2016.6.9 16:27 【尖閣接続水域侵入】 共産・志位和夫委員長「極めて重大」と中国批判し厳重抗議 http://www.sankei.com/politics/news/160609/plt1606090026-n1.html 共産党の志位和夫委員長は9日の記者会見で、中国海軍艦艇が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域に入ったことについて「尖閣諸島は歴史的にも国際法上もわが国の領土であり、この接続水域に中国軍の艦船が今回初めて入ったことは極めて重大だ」と中国を批判した。 志位氏は「領土をめぐる紛争問題が存在している海域でのこうした軍艦による侵入は軍事的緊張を高めるだけであり、事態の平和的解決に逆行するものだ。厳重に抗議し、繰り返さないことを強く求める」と語った。在京の中国大使館と中国共産党にこの見解を伝える考えも示した。 どうした風の吹きまわしか。これが日本共産党・志位和夫の本心から出た言葉か、それとも単なる選挙対策のための得意の方便か。日本共産党に対する不信感はそう簡単に消えることはない。いずれにしても、口では何とでも言えるものだから、その行動もあわせて、今後とも継続的に注意深く日本共産党を監視していく必要があることには変わりがない。
とにかく、日本共産党は 【日本共産党綱領 2004年1月17日 第23回党大会で改定】 すらも変更していないので、日本共産党をそう簡単に信じることはできない。 平和外交があれば自衛隊はいらない
「憲法完全順守」の立場を強調する日本共産党だが、現在の綱領を読んでも、本気で政権を目指しているのかどうか疑わしい記述は多い。綱領では「民主主義革命」を実現するために必要な「民主的改革」について、いくつか例示している。 例えば、現在も「独占資本主義と対米従属の体制打破」とおどろおどろしい目標を掲げて、日米安保条約の廃棄を明確にしており、自衛隊については 【海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる】 としている。 【軍縮】ということは、当面は自衛隊の存在を認めるということだろう。 ところが、将来的には 【安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ】 という他人任せのような前提を置いた上で、 【国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる】 とも明記している。あくまで現行憲法を順守し、将来的には自衛隊を解消するとの理想論を述べているのだ。 では、仮に自衛隊を解消した後の防衛はどうするのか。こんな素朴な疑問について、綱領にはどこを読んでも明快な答えがない。「自衛隊解消」のすぐ後の記述で 【平和外交を展開する】 とあることから、話し合いで日本を守るという”夢物語”を真剣に提案しているともとれる。 現在の綱領を説明した2004年3月7日付の「しんぶん赤旗」には、「Q&A方式」で「自衛隊をなくす条件が熟するとはどんなことですか」との設問に対し、次のようなことが書かれている。 【たとえば第三段階に進むにあたってやるべき課題の一つに「非同盟諸国首脳会議」に加盟することがあります。この会議は、“どんな軍事ブロックにも加わらない”という国々の集まりです。 憲法の平和原則からすれば当然ですし、“もう軍事ブロックに入らない”と行動で示すことは、周辺の国々と本当の友好関係を深める貴重な糸口ともなります。 このように、道理ある平和外交によって平和的な国際関係を築いていけば、国民の中でも「もう、自衛隊は必要ない」という合意が成熟する条件が整ってくるでしょう。そのもとで国民がじっくりと日本の安全保障のあり方、自衛隊の将来を論議し、「国民の合意での憲法九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」ことになります。】 自衛隊をなくした上で、 【どんな軍事ブロックにも加わらない】 というのであれば、日本列島は”丸裸”である。 【道理ある平和外交】 で、国民に 【もう、自衛隊は必要ないという合意が成熟する条件が整ってくる】 という発想に至っては、当然、中国や北朝鮮などの日本周辺の軍事的脅威は一切入っていないのだろう。 この点に関しては、志位和夫も2015年6月23日に日本外国特派員協会で行った記者会見でこう述べている。 「私たちが政権を担った場合に、独立・中立の日本は、非同盟・中立の流れに参加し、憲法9条を生かした平和外交によって、アジアの国ぐにとも、世界のすべての国ぐにとも、対等・平等・互恵の友好関係を築く。こうした努力ともあいまって日本をとりまく国際環境の平和的安定の情勢が成熟する。