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絵空事だらけの自民党公約は“独裁者気取り”の首相の妄想
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182946
2016年6月6日 日刊ゲンダイ 文字お越し
「目指す」は「しない」と同義語(自民党参議院選挙公約より)
よくも、これだけ大風呂敷を広げられたものだ。安倍自民党が3日に発表した参院選公約は絵空事の羅列に過ぎない。
大体、安倍首相は約1年半前の総選挙で「再び消費増税を延期することはない」と国民に誓いながら、再び延期を決めたのだ。
安倍首相は公約の冒頭で国民に公約破りを詫びて当然なのに、ヌケヌケとアベノミクスの“成果”をアピール。それも「3年連続で2%水準の賃上げ」「就業者数110万人増加」「国民総所得36兆円増加」など、毎度おなじみの経済指標の作為的な“いいとこ取り”だらけ。
実質賃金は5年連続のマイナスだし、就業者数110万人増のうち、不安定な非正規雇用は安倍政権の誕生以降、74万人も増加している。
国民総所得が増えているなら、なぜ8割以上の国民が景気回復を実感できないのか。経済が好循環で回っているなら、なぜ消費税を上げられないのか。
しょせん安倍首相が胸を張る“アベノミクスの成果”なんて「支離滅裂」のひと言に尽きる。
それでも安倍首相は参院選公約の中でも、増税延期の理由をありもしない「世界経済のリスク」に背負わせ、「あらゆる政策を総動員し、アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」と強調する。失敗が証明済みのアベノミクスのエンジンをふかしても“空ぶかし”になるのは自明の理。よくもまあ、公約に堂々と「さあ、1億総活躍社会へ!」と掲げられたものだ。
そして重点公約の真っ先に「戦後最大のGDP600兆円経済を目指す」と恥ずかしげもなくブチ上げるのだから、もはや正気の沙汰とは思えない。
■「目指す」という言葉は「やらない」と同じ
「GDP600兆円」の実現性など、バカらし過ぎて論じるに値しないが、公約をよく読むと、ある特徴に気付く。
「『第4次産業革命』の先導国として、人工知能など新たな成長市場の創出と生産性革命を目指します」「最低賃金1000円を目指します」「待機児童の解消を目指し」「介護離職ゼロを目指し」「地方創生の実現を目指します」……そう、大言壮語が飛び交う中、やたら「目指す」との表現が目立つ。決して「実行する」「実現させる」としないのが、ミソ。公約を果たせなくても「目指したけど、できなかった」と今から言い訳を用意しているに等しい。
「こんな公約を許せば、政権与党と国民との公約が誇大広告の類いに堕してしまう。選挙公約の『目指す』は『しない』と同義語で何も約束しないのと同じ。いかにも“マスゾエ的”なゴマカシで、こんな姑息な手が通じると思うこと自体、自民党はアタマから尻尾まで腐っている証拠です」(政治評論家・森田実氏)
そもそも自民党はこの先、どんな公約を掲げたところで、トップの「新しい判断」というひと声で、ガラリと変えられるのだ。まさに今回の参院選公約は安倍政権の舌先三寸、ペテン政治の象徴なのである。
二度とダマされてはいけない(C)日刊ゲンダイ
もはや読むだけムダの嘘八百政権の口先公約
むろん、安倍首相がマトモな政治家とはつゆほども思ってこなかったが、「それにしても」と言わざるを得ないほど、最近の言動はあまりにヒドい。
嘘っぱちの「世界経済のリスク」という一点突破で増税先送りに踏み切ると、公約違反の謝罪や説明責任も一切、放棄。「新しい判断」なる便利な言葉を連呼すれば乗り切れると踏んでいる。
4日も視察先の熊本で、「与党で改選議席の過半数」という目標議席に届かなかった場合の責任の取り方を記者団に問われても、ムニャムニャごまかし。「何としても与党で過半数を獲得する。まさにそのことで頭はいっぱいだ」と得意の論点すり替えで、責任論への言及を避けた。
