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消費税の税率を上げるたびに、中低所得者・低年金者・生活保護受給者の“打撃緩和”策が取り上げられる。
このことだけでも、消費税制度が社会保障制度と融和的なものではなく対立的なものであることがわかる。
簡単に言えば、消費税増税で5兆円の増収があったとしても、そのうち2兆円は低所得者の生活を「これまでのレベルに維持する」ために使わなければならないのである。
さらに、中所得者や事業者のカネ回りも痛手を被るので、これまでの増税でもそうであったように、景気対策というかたちで3兆円を投入しなければならないことにもなる。
こういった論理で、消費税の税率を引き上げたからといって社会保障制度を充実させることはできないのである。
わかりやすく言えば、消費税を社会保障制度の財源とするという考えは、稼ぎがそれほどよくない(貧乏人ともう少しは稼ぎがある)人たちの相互扶助をセーフティーネットの基礎にしようというものである。
そのような相互扶助制でも最貧層の救済はできるかもしれないが、それによって中低所得レベルの実質購買力が落ちるため、財政出動で支えない限り景気は落ち込むことになる。
社会保障制度の維持や拡充を大義名分に、消費税を導入したり消費税の税率を引き上げたりしようという考えは倒錯以外の何ものでもないのである。
さらに言えば、消費税の増税は、法人税や所得税(消費税は給与支払い税)の減収につながるので、中長期的に考えれば、消費税の税収は増加しても、総税収は減少という悲惨な結果に陥る。
それは、89年の消費税導入、97年の消費税増税は、総税収の減少を招き財政状況をより悪化させてきたことを確認すればわかる。
今回(14年4月)の消費税増税は、円安によるグローバル企業の増益や過去赤字決算企業の法人税免除措置終了などによって、今のところ総税収の減少を免れているだけである。
法人税の税率引き下げと過剰な円安の修正が相俟って法人税収入の減少が顕著になり、今年度から総税収の減少に転じる可能性もある。
小泉進次郎代議士は、「延期するけれども決まっていた(社会保障)充実策はやるというなら、こんなおいしい話はない。そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」と発言したという。
言葉だけをたどると筋を通したことを言っているようにも思えるが、上述した消費税制度の性質を考えれば、消費税の増税で社会保障の充実を主張するほうが味わえない“おいしい話”であることがわかるだろう。
さらに、経済論理からいえば、日本はここ20年思うように消費も拡大せず物価も上がっていないのだから、国民所得から税のかたちでカネを吸い上げる必要はない。
逆に、経済活動を活発にするために、唯一“借金地獄から自由な”中央政府が財政を使って支える必要があるのが現状の日本である。
自民党主力政権も民主党主力政権も、30兆円から50兆円の赤字財政を続けてきた。そして、経済活性化を名目に法人税の税率引き下げも行っている。
社会保障の充実には使ってこなかっただけで、地方自治体への財政支援・公共投資・軍備拡張などには財源論を乗り越えて財政支出を続けてきた。
どちらも必要だが、供給主体(企業)へのカネの配分と低中所得者へのカネの配分のどちらをより優先するのかという問題なのである。
公共事業などは企業へのカネの配分であり、社会保障は低中所得者へのカネの配分ということになる。
とにかく、税収の増加ではなく、経済活動を活性化させ続けることこそが、社会保障制度を持続させる唯一の条件である。
小泉進次郎代議士の「おいしい話」論を援用するなら、消費税増税は、輸出企業(グローバル企業)にとって、税制度(輸出免税)を通じて利益増加させる「おいしい話」である。
さらに、10%の引き上げは、複数税率(軽減税率)制度の導入につながるので、創価学会や新聞社に“新たに”税制度を通じて利益を供与する「おいしい話」でもある。
消費税増税が低中所得者の実質可処分所得を減少させるのが確かだが、消費税は、“特定”(非輸出)事業者の稼ぎ(付加価値)に課税する法人税の変種であり、税で吸い上げたおカネを輸出事業者(グローバル企業)に分配する仕組みでもある。
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消費税増税再延期 自民・小泉進次郎氏「そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」
産経新聞 5月31日(火)17時28分配信
自民党の小泉進次郎農林部会長は31日、党本部で開かれた党政調全体会議に出席し、消費税率の10%への引き上げを来年4月から2年半延期するという安倍晋三首相の方針について「延期するけれども決まっていた(社会保障)充実策はやるというなら、こんなおいしい話はない。そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」と発言した。
さらに、首相が平成26年秋にも消費税増税の1年半延期を決断し、来年4月に先送りされた経緯を念頭に「二度あることは三度ないという説明をどうやったらできるのか。おそらくできない」と指摘。予定通り増税するべきだとの考えをにじませた。
一方で、「今回の決断は社会保障の構造的なあり方(の改革)にもう一度アクセルを踏んでいくスタートにしなければいけない」とも強調。再延期の方針を半ば容認しながらも、社会保障制度の見直しを同時に進めていくべきだとの認識を示した。
小泉氏は会議後、記者団に対し、民進党が再延期の間の社会保障政策の充実を赤字国債を財源に実施するよう主張していることにふれ「自民党はどう責任あるあり方を示していくのかが(夏の参院選の)一つの論点になるだろう」との見方を示した。
最終更新:6月1日(水)12時25分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160531-00000586-san-pol
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