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1%対99%見分ける最良方策はTPPへの賛否ー(植草一秀氏)
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10th Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
今日からちょうど1カ月後に、参院選が実施される。
とても大事な選挙だから、日本の主権者は、この1ヵ月間、参院選のことを徹底的に考えよう。
先日、ホセ・ムヒカというウルグアイで大統領をされた方が来日して講演した。
そのなかで、日本の若者に次のように語った。
「極めて少数の者に、世界の富が集中している。
生産性が高まったけれども、分配の仕方が悪いので、社会的な弱者に恩恵が及ばないのだ」
「「政治に関心がない」「政治は重要じゃない」と言う人がいるが、
政治を放棄することは少数者による支配を許すことにつながる。
人間に上下はない。男も女も同じ権利を持つ。公爵も伯爵もないのだ。
民主主義には限界がある。それでも社会をよくするために闘わなければならない。
政治とは、すべての人の幸福を求める闘いである」
いまの日本、本当に良い国と言えるだろうか。
豊かな国とは、豊かさを皆で分かち合える国だ。
GDPがいくら大きくても、多数の人が生きてゆくことすらままならない状態に放置されていて、
豊かな国だと言えるのか。
ホセ・ムヒカさんが言うように、
「分配の仕方が悪いので、社会的な弱者に恩恵が及ばない」
「極めて少数の者に、世界の富が集中しすぎている」
これが問題なのではないか。
人それぞれに、自分の考え方があるから、強制はできない。
でも、社会はひとつだから、どのやり方で社会を運営するのかを決めなくてはならない。
その決め方として、私たちが採用しているのが、
民主主義
というやり方だ。
お金持ちも、お金持ちでない人も、一人一人の発言権を同じにする。
その上で、みんなで話し合い、最後は多数決で決める。
これが民主主義のやり方だ。
全員が直接話し合うことはできないから、選挙で代表者を選び、その代表者に話し合いをやってもらう。
これが代議制民主主義だ。
その代表者を選ぶ選挙があるのだから、老若男女を問わず、
全員が関心を持って選挙に臨まなければならない。
「アベノミクス」
と表現すると、良いもののように感じる人がいるかも知れない。
「アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが来る参議院選挙の最大の争点であります」
などと言われると、中身を考えずに、加速しなきゃいけないなどと考えてしまいがちだが、
そんなそそっかしいことをしてはいけない。
アベノミクスは、ホセ・ムヒカさんが言う、
「分配の仕方をもっと悪くする政策」
なのだ。
弱肉強食がいいと考える人はアベノミクスに賛成するべきだ。
しかし、弱肉強食では、皆が分かち合い、皆が豊かに暮らすことはできない、と考える人は、
アベノミクス=安倍政治にNO!を突き付けるべきだ。
5月24日に、鳩山友紀夫元首相が代表を務める
東アジア共同体研究所が主催する
「世界友愛フォーラム勉強会」
に講師として招いていただいた。
その際の講演動画を上記の研究所がネット上に公開して下さったので、一度ご高覧賜れればありがたく思う。
米・官・業・政・電が支配する日本。
そのなかで、原発、憲法、TPP、沖縄、格差、消費税の問題がある。
これらの問題についての基本事項を説明しているので、少し時間がかかるがご高覧賜りたい。
また、6月12日の日曜日、東京有楽町マリオン前で、
TPP批准阻止・TPP参院選争点化を訴えるリレートークが実施される。
https://twitter.com/TPP_kantei/status/737201345581588481
・原中勝征(前日本医師会会長)
・山田正彦(元農林水産大臣)
・石田正昭(日本協同組合学会会長)
・山根香織(主婦連参与)
・醍醐總(東京大学名誉教授)
・安田節子(食政策センタービジョン21)
・野々山理恵子(生活協同組合パルシステム東京)
