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テレビ朝日『橋下×羽鳥の新番組(仮)』番組公式ページより
舛添の公私混同を批判した橋下徹が知事時代の我が子特別扱いを指摘され逆ギレ!「だったら父親に知事になってもらえ」
http://lite-ra.com/2016/06/post-2312.html
2016.06.06. 舛添批判の橋下が公私混同を指摘され リテラ
舛添要一東京都知事が本日、記者会見を開き、続投を表明した。しかし今回、第三者から政治資金の支出として「不適切」だと指摘された問題もあり、都民から反発を招くことは必至だ。
そんななか、舛添都知事とは対照的に絶好調なのが、橋下徹前大阪府知事だ。自身の冠番組『橋下×羽鳥の新番組(仮)』(テレビ朝日)では舛添都知事の海外出張問題などを取り上げ、「スイートルームなんか絶対に必要ない」「舛添要一知事の外遊視察経費にはびっくり。大阪府、大阪市では考えられない」「東京都知事がそんなに偉いのかね」などと言及。こうした発言がウケて、複数のテレビ番組などが行った「次の都知事は誰がいいか」というアンケートで、軒並み橋下氏がトップを独占する事態となっている。
舛添の代わりに橋下って、何の冗談だよ、という話だが、先週5月30日放送の同番組では、経済評論家の森永卓郎氏が橋下氏の“本質”にこう切り込んだ。
「都民や国民がいちばん問題にしているのは、権力を握ると公私混同するってこと自体なんですよ」
「(橋下氏は)知事時代に、ガンバ大阪の遠藤選手に、知事の権力を使って、息子たち会わせて、公私混同しましたよね?」
お忘れの方も多いと思うが、橋下氏は府知事時代の2010年、ガンバ大阪所属で日本代表にも選出されていたサッカーの遠藤保仁選手に「感動大阪大賞」を授与。その際に橋下氏は、知事室で自身の子ども3人を遠藤選手と対面させ、写真を撮ったりサインをもらったりしていたことが発覚し、「知事職を利用した公私混同だ」として批判を浴びたのだ。
ただ直接的に金銭が絡んでいないだけで、公私混同という批判はごく当然のものだと思うが、しかし、橋下氏はこの森永氏の指摘を、このように開き直った。
「僕が知事という仕事をやって家族に負担かけてるし、家族も犠牲になってるんだから、これくらい知事ファミリーとしては当然のことですよ」
「サインもらいたいっていうんだったら、自分のお父さん知事になったらいいんじゃないですか」
家族が犠牲になっているから知事の特権を利用するのは当然──。こんな理屈が通るなら、舛添都知事が家族旅行を会議費で収支報告していたことだって「知事ファミリーとして当然」となってしまわないか。それを平然と正論のようにぶってしまえる、これが橋下氏の恐ろしさだ。
さらに、橋下氏はこう畳みかけた。
「僕、さっき森永さんの私物のところにサインしたじゃないですか」
「人のこと批判しておいてね、それ公私混同じゃないですか」
サインをもらいに来た森永氏だって公私混同してるじゃないか、と言うわけだが、これはまったく反論になっていない。森永氏が問題にしているのは“権力者による公私混同”であって、森永氏は政治家でも何でもない、たんに共演者にサインをもらいに行っただけだ(ちなみに森永氏の趣味はサイン収集)。問題のポイントは権力を利用しているかどうかなのに、それを橋下氏はお得意の話のすり替えで矛先をずらしたのだ。
こんな口だけ達者な男が都知事になったって、大阪の悪夢が東京で繰り返されるだけだが、本人いわく、都知事選への出馬は「絶対ないです」。この人の「絶対ないです」ほど信用できないものはないが、すかさず女性学研究家の田嶋陽子氏に「大阪府知事のときだって絶対ないって、200%ないって言って……」と追及されると、橋下氏は「2万%です」と余裕たっぷりに自ら“訂正”。こうしたやり取りを見る限り、橋下氏はウソをついたことをまったく意に介していないどころか、もはや正当化しているようである。
ウソつき総理だけでも手に負えないのに、ウソつき都知事も加わったら、一体どうなるのか……。想像するだけで背筋が凍るが、だが、じつはどうやらこれが現実化する可能性が高まっているらしい。
しかも、それは考え得るなかで“もっとも危険”なシナリオだ。
「衆参ダブル選を見送った安倍首相ですが、リオオリンピックが終わった9月、10月あたりに、衆院を解散させるつもりのようです。この解散選挙を、都知事選とのダブル選にする。もちろん、都知事候補者として担ぎ出すのは、橋下氏です」(大手新聞社政治部記者)
なぜ、解散を9〜10月に設定するのか。それは秋に安倍首相が発表する経済政策にある。ここで安倍首相は大規模な財政出動を行うと見られているが、これにより一時的に株価は上昇。現在の経済状況を考えれば付け焼刃でしかないが、見かけ上は景気が上向きだと勘違いさせることができるため、安倍政権への国民の期待感はアップする。そのタイミングで解散すれば、確実に勝てると見込んでのことらしい。
もはやインチキにも程があるが、恐ろしいのはここから。どうして橋下氏を擁立した都知事選とダブルで行うのか、ということの理由だ。
なんと安倍首相の目論見は、橋下氏擁立で選挙の争点を「9条改正」だと明確に打ち出すことにある、という。
「橋下氏は『9条が今のままでいいとは思わない』『全ては憲法9条が原因』と述べるなど、9条改正に意欲的。現況では改憲を争点にするのはリスクが高いが、橋下氏が9条改正を訴えれば、世論を巻き返せると安倍首相は踏んでいるようです。9条改憲を争点にして選挙に勝てば、憲法をどう変えようが、もう誰にも文句は言われないですからね。そのために衆院選と都知事選をダブルにする必要があるんです」(同前)
現在、安倍首相は都知事選への橋下氏擁立に向けて地固めを行っている最中だというが、そうした一方で橋下氏は自身を「私人」だと言い張り、冠番組『橋下×羽鳥』で自分の存在感を高めることに躍起になっている。そして、放送内容自体もどんどんと“橋下氏にご意見を伺う番組”と化しており、視聴者もまた「やっぱり橋下さんはリーダーシップがある」「見ていて爽快」などと“橋下劇場”に引きずられつつある。
前述の『橋下×羽鳥』で、“橋下都知事待望論が巻き起こっている”と紹介されたとき、橋下氏は無言で、しかしまんざらでもないと言いたげな不敵な笑みを浮かべていた。国民を愚弄し、ウソをウソとも思わないこの男や宰相に、もうこれ以上、躍らされていてはいけないだろう。
(野尻民夫)
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