則でどうかと言った。小沢さんはそれを受け入れなかった」
――安倍晋三首相は再び増税先送りの方針を表明しました。
「新しい判断でリスクがあるから先送りだというが、リスクは常にある。そんなことを言ったら、いつまでも消費増税はできない。経済は生き物だ。経済的なリスクを理由に一回決めたことをやらないと言い出したら、永久にやらないということになる」」
元民主党の幹部たちが財務省の消費税増税キャンペーンにすっかり乗せられていることがよくわかる発言である。
岡田代表の消費税増税延期発言について、政治的にはそう言うしかないとは思うが、既定方針通りに増税すべきだったと主張する民進党政治家は少なくない。
小沢氏が12年に採った消費税増税反対運動は支持するが、民主党を分裂に導いた“離党”騒動については支持できない。
輿石氏の話がどこまで事実かは別として、消費税増税を政府の判断で中止できる景気条項を本則に入れるか付則で済ますかで対立し“離党”にまで進んだというのなら、小沢氏の行動は論外である。
民主党内にとどまって多数派形成ができない政治勢力が、新政党で多数派を形成できると考えるのは妄想でしかない。
※参照投稿
「民主党主流派と自民党が揃って“大連立”に進む絶好機として仕掛けている小沢派大量離党を小沢支持者までが望む“異常事態”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/898.html
記事では、自民党参議院議員の脇雅史氏が12年の民主から自民への政権交替について面白い秘話も開陳している。
「 ――国会対策担当を長く務めてきました。
「18年間の議員生活のうち、国対は13年。国対委員長に就いたのは野党の時だった。自民党総裁だった谷垣禎一氏に『与党国対と野党国対は警察官と泥棒くらい立場が違う。やるべきことは政権奪還だ。死に物狂いでやるほかない』と話した。民主党政権を倒すのが最大の務めと思っていた」
――2010年の参院選で潮目が変わりました。
「10年参院選で民主党の過半数を阻止したのが政権奪還のポイントだった。それでも衆院で自民、公明両党で過半数をとるのは難しいとみていた」
「衆院選でどこも過半数がとれない事態が生じたら、自民と民主有志で手を組もうと政策集を準備していた。民主側は当時、国対委員長だった羽田雄一郎さんや、桜井充さんらだ。12年衆院選で自民党が大勝ちしたから世に出なかった。幻のシナリオだな」」
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良識の府 再興を 引退議員、思い託す
7月10日投開票の参院選を終えると、かつて日本政治を動かした重鎮らが静かに表舞台から去る。政局の舞台裏や後進への思いを引退議員に聞いた。
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自民 脇雅史氏 国会の言論、死んでいる
――国会対策担当を長く務めてきました。
「18年間の議員生活のうち、国対は13年。国対委員長に就いたのは野党の時だった。自民党総裁だった谷垣禎一氏に『与党国対と野党国対は警察官と泥棒くらい立場が違う。やるべきことは政権奪還だ。死に物狂いでやるほかない』と話した。民主党政権を倒すのが最大の務めと思っていた」
――2010年の参院選で潮目が変わりました。
「10年参院選で民主党の過半数を阻止したのが政権奪還のポイントだった。それでも衆院で自民、公明両党で過半数をとるのは難しいとみていた」
「衆院選でどこも過半数がとれない事態が生じたら、自民と民主有志で手を組もうと政策集を準備していた。民主側は当時、国対委員長だった羽田雄一郎さんや、桜井充さんらだ。12年衆院選で自民党が大勝ちしたから世に出なかった。幻のシナリオだな」
――安倍晋三首相の政権運営をどうみますか。
「政界全体がダメになっている。言論、言葉を大事にしていない。国会は言論空間だ。言葉をバカにしたら成り立たない。一番の例は、なんか変なことをいうと『取り消せ!』ということ。言論空間で取り消しがありだったら議論にならない。言ったら責任をとる。辞めるんだったらやめる。それが本来の姿だ」
――自民党では「物言えば唇寒し」と言う人もいます。
「言論空間としては死んでいる。力の前では弱い。選挙で公認しないぞ、と言われたくない。閣僚や役員にしないと言われるのが嫌だということなんだろう。スケールが小さい話だ。それだと権力者の言いなりになる」
――今回の参院選から隣接県を1つの選挙区にする「合区」が2つの選挙区で導入されました。
