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衆参ダブル選になったら? 驚異の的中率を誇る「青木率」で自民党の獲得議席を予測してみた 現状では「圧勝」とはいかない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48719
2016年05月23日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス
■ダブル選実施なら「舛添おろし」が進む?
舛添都知事がさらに窮地に追い込まれている。先週のコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48663)で、@さらなる問題が出てくるか、A政治資金規正法違反で刑事告発が行われるか、B都議会が舛添おろしに動くか、の動向に注目と書いたが、@とAは予想通りとなった。
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先週20日の記者会見は、かなり惨めだった。第三者に調査を委ねるとして一切の説明を拒否して、40回以上も「第三者」を連呼した。そのメンバーは舛添都知事が指名するというので「第三者」とはいえないのだが、そこに逃げ込まざるを得なかった。
政治資金の支出について、政治資金規正法違反はザル法なので刑事責任を問われた例は、おそらく過去にはない。しかし、検察は「新たな領域」を開発しようとしているかもしれず、また、刑事告発もされているので、その弁護のことを考えれば、「第三者」委員会を設置するのは一石二鳥になる。
法的には問題なし、というお墨付きを得られれば、あとは政治倫理上の問題として時間が過ぎさるのを待つ作戦だろう。都知事は本人が居座ろうとすれば、なかなか辞めさせられない。可能性があるとすれば、都民からのリコール(必要署名145万人)、都議会により辞職勧告、都議会による都知事不信任決議(4分の3以上の賛成)となる。
いずれにしても、B都議会の動向がキーポイントである。以下に述べるような政治情勢なので、都議会勢力が一気に舛添おろしに流れるかもしれない。
政界では再び衆参ダブル選挙が騒がれだした。筆者は政治記者ではないので、誰それが何を発言したからダブルだ、ダブルでないという言い方はしない。ただし、元官僚なので、実務的手続きから、総選挙の臭いを感じることはできる。
そのカギは、いつ参院選を行うかだ。公職選挙法と選挙権年齢の「18歳以上」を適用しようとすれば、参院選の日程は、7月10日(赤口)、17日(先勝)、24日(友引)の3通りになる。
もし4月16日の熊本地震を理由にダブル選挙を避けるのであれば、24日が最適だ。一つのメドである3ヵ月間、ギリギリまで復旧を行って、参院選はどうしても実施せざるを得ないからやる、といえるからだ。
ただし、今国会の会期末は6月1日である、憲法上の「衆院選は解散から40日以内に実施」という規定を考えると、ダブルをやるためには、7月10日でなければいけない。
ということは、参院選を7月10日に設定すれば、ほぼダブル選挙は間違いないといえる。
■議席数を予測してみる
筆者は、誰が参院選のスケジュールについて言うのか注目していた。
そんななか5月13日、自民党の伊達忠一・参院幹事長は参院議員総会で「7月10日の参院選」とポロリといってしまった。これは単なる言い間違いだろうが、慌てて谷垣禎一幹事長が取り繕ったところをみると、多くの人がその日を重要だと思っている、という国会の空気をよく表している。
そうした空気は野党にまで伝染する。18日の党首討論で、岡田克也民主党代表は、消費増税の先送りに言及した。安倍政権は表向き消費増税を予定通り実施すると言いながらも、裏では消費増税のスキップを画策しているのが見えていたので、「先手」を打ったつもりだろう。
その勢いで、翌19日には、野党4党首が内閣不信任案の提出検討で一致という動きになった。
となれば、安倍政権は「不信任案に対抗する」という名目を得たので、解散総選挙を打ち出すのは当然だ。野党が出てこなければ、「雉も鳴かずば打たれまい」ということで、安倍政権のほうから解散総選挙は言い出せなかったのだが、野党側のアシストということになるだろう。
20日5時3分に「参院選 7月10日投票 政府・与党が方針固める」とNHKが報じ、その後、読売(20日16時43分)、産経(20日21時43分)、毎日(20日22時32分)、日経(21日1時10分)、朝日(21日1時24分)の順番に同じ報道があった(日時はインターネット上の発表時間)。この順番は今の官邸からの各社の距離感を表しているようで、それ自体も興味深いが、同じ報道内容なので、これで決まりだろう。
