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安倍首相は、アナクロじゃないかとまで思わせるほど強硬な愛国右派の仮面をかぶったリベラルな政治家である。
安倍首相の右翼に見せる仮面はリベラルな政策を実現するための防波堤であり、アベノミクスが国民生活改善や経済成長に資することがなかったことへの反省を踏まえ、今後は所得再分配政策の強化などリベラルな政策へと舵取りを行うことになる。
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[大機小機]そして首相は何をする
安倍晋三首相が2017年4月に予定していた消費増税の2年半先送りを決めた。衆院解散も見送った。首相にとって、もともと気乗りしなかった消費増税を再び延期するのは想定どおり。誤算は、熊本地震などの影響で、7月の参院選にあわせた衆参同日選ができなかったことだろう。
ダブル選挙には、自民党の集票力をフル回転させ、憲法改正の発議に必要な衆参両院でそれぞれ3分の2の議席を、自公両党など改憲勢力で確保する狙いがあった。悲願である改憲にむけて一世一代の勝負をするチャンスは消えた。
「安倍さん、参院選で3分の2をとれなかったら何をするの?」。永田町や霞が関からは、気の早い声が聞こえてくる。増税から解放された首相が、本気で取り組む課題は何か。それは安倍氏が持つ「3つの顔」のどれが表に出てくるかによる。
一つは理念的な保守政治家の顔だ。従軍慰安婦問題を巡る河野談話の見直しに意欲を示したり、首相就任後に靖国神社に参拝したりしたときの安倍氏だ。だとすれば、参院選後はやはり憲法改正。民進党保守派など改憲勢力の糾合にあの手この手を考えるだろう。保守の枠にはまらないかもしれないが、北方領土や北朝鮮による日本人拉致問題の解決も優先課題になる。
安倍氏には、意外と現実主義者の顔もある。従軍慰安婦問題で「おわびの気持ち」を表明した昨年末の日韓合意などがそうだ。靖国神社にも一度参拝したきりで「毎年参拝」にこだわった小泉純一郎元首相とは違う。こちらの顔が前面にでれば「政権運営に最も必要なのは脱デフレにむけた経済再生」に落ち着く。
気になるのは、ときおり安倍氏がみせる昔ながらの自民党政治家の顔だ。かつて郵政造反組の議員を復党させて言った言葉は「おかえりなさい」だった。優しさがあだになって非情になれない。選挙優先で業界団体への配慮がちらつく。アベノミクスのカギを握る規制改革がいまひとつ、迫力がないのはこのためだ。
衆参同日選をしても両院で3分の2を超す保証はなかった。それでも解散を探った理由を、ある自民党議員は「安倍さんは選挙好きでケンカ好きだから」と言っていた。ケンカならデフレを相手に思う存分、やればいい。
(ペン尻)
[日経新聞6月4日朝刊P.17]
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