「違憲状態とした最高裁判決に応えるには、改革案とともに合理的な理由が必要だ。今回の見直しには合理的理由がない。これでは再び違憲判決は免れない。理屈が通らない人とは仕事ができないと思い、自民党会派を離脱した」
――参院のあり方は。
「今いる参院議員が、参院として何をなすべきかをよく考えてやればいい。それだけのことだ」
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民進 輿石東氏 野党は1つの塊になれ
――印象に残るのは。
「2009年の政権交代だ。だが3年3カ月で終わってしまった。経験不足と、最後はひとつにまとまって結束していくという文化が民主党に不足していた」
――党幹事長時代に消費増税を巡って党が分裂しました。
「小沢一郎さんは民主党が政権をとったマニフェスト(選挙公約)に消費税を上げるなんて書いてないからやめろと主張した。野田佳彦首相は今苦しくても消費税を上げないと財政が破綻して、ギリシャのように国が大変なことになると言った」
「僕は3回、小沢さんと話した。話せば分かると思った。景気が悪くなった場合は増税を延期できるような条項を入れようと相談した。小沢さんは景気条項を法律の本則に入れてくれと言ってきた。野田首相は付則でどうかと言った。小沢さんはそれを受け入れなかった」
――安倍晋三首相は再び増税先送りの方針を表明しました。
「新しい判断でリスクがあるから先送りだというが、リスクは常にある。そんなことを言ったら、いつまでも消費増税はできない。経済は生き物だ。経済的なリスクを理由に一回決めたことをやらないと言い出したら、永久にやらないということになる」
――今の民進党に注文はありますか。
「バランスと緊張感がなければ、権力は腐敗する。権力が横暴になる。今はバランスがよくない。野党が弱すぎるからだ。野党はまとまり、一つの大きな塊にならないといけない。野党第1党の民進党がしっかりしないといけない」
「二大政党が拮抗していれば、バランスもとれて片方が暴走できなくなる。今回の参院選では共産党も含めた協力で1人区で野党統一候補を多く擁立した。方向性は間違っていない」
――参院の役割が問われています。
「参院は地域代表なのか職能代表なのかを含めて考えるべきだ。職能代表をもう少し重視してもいいと思う。もう少し学者、文化人も入れるようなイメージだ」
――今後の活動は。
「政治活動は続ける。中国の子どもたちとの教育交流など、平和な社会をつくる努力をしたい」
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公明 荒木清寛氏 政権運営、ブレーキ役に
――60歳での引退は若い方です。
「公明党は余力を残してバトンタッチする内規がある。ルールに従って後進に道を譲るのが公明党議員としてあるべき姿だ。新たなステージで党勢拡大のための応援もするし、弁護士として社会貢献したい」
――最も印象的なことは。
「1999年、法務委員長として通信傍受法を含む組織犯罪対策3法を成立させたことだ。当時野党だったが、公明党以外の民主、社民、共産各党が猛反対した。本会議で委員長解任決議案も出され、徹夜国会になった」
――公明党は今後どう歩むべきか。
「国会議員、地方議員一人ひとりが『大衆とともに』という立党精神を毎日振り返りながら活動すれば、針路は間違えない。連立政権の一角を担うようになり、ますます仕事ができる立場に置いてもらっている。後輩はその責任を自覚し、いかに大衆のための政治が実現できるかに心血を注いでもらいたい」
――安倍政権に注文を付けるとすれば。
「支持率が高く、国民の評価を得ている。しかしそれに驕(おご)って、強引な政権運営になってはいけない。その時は公明党がブレーキをかけないといけない」
――参院のあるべき姿は。
「選挙制度までさかのぼって見直すべきだ。地域ブロックごとの大選挙区制にすれば、中小政党、無所属の人も出られる。二大政党制を志向する衆院とは少し異なった構成にすれば、衆院の行き過ぎをチェックする本来の役割を果たしうるのではないか」
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自民 岸宏一氏 「地方代表」明確に
安倍晋三首相が就任してから外交面で日本の地位が上がった。2015年10月に議員連盟でブルガリアを訪問した際に、同国の大統領、副大統領、議長からそろって安倍首相のブルガリア訪問を要請された。「安倍首相は世界のリーダーの一人だ」と。1年ごとに首相が変わる体制ではなかったことだろう。あえて運営に注文をつければ、自民党内の手続きは丁寧にしてもらいたい。