それを背景として、“自衛隊がなくても日本の安全は大丈夫だ”という圧倒的多数の国民の合意が成熟することを見定めたところで、憲法9条の完全実施の手続きに入ります。すなわち自衛隊解消に向かうというのが私たちのプランです。」 志位和夫も自衛隊解消への道筋を語っているわけだが、そもそも本当に「自衛隊はなくても日本の安全は大丈夫だ」との国民の合意が形成される日が来ると思っているのだろうか。しかも自衛隊解消後の代替の防衛措置は結局示していない。「憲法9条を生かした平和外交」の意味もよく分からない。 理想を語るのは自由だが、こんな夢物語で国民の支持を得ようと考えているとすれば、とても真剣に国民連合政府を目指しているとは思えない。「おめでたい」としか言いようがない。 日本共産党綱領 2004年1月17日 第23回党大会で改定 http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/ 日本共産党綱領と天皇制、自衛隊 2004年3月7日(日)「しんぶん赤旗」 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-03-07/05_01.html 外国特派員協会 志位委員長の講演 2015年6月26日(金)「しんぶん赤旗」 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-26/2015062604_01_0.html 私たちが政権を担った場合に、独立・中立の日本は、非同盟・中立の流れに参加し、憲法9条を生かした平和外交によって、アジアの国ぐにとも、世界のすべての国ぐにとも、対等・平等・互恵の友好関係を築く。こうした努力ともあいまって日本をとりまく国際環境の平和的安定の情勢が成熟する。それを背景として、“自衛隊がなくても日本の安全は大丈夫だ”という圧倒的多数の国民の合意が成熟することを見定めたところで、憲法9条の完全実施の手続きに入ります。すなわち自衛隊解消に向かうというのが私たちのプランです。 自衛隊はダメだが、共産党軍ならよい 「自衛隊を解消した上で日本をどうやって守るのか」という疑問への答えは結局、現在の日本共産党の綱領や党幹部の発言から見つけることはできない。そこでヒントになりそうなのが1994年7月の第20回党大会で採択された決議だ。 決議では、憲法9条について 【みずからのいっさいの軍備を禁止することで、戦争の放棄という理想を、極限にまでおしすすめたという点で、平和理念の具体化として、国際的にも先駆的な意義をもっている】 と持ち上げた。日本共産党自身がかつて憲法9条に猛反対したことには一切触れておらず、相変わらずのご都合主義だが、この決議には、実は重要な文言が含まれている。 【わが国が独立・中立の道をすすみだしたさいの日本の安全保障は、中立日本の主権の侵害を許さない政府の確固とした姿勢と、それをささえる国民的団結を基礎に、急迫不正の主権侵害にたいしては、警察力や自主的自警組織など憲法9条と矛盾しない自衛措置をとることが基本である。】 つまり、「自主的自警組織」の設置に明確に触れているのである。これがなぜ、「憲法9条と矛盾しない」かの答えは書いていない。 さらに、1997年9月の第21回党大会での決議では、「国民の合意の成熟」による将来的な自衛隊解消を目指す方針を示す一方で、次のようにも述べている。 【独立・中立を宣言し、諸外国とほんとうの友好関係をむすび、国民的団結によって主権を確保している日本には、どの国からであれ侵略の口実とされる問題はない。わが国が恒常的戦力によらないで安全保障をはかることが可能な時代に、私たちは生きているのである。】 この2つの決議から導かれる結論は、自衛隊という「恒常的戦力」は保持しないものの、日本に対する急迫不正の主権侵害があった場合には、自衛のための「自警団」のような「国民の蜂起」と警察力で対応するということらしい。まるで米軍爆撃機に対し「竹やり」で対抗することを国民に求めたような発想だ。 しかも、「中立日本」と言っているのだから、この時点で当然、日米安保条約は廃棄しており、米軍による日本の防衛もあり得ない。日本は完全に無防備なまま、「臨時的」に結成される自警団と警察だけで安全保障を考えなければならないのだ。 さらに、日本共産党の記録をさかのぼると、1973年11月の第12回党大会で決定した「民主連合政府綱領についての日本共産党の提案」でも 【急迫不正の侵略にたいして、国民の自発的抵抗はもちろん、政府が国民を結集し、あるいは警察力を動員するなどして、侵略をうちやぶることも、自衛権の発動として当然】 と述べている。 ただ、当時は、 【独立した国家が一定の期間軍隊をもたず国の安全保障を確保しようとするのは、たしかに一つの矛盾】 とも認めており、 【わが党は、将来は、独立・中立の日本をまもるための最小限の自衛措置をとるべきことをあきらかにしています】 とも明確に書いている。 