こうしたトップのズルイ政治姿勢は、やはり自民党の参院選公約にも、にじみ出ている。
「『経済のパイ』拡大の成果を子育て・介護など社会保障分野に分配」と“美辞麗句″を連ね、具体策として「保育の受け皿を50万人分増」「保育士や介護職員の処遇改善」「返済の必要がない『給付型奨学金』の創設」などを列挙しているが、いずれも財源は不透明なまま。消費増税の再延期で不足する財源の具体的な補填策の記述は、どこにも見当たらない。
そのクセ、「赤字国債に頼ることなく、安定財源を確保して可能な限り社会保障の充実を行う」と明記しているから、なおさら分かりにくい。政治学者の五十嵐仁氏はこう言った。
「赤字国債とは別の『安定財源』を本当に確保できるのか。『可能な限り』とはどの程度の範囲を指し、具体的にはどの政策を優先するのか。こうした説明を記載してこその『公約』ですが、今の自民党はお構いなし。社会保障は国民の関心が高いため“枯れ木も山の賑わい”とばかりに弥縫策をあれこれ並べ、差し当たり目の前の選挙を乗り切ることしか考えていない。“後は野となれ”で、何でも『新しい判断』で覆せるという歪んだ発想に染まっているのではないか。リーダーの安倍首相以下、腐敗し切った現状を見るにつけ、自民党の参院選公約をウンヌンすること自体、ムダに思えてきます」
■あこぎな手で再び欺けると思ったら大間違い
自民党が参院選公約で最も国民を欺いているのは、安倍首相の「憲法破りの戦争屋」という本質をヒタ隠しにしていること。
26ページにわたる公約をくまなく読んでも「集団的自衛権」の文言は一度も出てこない。解釈改憲で平和憲法を蹂躙し、この国の立憲主義をブチ壊してまで安保関連法の成立にこぎ着け、日米同盟を「深化」させたのが、安倍政権3年余りの“最大の成果”じゃないのか。
だったらアベノミクスの“成果”と同じように大いに胸を張ればいい。ところが、公約の後半に約300項目にも及ぶ細かな政策を並べた「政策BANK」のうち、安保法成立に触れているのはたった2項目。安倍首相が国会で「在任中に成し遂げたい」と明言してきた憲法改正だって、政策BANKの末尾に小さく盛り込んだだけ。それも「各党との連携を図り、併せて国民の合意形成に努め、憲法改正を目指す」と記すにとどめた。
ベストセラーとなっている「日本会議の研究」の著者で、作家の菅野完氏は、5日の毎日紙上で〈選挙では経済政策「アベノミクス」や消費増税延期が与党の主張の前に出て、憲法はかすんでしまうだろう〉〈安倍政権は憲法の何を変えようとしているのか。選挙の前に手の内を明かせと言う必要がある〉と訴えていたが、その通りだ。
争点から憲法改正を後景に退かせることこそが、安倍自民党の最大の狙い。争点にならなくとも、改憲勢力が参院で3分の2以上の議席を占めれば、安倍首相が「民意を得た」と憲法改正に動きだすのは間違いない。
「これだけ身勝手で浅はかな手段が、まだ国民に許されると思っているなら、安倍首相の神経を疑います。14年総選挙の公約に『安保法制の速やかな整備』と小さく書き込み、大勝すると、翌年からゴリ押ししたのと同じ手口。こんな欺きに二度も三度も引っかかるほど、国民は愚かではない。国民も今度こそは嘘八百の姑息な政権に鉄槌を下すべきです」(森田実氏=前出)
民主主義の根幹を成す税制に関する重い判断を自分一人で決めたかのように振る舞う安倍首相の態度に、エコノミストの高橋乗宣氏は〈独裁者になったつもりでいる〉と本紙の連載コラム(3日付)で喝破していた。
安倍自民党のトチ狂った参院選公約も“独裁者の妄想”と捉えれば納得だが、有権者は「もはや常軌を失った政権からの挑戦状」(五十嵐仁氏=前出)として受け止めた方がいい。もう二度と狂気の政権にダマされてはいけない。
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