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参院選出馬について語る小林節氏(C)日刊ゲンダイ
注目の人 直撃インタビュー 小林節氏が真意を語る 「残された選択肢は第3の旗のみ」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181651
2016年5月23日 日刊ゲンダイ
違憲の安保法による立憲主義の破壊は許さない――。野党共闘による安倍政権打倒を最前線で訴えてきた憲法学者の小林節氏が、政治団体(国民怒りの声)を立ち上げ、参院選に自ら出馬する。比例区でのオリーブの木構想が頓挫し、やむにやまれぬ決断だというが、その真意は。そして勝算はあるのか。直撃して聞いた。
■野党で縄張り争いしている暇はない
――9日に記者発表し、19日にようやく事務所開設だそうですね。政治団体設立、そして参院選出馬について周囲の反応は?
「頑張って下さい」と言われます。反応は非常にいいですね。携帯電話のショートメールは「よくやった」「支援する」というメッセージで、すぐいっぱいになってしまいます。立候補を表明する前は「けなげな論客」だったのが、立候補したら「なんだ結局、政治家になりたかったのか」と思われ、周囲の視線が厳しくなると覚悟していましたが、厳しさは感じません。最後まで出馬に反対していた家内は、発表前夜、「あなたにも参政権という人権があったわね」と、非常に消極的にですが同意してくれました。
――懸念の声もありますか? 民進党など一部野党からは早速、反発が出ています。
「野党共闘を乱すな」という批判が来ています。しかし、とんでもない誤解です。我々は選挙区には候補者を立てません。比例区だけです。それに、そもそも1人区の共闘は私が仕掛けたもの。2年前から各党を説得してきた結果です。共産党が国民連合政府構想を発表する直前に、幹部から「(共闘を)決めました」と報告を受けたほどです。候補者一本化でも、人脈をつないで調整に関わりました。そんな私が野党の共闘を壊すはずがないし、壊れてもいない。
――目指したのは、統一名簿方式で比例代表を戦う「オリーブの木」でした。
共産党抜きでオリーブの木をつくろうとしたことを批判する人もいましたが、共産党には最初にお話しし、「党名選挙に徹しているからオリーブの木はやりにくい」と断られました。オリーブの木構想なら野党の死に票を合算するだけでも議席が増えることは過去の統計で明らかです。社民党と生活の党は賛同してくれましたが、最大野党の民進党が常任幹事会で拒否を決めてしまった。
――つまり、オリーブの木がうまくいかず、仕方なく政治団体を旗揚げした。
参院選は刻々と迫っているんです。何とかしないと安倍政治の暴走が続いてしまう。大事なことは、おおさか維新も含めた改憲勢力で3分の2議席を取らせないこと。一番望ましいのは衆参ねじれ現象を引き起こすことです。この2、3年、講演などで全国を3周ほど回りました。安倍政権は乱暴だからイヤだという意見はものすごく多い。しかし一方で、民主党政権の失敗が今も許せず、民進党に対する嫌悪感も強い。「あれは、自民党族議員と役人がしたことの後始末を慣れない民主党が短期でやって、役人に裏切られて失敗したのであって、民主党のせいじゃない」と弁護しても、民進党への嫌悪はなかなか消えません。
9日、政治団体設立を記者発表(C)日刊ゲンダイ
棄権しそうな無党派層にワクワク感を
――棄権してしまう無党派層の受け皿になるのが、政治団体設立の目的とおっしゃっていました。
統計上、無党派層が3〜4割います。その中には、安倍政権はイヤだけど、民進党も嫌い、共産党はちょっと怖いという人たちが少なくなく、彼らの票の行き場がないんです。野党第1党の民進党が心を広く開いて、オリーブの木でひとつにまとまれば、「野党は本気だ。政治が変わるかもしれない」と、棄権してしまうはずの人が1票を入れにくる。09年の政権交代の時はそうでした。そのために民進党がイニシアチブをとって欲しいと言ってきましたが、理解してもらえませんでした。もちろん、今からでも民進党が大同団結に舵を切って、オリーブの木が実現するのなら、我々は降りますよ。
