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消費増税延期は“最初に有りき”だった! 安倍首相の議長総括は「スティグリッツ」のもろパクり
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48820
2016年06月04日(土) 歳川 隆雄 現代ビジネス
■世界経済は大きなリスクに直面しているのか
安倍晋三首相は6月1日の国会会期末記者会見で消費増税再延期を表明した。そして、消費税率10%への引き上げ延期の理由を次のように語った。
「世界経済は今、大きなリスクに直面している。しかし、現時点でリーマンショック級の事態は発生していない。それが事実だ。熊本地震を大震災級だとして延期の理由にするつもりはない。
<中略>今回、延期するという私の判断は、これまでの約束とは異なる新しい判断だ。<中略>国民生活に大きな影響を与える税制で約束してきたことと、異なる判断を行うのであれば、まず国民の審判を仰いでから実行すべきだ」
消費増税を2019年10月まで2年半延期するという判断について、国政選挙である夏の参院選(6月22日公示・7月10日投開票)で国民に信を問うというのだ。
それに先立つ5月27日午後、安倍首相は主要7ヵ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)を終えた後に行った議長総括記者会見でも「世界経済が大きなリスクに直面しているとの危機感を共有した」と強調していた。
では、本当に世界経済は大きなリスクに直面しているのだろうか?
■増税延期は“最初に有りき”だった
先日、英誌エコノミストのタムジン・ブース東京支局長と長時間話をする機会があった。
彼女は、安倍首相が26日午後のG7首脳会議・ワーキングランチで各国首脳に配布したA4版5枚の「参考データ」について、厳しい見方を披瀝した。
そこに掲載されている4つのグラフ・表の説明のいずれにも「リーマンショック前後」「リーマンショック以降」「リーマンショック後」「リーマンショック時」の言葉が使われており、現在の世界経済がまるでリーマンショック当時と同じであるかのようなプレゼンテーションには明らかな意図が感じられる、と。
一部報道が書いているように、この「参考データ」は伊勢志摩サミット直前に今井尚哉首相秘書官(政務担当)が中心となって用意されたものだ。今井秘書官と同じ経済産業省出身の佐伯耕三内閣副参事官などごく少数の官邸内“経産マフィア”が関与した。
「G7首脳宣言」は本来、安倍首相のシェルパ(個人代表)である外務省の長嶺安政外務審議官(経済担当)が中心となって同省経済局が草案作りを担うのだが、今井首相秘書官はこの作業にも積極的に関わったとされる。
その企図するところは明白である。「(消費増税を)先送りすれば、『世界経済への貢献』を率先することになる。さらに参院選後の今夏にも経済対策を柱とした補正予算案を編成する考えだ」(『読売新聞』5月28日付朝刊)ということを念頭に入れた「参考データ」なのだ。
即ち、消費増税再延期は“最初に有りき”であったのだ。では、いつ頃安倍首相は消費増税の先送りを視野に入れたのだろうか?
■スティグリッツが語った3つのこと
本コラムでも書いたことだが、「消費税率10%への引き上げの是非を判断するためにノーベル賞受賞者などの世界的権威を含めた有識者から意見を聞く」としてスタートした国際金融経済分析会合が契機となったことは疑いの余地はない。
ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授を招いた第1回会合は3月16日に首相官邸で開かれた。
官邸のホームページを繰ると、議事要旨がきちんとアップされている。同教授がその席で語ったことは、次のようなものだった。
@現下の世界経済の状況は大低迷。危機ではないが、成長は減速している。2015年は金融危機以来最も悪い年だったが、16年はさらに弱体化する
A世界経済の大低迷は政策の失敗の帰結である。不均衡を是正し、総需要を増加させるための最善の方法は、国際的な協力を形成することである
B日本は成長を引っ張る模範を示すべきだ。金融政策は効果があったが、限界にきている。財政政策にスイッチすべきであるし、そのための余地もある
まさに安倍首相が議長総括記者会見で語ったことだ。
そして安倍首相は5月28日夜、麻生太郎副総理・財務相、菅義偉官房長官、谷垣禎一自民党幹事長を官邸に招き、消費増税再延期と衆参同日選回避を伝えた。消費増税実施と衆参同日選を主張する麻生氏の当夜の怒りはホンモノだった。
なぜ、麻生氏がその2日後に矛を収めたのか、本当の理由は分からない。この「謎」を解くことが参院選後の政局を見据えるうえで重要である。
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