ダブル選の報道は各社でいろいろであるが、20日以降新聞各社は「わかっている」状態になったはずだ。
ところで、ダブル選挙になった場合、今の自民党がどれほどの議席をとれるのだろうか。筆者は、各選挙事情を勘案し、それらを積み上げて予想議席数を算出することはできない。
ただし、政権の支持率などから全体としてどの程度の議席を獲得できるのかを推計することはできる(2014年11月10日「解散するなら「今でしょ」! 「青木率」から分析する自民党が勝つためのタイミング」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41027)。
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次ページでみてみよう。
■現状では「圧勝」とはいかない理由
安倍政権はかなり高い支持率を維持している。
過去の政権支持率(内閣支持率と政党支持率を合算した「青木率」)と国政選挙結果はかなり連動してる。
このタイミングでダブル選挙をしても、自民党はそこそこ勝てるだろう。直前の世論調査から獲得議席を推計すれば、今選挙をしても、衆議院で270議席、参議院で50議席程度以上は獲得できるだろう。
ただし、いずれも圧勝とはならない。野党の間で従来にない候補者調整をすれば、より自民党は勝てなくなる。例えば、参院選で32の全1人区ですべて野党は統一候補を立てている。そこも自民「苦戦」になっていくはずだ。
今後、サミットの成果とともに、熊本地震での政府対応の成功、さらに、まともな経済対策が打ち出さなければ、衆院290議席、参院55議席以上という「圧勝」にならないだろう。
■安倍政権の「知られざる快挙」とは
野党としては、消費増税の先送りを言って、2014年12月の総選挙のように当初消費増税を主張しつつ、直ぐに腰砕けとなって消費増税反対に転じた無様な姿は避けたかったようだ。ただ、安倍政権も消費増税は反対となるだろうから、これは争点にならない。
そこで野党としては、安保問題を争点としたいところだろう。ただし、これは先の国会で決着がついており、安保法について最高裁が違憲判決でも出さなければ、話にならない。いくら違憲と叫んでも、最終的には司法が判断すべきものであるからだ。
しかも、本コラムで何回も書いたように、集団的自衛権は戦争リスクを減少させる(しかも安全保障コストも減少させる)ので、「違憲」に合理性はない。
結局、民意を分けるのは、経済対策になるだろう。
では、経済状況を見てみよう。マクロ経済の状況は、雇用はいいが、GDPは今ひとつという状況だ。雇用は安倍政権のほうが格段にいい。
47都道府県中で有効求人倍率が1を上回っている数をみれば、民主党政権最後の2012年12月では8であったが、直近3月は埼玉0.88、鹿児島0.93、沖縄0.92を除き44となっている。この3県も1まであと一歩であり、補正予算を九州地方に集中的に行えば、全都道府県で1を上回るという快挙も目前である。
■絶対にやってはいけない一手
GDPは、消費増税のために、一進一退の状態だ。
ただ、本コラムの今年1月4日付け「2016年、日本の景気が悪くなる要素が見当たらない〜「国債不足」に「追加緩和」そして「埋蔵金バズーカ―」まで飛び出す!?」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47244)と3月7日付け「安倍政権が発射準備中の「ダブルバズーカ」? 消費増税スキップとさらなる奥の手 ダブル選はこれで圧勝!?」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48116)に書いたとおり、
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@消費増税スキップ、
A埋蔵金20兆円・国債発行(財投債)10兆円の財政出動、
B追加金融緩和
を行えば、かなり今後よくなるはずだ。そうした持てる力をフルに出せれば、安倍政権の圧勝となるだろう。
反対に、一部の自民党から提案されている「消費増税はするが財政支出もするので、景気は悪くならない」というのは、安倍政権を揺るがしかねない。これは、2014年4月に8%に消費増税をするときに、財務省からささやかれた話とまったく同じである。
結果をみれば財務省の嘘であることがわかったわけで、同じ手で安倍政権が再び騙されることになれば、もう日本経済はデフレ脱却どころかおしまいだ。
増税は恒久措置、財政支出は一時的措置なので、経済に与える影響ははるかに恒久措置のほうが大きいからだ。このことは強く指摘しておきたい。
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