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姑息な失政隠し 参院選の争点は消費増税の是非ではない
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2016年5月31日 日刊ゲンダイ 文字お越し
(C)日刊ゲンダイ
消費税を10%に上げるのか、上げないのか。増税延期を錦の御旗にして、衆参同日選に踏み切るのか否か。
国会の会期末は、「税と選挙」を巡って、揣摩臆測が飛び交う展開となったが、つくづく、永田町は倒錯している。
増税断念はすなわち、アベノミクスの失敗なのに、「だったら、衆院を解散して、同日選をやった方が得だろう」というスケベ心が大手を振って歩いている。そういう邪な思惑の大臣、党幹部の言動が無批判で垂れ流されている。解散権をもてあそんでいるような政治屋がそこにもここにも跋扈している。あり得ないような政治の劣化だ。
このご時世、増税凍結は当然だとして、自分の失政を棚に上げて、よくもまあ、選挙で信を問う、などと言えるものだ。
本来であれば、増税断念の時点で、内閣総辞職。次の政権に経済政策を委ねるのが筋だろう。
それでなくても、安倍政権の経済失政は目を覆うばかりなのである。
民進党の岡田代表は先のサミットを振り返り、「非常に恥ずかしい」と言った。
アベノミクスが破綻し、消費増税を先送りせざるを得なくなった安倍政権がサミットの場を利用、世界経済危機を無理やり宣言しようとしたからだ。この時点で恥ずかしいが、案の定、首脳同士の合意は得られなかった。安倍首相は赤っ恥をかいたのだが、恐るべきはそのあとだ。ナント、合意内容を勝手に“捏造”したのである。
■「アベノミクスを世界に展開」のウソ
安倍は会見で今がリーマン・ショック前夜のような状況だと説明、「最も懸念されるのは世界経済の収縮です」などと言ったが、他の首脳は賛同していない。
「G7で協調して、金融政策、財政政策、そして、構造改革を進め、3本の矢を放っていく。そのことを合意しました。アベノミクスを世界に展開してまいります」とも公言したが、共同宣言の英文には3本の矢なんてどこにも出てこない。書かれているのは「the three pronged approach」――つまり、「3方向からのアプローチ」という言葉なのである。「アベノミクスを世界に展開」なんて、言いも言ったりの大ボラだ。
「要するにサミットでは何の合意もできなかった。世界経済の危機すら共有できなかった。増税先送りを世界経済の失速のせいにするもくろみは見事に外れた。すべてはアベノミクスの失敗であって、自分の責任なのです。それなら『悪うございました』と詫びるのが当たり前なのにオバマ大統領の広島訪問とサミットでちょっと支持率が上がったものだから、党内はイケイケドンドンで、増税先送りで選挙をやれば勝てる。やっちゃえやっちゃえという議論になった。自分たちの都合で選挙をオモチャにしているも同然です。さすがに同日選は見送られる空気ですが、安倍首相は最後まで迷っていた。大マスコミも何の違和感もなく、増税延期と選挙を結び付けて報じた。永田町の非常識には改めて呆れます」(政治評論家・野上忠興氏)
これがマトモな感覚というものだ。
消費増税について公明の山口代表は「党に持ち帰り…」と言うが(C)日刊ゲンダイ
自分の失政を棚に上げて逆に成果にする狡猾
それでなくても、この政権は自分の失政を棚に上げるのが得意中の得意だ。非難されると、付け焼き刃の対応をして、今度はそれを売り物にする。民進党の山尾志桜里政調会長が「保育園落ちた。日本死ね」の問題を取り上げたときもそうだ。抱きつき詐欺のように、野党の政策をパクって、自分たちの成果にしてしまう。
「1億総活躍プランの中に出てくる同一労働同一賃金や最低賃金時給1000円目標、ベテラン保育士の月給最大4万円引き上げなど、みんな旧民主党がマニフェストでうたっていたものをちょっと数字を変えただけです。そもそも、規制緩和を柱とするアベノミクス流新自由主義は格差を拡大させる。旧民主党の政策とは水と油のはずなのに、株価が頭打ちになると、1億総活躍とか言って、狡猾な軌道修正を図る。その極め付きが増税延期だと思います」(野党議員)
消費増税凍結法案は野党が早い段階から共同提出を模索、民進党は今月25日に「19年4月までの延期法案」を提出したばかりだ。今回、安倍が19年10月までの延期を打ち出そうとしているのは、野党案の上を行くためだろう。バナナのたたき売りじゃないのである。
■本当の争点はデタラメ壊憲の是非
この調子だと、狡猾な自民党は、同日選になっても、参院選単独でも、消費増税の延期を前面に打ち出し、「国民の審判を仰ぐ」とか何とか言うのだろう。増税に賛成する国民はいないから、延期には誰も反対しない。野党がいくら無責任だと批判しても、選挙になれば、現世利益が勝ってしまう。そうやって、またまた失政をごまかすつもりなのだが、国民はきちんと今度の選挙の争点が何かを見極めることが大切だ。断じて、増税の是非ではない。本当の争点は安倍が必死で隠していること、つまり、昨年の安保法で見せた“壊憲”への審判、さらには今後の改憲の是非なのである。
「自民党は改憲草案を公にしているのですから、当然、これが争点になるべきです。ところが、安倍政権はそれをひた隠しにしている。安倍首相は改憲草案は『たたき台』などと言って、国民の議論に任せるような口ぶりです。だから、多くの有権者が改憲はまだ先のこととみていますが、とんでもないことです。少なくとも、この改憲草案の位置づけをハッキリさせなければならない。たたき台と言うなら、『ひっこめろ』と迫らなければいけない。改憲の野望満々の首相が、党として憲法草案を出しているくせに、『争点ではない』なんて、言い訳は通じませんよ」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
この政権の薄汚いところは民主主義をご都合主義で利用することだ。民主主義の選挙で選ばれたことを前面に押し出し、だから、閣議決定による解釈改憲も許されると豪語する手口である。しかし、そうした政権が温めている改憲草案は、民主主義の根幹である人権や表現・結社の自由に制限を加え、民主主義を骨抜きにしようというものだ。
ここが薄汚いし、狡猾なのだ。そんな政権に数を与えたら、個人を否定し、権力者をやりたい放題にさせる憲法改正がまかり通ってしまう危険がある。それを許すのか否か。これこそが今度の選挙の争点であって、民主主義の剣が峰と断じてもいいのである。
「この政権の怖さは、本当の企みを隠して選挙をやり、選挙での勝利をいいことに国民が予想もしなかった暴政を始めることです。その背景に、安倍首相個人の資質がある。自分が選ばれた存在だという特権意識があり、だから、権力の行使に対するたしなみや畏れがないのです。これは普通の感覚ではありませんが、安倍首相の場合、強烈な自己愛がそれを支えている。こんな首相が衆参で法外な議席を持ち続けたら、この国がどこへ連れて行かれるか分かったもんじゃありません」(野上忠興氏=前出)
そういえば、安倍の母親、洋子さんは安倍のことを「宿命の子」などというようなことを言っていた。親子で勘違い首相一家が暴走する恐怖。昨今の内閣支持率を見るにつけ、有権者の能天気には背筋が寒くなってくるのである。
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