・植草一秀(オールジャパン平和と共生)
・孫崎享(元外交官)
・ママデモ
・ママの会
などの方々が、リレートークを行う予定である。
ぜひ、散歩がてら、有楽町マリオン前にお越し賜りたい。
参院選があり、いずれかの近い将来、衆院選が実施される。
国会は国権の最高機関であり、国会での決定がこの国のすべてを決めてしまうと言っても過言でない。
この国会に主権者の意思が反映されなければならない。
いまの政治は
1%対99%
だと言われるが、
1%が政治を支配することは、本当はおかしい。
民主主義なら、1%よりも99%が圧倒的な力を持つはずだからである。
ところが、現実には、1%の意思が政治を支配してしまっている面が強い。
このミステリーを私たちは解かなければならない。
実は、日本の支配者、米官業政電の利権複合体は、
政治勢力がはっきりと二つに分かれることを何よりも恐れている。
1%の利益を追求する勢力
と
99%の利益を追求する勢力
とが明確に分かれて、民主主義のルールに則って政治が運営されることを何よりも恐れている。
なぜか。
そうなれば、必ず、99%の意思が実権を握るからである。
そこで、彼らは何をするか。
反対勢力がピュア−に、そして、ひとつにまとまらないようにするのだ。
既得権のための政治、1%のための政治に反対する人々がひとつにまとまったら、
1%の側が大惨敗するのは当然だ。
そこで、二つのことをする。
ひとつは、99%の人々の一部に、おこぼれを与えるのだ。
そうすると、99%の側の人々が1%の側になびく。
それからもう一つは、99%の側の勢力にスパイを送り込むのだ。
相手陣営に1%の側の利害代表者を意図的に送り込む。
できれば、その利害代表者に相手陣営を支配させる。
こうすれば、反対勢力が増殖し、1%の側を破滅に追い込むことがない。
アメリカの民主党と共和党がこれだ。
1%の勢力は、民主党と共和党の両方に人を送り込んで、1%の人々の利益を壊さないようにしている。
ところが、このトリックに米国民が気付き始めた。
共和党でトランプ氏を支持する人、民主党でサンダースを支持する人は、
いわゆる
「反エスタブリッシュメント」
と言われるが、
「1%が支配する政治」
に対して反発しているのだ。
これが大統領選を複雑にしている。
本当は、民主党支持者の「反エスタブリッシュメント」派の人々と、
共和党支持者の「反エスタブリッシュメント」派の人々が連携すればよい。
そうすれば、米国政治を変えることができるかも知れない。
アメリカを支配する1%は、絶対にこれを許さない。
クリントン氏は1%の支持を受けている。
トランプ氏は1%の支配下には立っていない。
だから、1%の勢力はクリントン氏の当選に力を注ぐだろうが、
それがうまくいかない場合には、トランプ氏と直談判に進むだろう。
トランプ氏に、大統領に就任させる代わりに、1%の側の要求を呑めと交渉すると思われる。
トランプ氏がこれを拒絶する場合は、トランプ氏の命が狙われる可能性もある。
1%の勢力は、何としてもTPPを批准させようとしている。
日本では、1%対99%のピュアな対立図式成立を妨害しているのが、民進党内の隠れ自公勢力だ。
この勢力が表に立つと、「安倍政治を許さない!」との思いで投票しようとしている主権者が
選挙棄権に回ってしまう可能性が高い。
それだけに、1%の側にとって、民進党の隠れ自公勢力ほど大切な存在はない。
2009年に鳩山政権が誕生したときには、民主党の中枢を、反既得権勢力が占有してしまった。
これが「小鳩体制」である。
1%の側にとって、まさに存亡の危機だった。
だからこそ、1%の陣営は死に物狂いで「小鳩体制」を破壊しようとした。
そのときに、その破壊活動の中心を担ったのが、現在の民進党内に存在する「隠れ自公勢力」なのだ。
1%の側にとって、これほど貴重な存在はない。
私たちは、この構造を熟知しなければならない。
日本政治刷新に、この問題解決は避けて通れない。
分かりやすいリトマス試験紙は
TPP賛成かTPP反対か
である。
本当は賛成なのに、表面だけ反対を装う勢力が存在することに注意が必要だ。
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