憲法を改正し、参院議員は地方代表だということを明確にしてほしい。合区は廃止すべきだ。参院の独自性を示すことができるし、国民的な理解も得られる。
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民進 江田五月氏 「鳥の目」を大事に
民主主義の議論には(1)情報の共有(2)発言の自由(3)相互浸透(4)多数決(5)少数意見の尊重――の5つの原則がある。安倍晋三首相に欠けているのは相互浸透。相手の意見に影響される気持ちがまるでない。敵対意識を持たず、泰然として人の意見をよく聞いてもらいたい。そうでないとどこかで大間違いをすることになる。
後進に「もっと遠い先をみたらどうか」と伝えたい。与野党とも目の前のことだけで右往左往している。政治は理想に向けて現実に一つ一つ改革を加えていく営みだ。虫の目も大事だが、鳥の目も大事だ。
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民進 北沢俊美氏 野党巻き込んで
(1992年初当選時の)私がいたころの自民党は野党に最大限、国会で発言の機会を与えた。野党転落を経験してゆとりがなくなり、議会を軽視する風潮が強まっている。第2次安倍政権以降は顕著だ。安倍晋三首相は議会をもっと大切にし、謙虚な姿勢で臨んでほしい。憲法はもちろん、外交や安全保障政策は野党第1党を巻き込んでまとめるのが王道だ。
若い人には国民に選ばれた自覚をもち、国民への奉仕を1番に据えてほしい。党が政策をまとめる際、時には自説に沿わぬ内容でも大きな枠の中で許容する度量をもつことが大切だ。
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民進 直嶋正行氏 安倍政権は「強権」
安倍政権は強権政治、新重商主義だ。経済格差と国民の間の溝が広がっていく。安倍晋三首相は強引にやらずに、もっと国民合意をしっかり取るべきだ。特に憲法改正など重要な問題は国民の合意を得ないと、亀裂が残ってうまくいかなくなる。
政治は参院から変わる。2007年は野党だった民主党が圧勝して、09年の政権交代につながった。10年の敗北は2年後の民主党政権の下野につながった。国民の信頼を回復させることが一番大切だ。「チーム民進」で思い切ってやってほしい。改革の精神は忘れてはいけない。
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お維 江口克彦氏 保守の野党必要
パナソニックの創業者、松下幸之助氏の考え方を永田町に注入したいという思いがあって国会議員になった。民進党の野田佳彦前首相をはじめ、松下政経塾出身の政治家の多くは松下氏の考えを軽視したやり方で政治活動をしている。その姿をみて残念に思った。もう一度、松下氏の考え方を心で勉強してほしいと言いたい。
70歳で政界に入った。与野党の議論はすれ違いばかりだ。お互いに言いっ放しになっている。革新野党ではなく、保守の野党が必要だ。天国にいる松下氏には、政経塾を始めるのが遅すぎたと伝えたい。
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進む世代交代
参院選で改選の対象となる議員の任期は7月25日までで、20人が引退や不出馬の見通しだ。民進党では輿石氏や江田氏ら旧民主党で中枢を担ったベテランが引退し、世代交代が進む。広田一、安井美沙子両氏は次期衆院選の小選挙区にくら替え出馬を予定する。
共産党の市田忠義副委員長は今期限りで引退する方針だったが、その後に撤回。野党間協力が重視される中、13年にわたり書記局長を務めた経験に頼らざるを得なかったようだ。自民党では小坂憲次元文部科学相が出馬を見送った。病気治療に専念すると説明。政界引退は否定している。
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選挙改革、骨太の議論期待
引退する議員から異口同音に漏れたのは、参院のあり方を問う警鐘だ。7月の参院選から合区が導入されるが、あくまで暫定措置。次々回の参院選に向けて仕切り直しの選挙制度改革議論が始まる。議員の死活問題に関わる改革はどうしても数合わせに走りがち。「良識の府」のはずの参院をどう形づくるか。今度こそ骨太の議論を期待したい。さもなくば、参院不要論がいよいよ現実のものとなる。
(黒沼晋)
[日経新聞6月12日朝刊P.12]
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