要するに、現在の自衛隊は認められないが、別の新たな自衛のための組織、すなわち日本共産党が政権を取った時には、新たに「自衛軍」のような組織を作ることを否定しないのである。現在の自衛隊は大嫌いで違憲だが、新たに創設する「共産党軍」のようなものは素晴らしい組織であり違憲ではないということだ。 すでに自衛隊が存在しているにもかかわらず、これを廃止して新たな防衛組織を作る。そんなことは現実的な安全保障の観点からも、理屈の上でも通らないが、本音では、日本共産党としても「軍が必要ない」などとは決して思っていないのだ。 日本共産党第21回大会決議 1997年9月26日 第2章 日本共産党はどんな日本をめざすのか http://www.jcp.or.jp/jcp/21taikai/21-ketugi/21-reso-2.html 昭和21年8月24日 帝国議会議事録 http://teikokugikai-i.ndl.go.jp/cgi-bin/TEIKOKU/swt_dispdoc.cgi?SESSION=59552&SAVED_RID=2&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=5&DOC_ID=1577&DPAGE=1&DTOTAL=11&DPOS=2&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=1&MODE=1&DMY=59655 ○野坂參三君 私は日本共産黨を代表しまして、今上程されました委員長報告修正案及び之と切離すことの出來ない全憲法草案に付て、私達の所見を述べ、此の修正案及び原案全體に對して反對の意見を述べたいと思ふのであります 更に當草案は戰爭一般の抛棄を規定して居ります、之に對して共産黨は他國との戰爭の抛棄のみを規定することを要求しました、更に他國間の戰爭に絶對に參加しないことを明記することも要求しましたが、是等の要求は否定されました、此の問題は我が國と民族の將來に取つて極めて重要な問題であります、殊に現在の如き國際的不安定の状態の下に於て特に重要である、芦田委員長及び其の他の委員は、日本が國際平和の爲に積極的に寄與することを要望されましたが、勿論是は宜いことであります、併し現在の日本に取つて是は一個の空文に過ぎない、政治的に經濟的に殆ど無力に近い日本が、國際平和の爲に何が一體出來やうか、此のやうな日本を世界の何處の國が相手にするであらうか、我々は此のやうな平和主義の空文を弄する代りに、今日の日本に取つて相應しい、又實質的な態度を執るべきであると考へるのであります、それはどう云ふことかと言へば、如何なる國際紛爭にも日本は絶對に參加しないと云ふ立場を堅持することである、之に付ては自由黨の北君も本會議の劈頭に於て申されました、中立を絶對に守ると云ふこと、即ち我が政府は一國に偏して他國を拜すると云ふが如き態度を執らず、總ての善隣國と平等に親善關係を結ぶと云ふことであります、若し政府が誤つて一方の國に偏するならば、是は即ち日本を國際紛爭の中に巻込むこととなり、結局は日本の獨立を失ふこととなるに違ひないのであります、我々は我が民族の獨立を飽くまで維持しなければならない、日本共産黨は一切を犧牲にして、我が民族の獨立と繁榮の爲に奮鬪する決意を持つて居るのであります、要するに當憲法第二章は、我が國の自衞權を抛棄して民族の獨立を危くする危險がある、それ故に我が黨は民族獨立の爲に此の憲法に反對しなければならない、是が我々の反對する第四の理由であります 日本共産党第20回党大会決議 (1994年7月23日採択) http://space.geocities.jp/sazanami_tusin/congress2/20th/decision20th.htm#BM03 本音は改憲による新国家樹立 さらに歴史を遡ると、日本共産党は1968年1月7日、「日米軍事同盟打破、沖縄の祖国復帰の実現ー独立、平和、中立の国を目指して(日本共産党の安全保障政策)」との政策を決定している。これを紹介した翌8日付の「しんぶん赤旗」の記事を読むと、日本共産党の本音とご都合主義ぶりがよく分かる。 まず自衛隊について 【アジア侵略の従属軍隊であるとともに、軍国主義復活の先頭にたっている人民弾圧の軍隊であり、憲法九条をじゅうりんしてつくられた非合法の軍隊である】 と定義している。「人民弾圧の軍隊」とは実におどろおどろしい。 半世紀近く前の政策とはいえ、ここまで侮辱している自衛隊を現在の日本共産党は当面認めるというのだから不思議だ。 そして、いよいよ「独立・民主日本の防衛問題」との項目を立てて、次のような問題提起をしている。 