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「「國體」の意味が未決のまま「國體ノ変革」を企てた者は厳罰に処されました。:内田樹氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/20167.html
2016/6/13 晴耕雨読
https://twitter.com/levinassien
最近、自民党の政治家たちが「国柄」という言葉を使い始めました。
なんだか違和感があるな・・・と思っていたら、山崎雅弘さんの本に、この言葉を定義した文章を見つけました。
「国体とは国がらである。国がらとは、この国の特有なる本質を表現した姿である。わが日本国家の国体(くにがら)は、皇国の本質すなわちわが国家組織の根本たる天壌無窮の皇運の表現したものであって、またその姿であり、このはたらきである。(・・・)この皇国の本質を発揚すべく支持し奉っているものは、日本国民の信念であり努力である。この国民的信念を貫き、この国民的努力に励む心がすなわち日本魂であり、日本精神である」(河野省三、『我が国体の本義と神道』、文部省教学局刊、1939年)
『国体の本義』の副読本です。
「国体」には「くにがら」とルビを振ります。
政治家たちが「国柄」と言ったら「國體」と脳内変換。
「國體」について書かれた最も印象的な文章を引用しておきます。
ポツダム宣言受諾のときの話です。
「これが國體の変革を意味するかどうかが御前会議でもっとも激しい論戦の的となり、降伏の最後的決定を遅らせたこと周知の通りである。ここで驚くべきことは、あのようなドタン場に臨んでも、國體維持が支配層の最大の関心事だったという点よりもむしろ、彼等にとってそのように決定的な意味をもち、また事実あれほど効果的に国民統合の『原理』として作用してきた実体が究極的に何を意味するかについて、日本帝国の最高首脳部においてもついに一致した見解がえられず、『聖断』によって収拾されたということである。しかもさらにその『聖断』が果たして國體を完うするものかをめぐって、軍部は承詔必謹派と神州防衛派に分裂した!」(丸山眞男『日本の思想』)
重要な概念であるほど一意的な定義になじまないというのは経験的に確かです。
問題はこの人によってさまざまに解釈しうる「國體」の語が治安維持法では法律用語となったことです。
「國體ヲ変革スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シタル者」は最高刑死刑に処せられました。
「國體」の意味が未決のまま「國體ノ変革」を企てた者は厳罰に処されました。
治安維持法による逮捕者は数十万、送検75000人、拷問死65人を含む死者1682名。
「国柄」という語を浮ついた文脈で使う政治家たちは「國體」概念の運用者たちが過去にどれほどの人を殺したのか知らないのでしょう。
山崎雅弘さんの『安倍政権と「日本会議」』(集英社新書近刊)のゲラを読んで帯文を書きました。
山崎さんのように、できるだけ史料に語らせ、主観を極力抑制するという構えは論争的主題についてこそ必須のものだと思います。
続いて同じ山崎さんの『中東戦争全史』(朝日新聞出版)のゲラを読みます。
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