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2016/05/28 05:55
<平和公園の原爆慰霊碑で献花を終えたオバマ大統領は被爆者らを前に演説を行い、「71年前、晴れた雲のない朝に、死が空から落ちてきた。そして世界が変わった。閃光と火の壁は都市を破壊し、人類が自滅する手段を備えていることを証明した。
なぜ、我々はこの場所に来たのか。広島に。我々は10万人以上の日本の男性や女性、子供たち、何千もの韓国人、捕虜になっていたアメリカ人を含む全ての死者を追悼するために来た。彼らの魂は我々に語りかける。我々が何者なのか、そして我々がどのようになろうとしているのか」
「科学を人生の発展のために使用してほしい。今、広島の子どもたちは幸せに暮らしている。それを世界のすべての子どもたちに。
広島、長崎が核戦争の夜明けとして知られる未来ではなく、私たち自身の道義的な目覚めとなる未来」と述べた>(以上『AP通信』より引用)
核廃絶を願うのは人類共通の思いだ。それは世界平和を願うのと何ら変わらない。しかし現実は核拡散が静かに進行し、戦禍が地上から消えることは一日たりともない。
人は誰かを憎しみ、残酷に殺し合う。哲学が暮らしから消えて久しい。かつてのように哲人が新しい思惟を展開して、論理体系を構築しようとはしなくなった。
その代りに、人類は扇情的になったような気がする。冷静に思考するのが苦手になり、感情の赴くままに支離滅裂な言葉であろうと自身の感情に心地良ければ戦場的な指導者に傾倒するようだ。
冷静に彼の政策を省みれば、安倍氏はこの三年半の間に「国民の生活が第一」に背を向け、財務官僚が第一で、財界が第二の政策を推進してきた事は明白だ。しかしマスメディアは安倍自公政権の圧倒的な高支持率を報じ続けている。
オバマ氏の米国でも、トランプ氏という極めて扇情的な男が大統領候補になった。国家としての全体像や、国民多数の福祉などを語るよりも、扇情的な言葉を羅列して国民に不満を募らせる。
いわば演芸場で即興漫談を演じている芸人のようだ。決して芸人をバカにしているのではない、それはそれで長年の修行により妙意即答の阿吽の呼吸が身に着かなければ出来ない芸当だろう。
しかし政治家はそうではない。「美人過ぎる○○」というのが一時流行った。若くて美人であれば選挙に勝てる、と政治をバカにしたハヤリがあった。いや、今もそうなのだろう。国会議員に当選したイケメンが飛んでもない人物だと顰蹙を買う「事件」が度々起きている。
オバマ氏は大統領就任早々に核廃絶を宣言してノーベル平和賞を受賞した。しかしそれから7年、二期目も終わりに近づいて彼のノーベル平和賞に見合う実績が何もないのに愕然とする。
せめてもヒロシマを現職の大統領として初めて訪問したが、核兵器を唯一使用した国の大統領として人類全体に対する「謝罪」の言葉はなかった。そして現実は「小型の核兵器」といわれる劣化ウラン弾を世界各地で使用している。
世界には一万発を超える核爆弾が存在している。それは地球を数百回も死滅させる量だ。これが「狂気」でなくてなんだろうか。
人類は狂気の時代を生きている。それは人類自らが招いた狂気だ。国連の安保理常任理事国が核保有国クラブに過ぎないのも「狂気」の実態ではないだろうか。綺麗事を並べ立てるのをやめて、人類は真摯に核廃絶を議論のテーブルに上げるべきだ。一人の狂人により世界が破滅する危険性を抱えたまま、未来へこの時代をバトンタッチさせるわけにはいかない。安倍氏の醜い米国への追従には、見ていて吐き気すら覚えるものだった。
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