――それが一番ですが、民進党が変わるのは難しそうです。
衆院北海道5区の補欠選挙で野党が敗北したことで分かるように、組織力のある自公の前では、1人区で野党共闘ができたとはいえ、勝つのは簡単ではない。もともと1人区は自民党の金城湯池だったのですから、僅差で全て負ける可能性だってある。そうした追い詰められた状況の中で、比例区でも野党で必死に票を取りにいくべきで、オリーブの木が難しくなった以上、残された選択肢はこれしかなかった。政党人ではない者が第3の旗を立て、個人参加で戦う。棄権してしまう人に「面白そうだ」とワクワクしてもらえたらと思っています。
――もはや選択肢はない、緊急事態ということですね。
安倍首相はやりたい放題じゃないですか。国民の自由はどんどん狭まり、アベノミクスも口先だけで、豊かさがなくなっている。戦争法を通して、粛々と戦争に向かっている。これを止めなきゃいけないんです。野党で縄張り争いをしている暇はありません。全部がまとまって、自民、公明、プラスおおさか維新に勝たなくてはダメなんです。どうしてそれが分からないんでしょうね。野党がまとまるべきだとずっと言ってきました。1人区はうまくいったが、比例区は時間切れになった。私がやろうとしているのは、棄権してしまう無党派層の“落ち穂拾い”。野党共闘を邪魔するどころか、野党全体として大きくなろうという、極めて健全な方法です。考え抜いた結果なのです。
――今後ですが、棄権しそうな人たちを引き付けるために、どうやってワクワク感を出していくのか。
少なくとも我々の旗は新鮮だと思います。まず既存の政治家ではないということ。それから、クラウド・ファンディングで供託金を集めるということ。米大統領選の民主党のサンダース候補の方式を念頭に描いています。インターネットで集まった金額を発表していく。刻々と寄付が集まれば、それは民意の証しになる。そうしたやり方自体がワクワク感じゃないですか。インターネットで候補者を公募するという手法も、「面白いな」と思ってもらえるんじゃないですか。
■多様性ある候補者を揃える
――少なくとも10人の候補者を立てるということですが、どんな人が出馬するのかもワクワク感という意味では重要です。
10人のうち5人は我々の人脈で、残りの5人は公募でと考えています。また、半分を女性にしたい。候補者としていま私の頭にあるのは、例えば、地方大学の教授で1人区のオーガナイザーをした人。現役あるいは元職の政治家で非常に優秀だけど選挙区に恵まれなかった人。元官僚。他には、学者、俳優、音楽家もいる。看護師さんのようなプロフェッショナルもいい。ママの会の人もいいですね。多様性のあるメンバーを揃えたいと思っています。
――民進党が拒否したため、オリーブの木を断念したということですが、社民と生活の2党と一緒にということにはならないのですか。
共産と民進に断られ、社民と生活だけでは、2つの党を救済するための政治団体ということになってしまって、話が矮小化してしまう。あくまでも目的は、棄権してしまう無党派層の受け皿としての第3の旗です。そこに個人で参加するならば、社民からでも生活からでも、民進からでも、公平に審査させてもらい、受け入れます。
――いずれにしても、やるからには勝たないと意味がない。野党全体で何としても改憲勢力3分の2を阻止しなければなりません。
共産は確実に伸びる。社民も生活も固定客がいるから、小さなままで残る。民進党はそれぞれが自分のために頑張るでしょう。要は我々は、彼らの客を狙ってはいません。ターゲットにするのは、既存の政治にうんざりしている人々。我々は、顔も人もやり方もあらゆる点で新鮮です。これでうまくいかないはずはない。うまくいかなかったら、時代が我々を認めなかったと思って、明るく元の生活に戻ります。静かな老後を送りますよ。
▽こばやし・せつ 慶応大名誉教授。弁護士、法学博士。1949年生まれ、67歳。都立新宿高、慶大法学部卒。慶大教授を経て、現職。改憲派の論客として自民党の改憲草案作成にも関わったが、立憲主義を踏みにじる内容のため反対に回った。
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