【日本の安全保障の問題で、解明する必要がある一つの重大問題に「安保条約を破棄したあと、どうして日本を防衛するか」という問題がある。これは多くの人々が、安保破棄、平和、中立化の政策にたいして、一面期待をもちながらも、反面、疑問や不安をも表明している問題である】 さらに、 【われわれは、日本人民の未来の展望を確信をもってさししめすマルクス・レーニン主義の党として、独立と平和をかちとるための当面の諸政策だけでなく、この問題にかんする独立・民主日本の将来の展望についても、問題をあいまいにすることなく、その原則的見地を明快にしめさなければならない】 とも強調し、疑問に答えようとする率直な姿勢がうかがえる。 ところが、この後から不思議な展開になる。日本共産党として 【日本民族が、自国を外国の侵略からまもる固有の自衛権をもっていることを否認したことは一度もない】 とした上で、 【日本が安保条約を破棄したからといって、自民党が宣伝しているようにソ連や中国など社会主義の国家が日本に侵略をしかけてくるような心配はまったくない】 と明言。米ソ冷戦の真っただ中の時代に、 【心配はまったくない】 と言い切った後、さらに驚くべき論理が展開される。 【しかし、帝国主義がなお存続する以上、独立して、平和、中立の政策をとる日本が、アメリカを先頭とする帝国主義陣営から侵略を受ける危険は、依然としてのこっている。この点からいっても、独立した日本が、自衛の問題を無視するわけにはいかないことは明白である】 何の根拠も示さないまま、日本を侵略する可能性があるのは、ソ連(ロシア)でも中国でもなく、米国などの西側諸国だというのだ。さらに、米国との 【安保条約を破棄】 し、 【米軍を追いはらい】 という口汚い言葉が続いた後、 【かちとった政治的独立をまもるために、必要適切な自衛の措置をとる完全な権利をもっていることは、いうまでもない】 と明確に述べている。つまり、「日米安保に基づく米軍と自衛隊はいらない」が、「西側諸国と戦うための自衛組織は必要」と堂々と述べているのである。 憲法改正についても同様だ。「自衛措置は必要」としながらも、 【現在の憲法のもとで国が軍隊をもつことは正しくない】 と護憲の素振りを見せつつ、 【完全に独立し、新しい民主的発展の道にふみだした日本が、どのような内外情勢の変化があっても、いつまでも現行憲法のままでよいということを意味するものではない】 と明確に改憲を訴えている。ではどこを変えるのか。 【たとえば、現行憲法には平和的、民主的条項のほかに、天皇制をのこして主権在民をあいまいにした反動的条項もある】 としており、第1章の「天皇」は削りたいようだ。さらに次のような核心に踏み込む。 【将来、日本が独立、民主、平和、中立の道をすすみ、さらに社会主義日本に前進する過程で、日本人民の意思にもとづいて、真に民主的な、独立国家日本にふさわしい憲法を制定するために前進してゆくことは、歴史の発展からいっても当然のことである。そして、そのとき日本人民は、必要な自衛措置をとる問題についても国民の総意にもとづいて、新しい内外情勢に即した憲法上のあつかいをきめることになるであろう】 驚くべきことに、「独立国家日本にふさわしい憲法を制定するのは当然だ」と言い切っているのだ。もっとも、新憲法の全体像や、「必要な自衛措置」に関する具体的な提案は見当たらず、「国民の総意」にすべてを委ねたような曖昧な記述で、決して「本音」を語ってはいない。 だが、日本共産党の究極の目標は、現在の綱領にも明記しているように「社会主義・共産主義の社会」をつくることにある。「天皇」の条項があり、私有財産も保障している現行憲法で、日本共産党が理想とするような新国家が作れるはずはない。 そもそも「革命政党」なのだから、「現行憲法を守る」などという言葉を信じてはいいはずがないのである。 しんぶん赤旗 2015年6月26日(金) http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-26/2015062604_01_0.html 【ですから、私たちが政権を担ったとしても、自衛隊との共存の関係が一定期間つづくことになります。そうした過渡的な時期に、万が一、急迫不正の主権侵害など、必要に迫られた場合には、可能なあらゆる手段を用いる、存在している自衛隊を国民の安全のために活用するということも、私たちは党大会の方針で決めています。】 日本共産党綱領 2004年1月17日 第23回党大会で改定 http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/ 五、社会主義・共産主義の社会をめざして
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